──Zilqyが9月で始動1周年を迎えました。今の心境はいかがでしょうか?
「すごく充実しています! とても純粋な気持ちで夢に向かって音楽ができていて…決して楽しいだけではないですけど、本当にやり甲斐があって、毎日新鮮で前向きな気持ちでいます」
──特に強い手応えを感じている部分を挙げるとすると?
「(個人で考えると)“デビュー1年目の新人と言っていいのかな?”というくらいの活動歴ですけど、Zilqyとして、サマソニとか大きいにステージに立たせてもらえる機会があったり、完成させた1st FULL ALBUM『Birth of Riot』を聴いていると、去年リリースしたEP『Vacant Throne』よりもすごく成長したという手応えもあります。あと、いろんなメディアに露出させてもらったり、雑誌の表紙を飾らせてもらえたりすると、 “頑張らなきゃ!”って気が引き締まります。これだけ期待してもらっているのはすごいことだと思うので、その期待に応えられるように頑張り続けたいと思って、気合いが入っています」
──サマソニのステージはいかがでしたか?
「もう最高でした! やっぱり幕張メッセってすごく広くて…Zilqyの出番がオープニングアクトで朝の10時過ぎくらいだったので、“お客さんもまだそんなにいないんじゃないかな?”と思っていました。でも、“サマソニに出れる”というひとつの夢が叶った瞬間でもあったので、“Zilqyらしくぶっ放していくぞ!”と。その気持ちでステージに立ったら、私たちの次のバンドを観に来ていた方とか、いろいろな方たちがいたと思うんですけど、会場が満員の景色だったんです! それを見た瞬間に涙腺が緩んでしまって…私たちを初めて観た人が多かったと思うんですけど、歓声や拳をあげてすごく盛り上がってくれたので、さらに嬉しかったです」
──サマソニのステージを拝見しましたが、Tokiさんがいつも以上にいい笑顔で弾いていると思いました。
「“うわー! 楽しいー! 気持ちいいー!”って気持ちが完全に出ていたと思います(笑)」
──Zilqyのことを知ってくれている人に向けて曲を届ける、ギターを弾くことも素晴らしいことですし、Zilqyを知らない人たちにも曲を聴かせることができたというのは、とてもいい機会でしたね。
「本当にその通りです。今まではワンマンライブが多かったんですけど、サマソニはダントツでたくさんの人の前で演奏したので。私たちが出す音に対して、“ワーッ!”って返ってくる歓声が本当に気持ちよかったです」
──ワンマンのお話が出ましたが、初ツアー『Zilqy Tour 2026 「Rise to Liberation」』は全公演完売で急遽追加公演も開催されました。初めてツアーを廻ってみてどんな感覚がありましたか?
「ツアーは合計5公演だったんですけど、ライブをやり終える毎に、“もっとここをよくできるんじゃないか?”と話し合って、リハーサルのときにアレンジを変えてみたり、曲中で展開をいろいろ作ったりとかしていて。その結果、初日からツアーファイナルまでにバンドとしてものすごく成長したと感じました。回を重ねるごとに、メンバーの仲というか絆というか…みんなの動きがどんどんインプットされて、まとまりも出てきて。もちろん、ツアー初日がダメだったわけではないですけど、ずっと更新している感覚があったので、“こんなスピードで成長できるんだ!”とすごく思いました」
──ツアーやレコーディングを経て、改めてメンバーに対して新たに発見した意外な一面とかあったりしましたか?
「メンバーがいい意味でみんな本当にバラバラなんです。被っている人が本当にいなくて。ファッションも髪の色もバラバラですし、性格も考え方も違っていて。血液型もA、B、O、AB全員います(笑)」
──見事ですね(笑)。
「それもあって、みんなが私にないものを持っているんですよ。だからこそすごく尊敬できますし、憧れもあります。自分ひとりだったら小さな力しかないですけど、この4人でいるからすごく大きな力になります。アイデアも4倍出てきますし、すごく楽しいです」
──そういった個性も考え方も違うメンバーが集まって同じ夢や目標に向かっているからこそ、Zilqyとして作れるものがあるんですね。
「そうですね。似ている人がいないからこそぶつかったりもするんですけど、ぶつかるのはみんな良くしたいと思うからぶつかるわけであって。結果的にそれはZilqyにとって大きな力になっていると思います」
──メンバー全員に“これはバンドを良くするためだ”という理解があるからできることでもあるからですね。“バラバラで性格が違うから”と言って変な折れ方をするのではなくて、みんながちゃんと向き合えているからこそ。
「はい。向き合っている感じはすごくあります」
──“この人のここに憧れる”というところを挙げるとすると?
