ICEx summer concert 2024 "TASTING"――グループ最大規模のワンマンコンサートをレポート！

EBiDAN発の新世代ダンス＆ボーカルグループ・ICEx（アイス）が8月30日（金）に東京・北とぴあ　さくらホールにて、ワンマンコンサート「ICEx summer concert 2024“TASTING”」を開催し、台風の接近で会場に来られない方のために生配信も行われた。

阿久根温世、志賀李玖、竹野世梛、千田波空斗、筒井俊旭、中村旺太郎、八神遼介、山本龍人の8人からなるICExは2023年3月31日に結成。“全ての愛を愛す”をコンセプトに活動をスタートし、同年8月に1stシングル「CANDY」でメジャーデビュー。今年3月から4月にかけて開催された初の東名阪ツアー「ICEx First Concert Tour 2024『SCRAMBLE PARTY!』」は全公演でソールドアウトを記録。8月29日（木）と30日（金）の2日間で3公演が行われた本ライブはキャリア最大規模のキャパシティでありながらもソールドアウトとなっており、期待に満ちたCOOLer（ファンの呼称）が集結し、熱狂的な歓声を送った。

開演時間になると、場内が暗転。ステージ上に設置されたスクリーンにテトリスのような画面が映し出され、メンバーカラーに彩られたICE BOXが集められていき、8つのカラーが揃ったところで、メンバーが一人ずつ姿を表した。オープニングを飾ったのは、COOLer目線で書かれた「Maniacs」。メンバーそれぞれが抱きついたり、頭を撫でたり、手を重ねて歌いながら＜どうしたって幸せ＞というフレーズを響かせ、ホール会場をハッピーで愛に溢れたムードで包み込んだ。続いて、＜新しい世界に飛び出そう＞という始まりのときめきを込めたデビュー曲「CANDY」から、9月25日（水）にリリースされるメジャー1stアルバム『Retro Toy Pop』のリード曲で、＜知らない世界を見てみたい＞とさらなる高みを目指す「Hollywood」と“これまで”と“これから”を鮮やかにつないだレトロトイポップで観客のテンションを高めていった。

最初のMCでは、それぞれの挨拶の後で、筒井が本公演のソールドアウトを報告すると、観客から大きな拍手が湧き起こった。そして、中村が「楽しむ準備はできてますか！」と観客のボルテージを引き上げた後、3rdシングル表題曲の「ビリミ」へ。TVアニメ「逃走中　グレートミッション」のエンディング主題歌に起用された 楽曲では、＜キミの元へ＞というフレーズに合わせて、サーチライトを持って客席に降り、ハンターから逃走するかのように逃げ回ってみせて、観客との距離を縮めた。続く、「ナイトフライト」ではペアのダンスを繰り広げながら、間奏のダンスブレイクではシルエットで魅せ、「COUNT DOWN」では八神が鍛え上げた腹筋をチラ見せし、場内から悲鳴にも似た声が上がった。彼らのダンスパフォーマンスをたっぷりと堪能できる時間の後には、この日のライブのために作ったという未発表の新曲「８COUNT」を初披露。横一列で熱くエモーショナルに歌い継ぎながら観客の高揚感をあげていくと、千田はハイトーンを響かせ、圧倒的な開放感を生み出した。

ここで、現時点ではライブでしか聴けない「８COUNT」について、中村が「この楽曲を通じて、僕たちメンバー8人とクーラーの皆さんの繋がりをもっともっと強くしていきたいという思いが込められてます」と解説。ライブのタイトル「TASTING」に関しては、志賀が「このライブでは皆さんが知らない僕たちを見せていけたらと思っているし、味見していただいて、そこからどんどんハマっていただけたらいいなと思っています」と説明。さらに、メンバー全員でこの夏の活動を振り返り、八神が「夏を思い出して、みんなと会えて楽しかったし、かけがえのないものになったと思ってて。来年の夏もみんなで過ごしたいし、夏だけじゃなく、秋も春も冬もみんなで過ごしたいという気持ちをこの曲で伝えたいと思います」と語ったあとの「Destiny」からは後半戦へ。ヘッドセットからハンドマイクに持ち替えて、ずっとそばにいるというメッセージをまっすぐに届けると、「Sunset Blue」では、ステージの2階に設置されたベンチに座って歌い、暖かくノスタルジックなムードでフロアを満たした。

お揃いのメタリックのユニフォームからメンバーカラーを取り入れたストリートファッションに着替えたメンバーによるダンストラックを挟み、「Cyber Groovin’」でファンキーなグルーヴを生み出すと、竹野がMPCを操って観客のクラップを引き出し、志賀と観客によるコール＆レスポンスも実現。「Play The Music」では音楽の楽しさを全身で表現し、令和の待ち合わせソング「シブヤ 午後6時」では、ラララというシンガロングが生まれる中で、パフォーマンスの途中で阿久根と志賀がいなくなり、いつの間にか客席へ。待ち合わせに遅刻して迷っている二人がステージに戻ってきたところで、志賀が「全員揃ったっていうことで、ここから大盛り上がりしていきましょう！」と呼びかけ、ライブはクライマックスへ。「Sunny Road」では中村が手持ちカメラでメンバーを映しながらパフォーマンスし、サインボールを客席に投げ込み、最後は「CARNIVAL」でタオルを回して会場に一体感をもたらし、メンバー全員で円になって上を見上げた姿でライブを締めくくった。

アンコールでは、「It’s party time!」でまさにパーティーのような賑やかさと楽しさを観客と共有。そして、＜緊急告知＞として、新たなツアー「ICEx Second Concert Tour 2025 "ROUTE-8"」の開催を発表。2025年1月5日(日) に東京・LINE CUBE SHIBUYA、2月21日(金)と22日（土）に大阪府・大阪国際交流センター 大ホールで行われる東阪ツアーとなっており、筒井が「僕たち、メンバー８人のそれぞれの人生、道があるんですけど、その道が１つになっていくロードストーリーをお届けできるライブにしたい」と意気込みを語った。さらに、メンバー一人一人がファンやスタッフへの感謝の気持ちを伝えるなかで、筒井が「これからもどんどん成長していって、大きなステージに立ちたいなと思ってます。でも、どんだけ大きくなっても、皆さんに寄り添える存在でいたいと思っているので、これからも僕たちについてきてください」と語ると、八神は「しんどいことや辛いことがあっても、８人でいればうまくいくし、８人でいれば大丈夫だと思えるようになった」と絆の深さを再確認。竹野が「俺ら成長したんだなと実感してます。目標にしてる国立競技場に行けるように頑張ります」と未来に対する決意を口にすると、志賀も「このライブでICExで良かったと改めて思いました。僕たち、国立競技場に立つんで、ついてきてください！」と声をあげ、「Member Sign」を通して再会を約束し、ファンと笑顔でハイタッチするかのような、オーディエンスとの距離の近さを感じるパフォーマンスで、2日間で3公演に及んだコンサートはエンディングを迎えた。

なお、ICExは9月25日（水）にメジャー 1stアルバム『Retro Toy Pop』をリリースする。なお、この日のアンコールで発表したように、2025年1月5日(日) に東京・LINE CUBE SHIBUYA、2月21日(金)と22日（土）の大阪府・大阪国際交流センター 大ホールにて、東阪ツアー「ICEx Second Concert Tour 2025 "ROUTE-8"」を開催する。

取材・文／永堀アツオ
写真／鳥居洋介