「メンバーみんなにあるんですけど、1人ずつ言ってもいいですか?」
──もちろんです。ぜひ。
「Mihoちゃんは私と同じくらいのキャリアですけど、私の何倍も音楽の知識があるし、メタルに対しての愛がすごいです。頭もいいですし、ピュアな気持ちで接してくれるから、私はMihoちゃんのそういうところがすごく好きで、一緒にいて楽しいです。あと、ステージパフォーマンスも超かっこいいので、“負けないぞ!”と思いながらいつもライブをやっています。そして、Kanoちゃんはとても冷静なんですよ。やっぱりドラマーだからか、バンドの中でも周りを一番よく見ていて。私が思っていることをワーッ!と言ったりしても、Kanoちゃんが一歩引いたところから判断してくれるので、意外とリーダータイプかもしれないです。すごく考えているから“頭いいな”って思います。私もそういう風になりたかった(笑)」
──まさに憧れですね。
「Annaちゃんは、愛を伝えてくれるんです。私は基本的にあまり自分に自信があるタイプではなくて…ちょっとしたことでもウジウジ考えてしまったりするんですけど、“Tokiのそういうところが本当に好き”とか、“Tokiのこういうプレイが私は大好きだよ”ってすごく伝えてくれるので、自己肯定感が上がります。本当に素敵な性格だと思います。あと、英語ペラペラですし、“すごく頭がいいな”って思います(笑)」
──お三方共通で出てきたのが“頭がいい”でした。
「はははは(笑)。確実にみんな私より頭いいですよ。物事をしっかりと考えています。私は“当たって砕けろ!”でもないですけど、そういうところも少しあるから、“みんな、よく考えてるなぁ”って思います」
──でも、“みんな、よく考えていると思う”ということは、Tokiさんも全く何も考えていないわけではなくて、同じく考えている人だからそう感じるんだと思いますよ。
「ああ…私も考えはするんですけど、答えに悩むタイプなんです。“どっちがいいんだろう?”って。そういうときはメンバーに助けられています。本当に頼もしいメンバーばかりなので、私は大船に乗ったつもりでやれていますし、“私も負けないように自分を磨かないと!”と思っています」
──刺激を受けますよね。
「すごく受けています」

──そんなZilqy結成から1年の中で築き上げてきたものが、1st FULL ALBUM『Birth of Riot』として形になったわけですが、どういうアルバムにしようと考えていましたか?
「ツアーを経て、“やっぱりZilqyのライブは熱量がすごく高い”と思ったので、私たちもお客さんも一緒になって感情を爆発させられるような曲をたくさん入れたいという想いはありました。ただ、Zilqyらしいバラードとか、ミドルテンポだけどすごくへヴィな曲があったりして、“激しい曲ばかり”というわけではないアルバムになりました。私個人としては、ライヴでは披露していたんですけど、今まで使っていなかった7弦ギターに初挑戦したので、すごく大きな変化もありましたし、生まれ変わった自分を見せられたアルバムだと思っています」
──7弦ギターに初挑戦しようと思ったのはどうしてだったのでしょうか?
「元々使うつもりはなかったんです。6弦ギターが好きですし、今までギターを弾いてきて7弦を使いたいと思ったことは1回もなくて。だけど、アルバムのリードトラック「RUN」は、Kanoちゃんがデモを持ってきてくれた曲なんですけど、ギターのチューニングがドロップF#だったんです。ドロップF#というと、7弦でもさらに低い、もう8弦くらいの域のチューニングになって、“さすがにこれはアレンジをするなり、キーを変えるなり、何かしらしないと弾けないんじゃないか?”という話し合いをして…」
──“ちょっと厳しいかもしれない”と?
「ただ、Kanoちゃんとしては、“誰もやってないようなすごくヘヴィな曲をやりたい”という気持ちで、この曲を持ってきてくれたので。私としても、やってもいないのに“出来ない”と言うのはちょっとカッコ悪いと思ったので、“じゃあ、チャレンジしてみて考えよう”と。だから、Kanoちゃんがこの曲を作ってこなかったら今も7弦ギターは使っていなかったと思うので、「RUN」が私と7弦を出会わせてくれた曲になりました。これだけ長い間ギターを弾いてきて、新たな挑戦をするのはすごく不安ですし、少し怖い部分もあったんですけど、勇気を出してやってみてよかったと今は思ってます」
──アルバムではその“重たさ”がすごく印象に残ったので、いいインパクトになっていますね。
「音程感はあまりないですけど、“本当にヘヴィだな”というのは私もすごく感じていて。ただ、レギュラーチューニングのギターとはもはや全然違う楽器です(笑)。弦も“ポッキーか?プリッツか?”くらいの太さの弦を張っているから(笑)、手触りも違いますし、音も全然違います。今も必死で練習しているんですけど、新しい挑戦ができることって本当に幸せだと思いました。試行錯誤しながら音を作ったり、太い弦も楽器屋さんには売っていないから取り寄せたりするのも初めてだったので新鮮でしたし、すごく楽しかったです」
──収録曲のアレンジを皆さんで詰めていく中で、“すごく化けた曲”はありますか?
「最初のデモから一番エグい変貌を遂げたのは「World’s End」でした。この曲は私がデモを作ったんですけど、それはもうバンドの音だけで、シンセサイザーとかは入れていなかったんです。それをMACKYさんが最高にカッコよくアレンジしてくださって。それこそシンセを入れて少しモダンっぽくしていったので、かなり世界観が出たと思います。歌メロは私が作ったものを活かしていますけど、それでも“かなり違う曲になったな”と思うくらい変化がありました」
──Tokiさんご自身も、曲が変わっていくことを楽しんでいたのでしょうか?
「もう本当に。悪い意味で“変わっちゃったなぁ…”ではなくて、“めっちゃカッコよくなった!”みたいな感じです」
──それって、先ほどお話しされていた“みんなの力があるからこそ”ですよね?
「そうです! まさにそういう曲です」
──他のメンバーが持ってきた曲やアイデアで“面白いな”と思ったものも教えてください。
「みんな面白いものを作ってきてくれました。「CAVEAT」はKanoちゃんがライブで暴れられるような曲を考えてきてくれたんですけど、人間が弾くスピードギリギリの速さなんですよ(笑)。Zilqyの曲ってミドルテンポで重たいビートでノるようなイメージだったんですけど、それを1ミリも感じないような超速い曲で。Kanoちゃんのドラムも炸裂していてブラストビートが入っていたり、この曲のギターもドロップF#でヘヴィだったりで、“こんなガールズバンドいる!?”っていう衝撃を与えられる1曲だと思います」
──Kanoさんが持ってきた曲はある意味、極端だったんですね。“すごく重い”か、“すごく速い”か。
「そこは私にはないものだから、本当に尊敬できるところです。あと、Mihoちゃんが持ってきてくれた「Other Side of the Moon」は、バラードっぽい曲ですけど、春のツアーからデモ段階のバージョンで何度か演奏していました。そこからまた形が変わって今回ようやく完成したんですけど、ギターのアルペジオから入るという今までのZilqyとは違う感じがあって。激しい曲ではないですけど、ライブではフックになる曲だと思っています」
──始まると空気がガラッと変わる曲ですね。
「そうです。あと、Annaちゃんの絶唱と言うか…感情を込めて歌う声が私はすごく好きなんです。ライブでももすごく感情移入してしまいますし、「Other Side of the Moon」は大きなステージで映える曲になると思ったので、すごく新鮮でしたし、楽しみだと思いました」
──Tokiさんは、Annaさんが書く歌詞やメロディに対してどんな印象をお持ちですか?
「私は英語がほとんどできないので、歌詞は、いつも一緒に書いてくれている和訳を見ているんですけど、曲によっていろんな色をしっかりと混ぜていて。“今まで作詞をやったことがあまりなかった”と言っていたんですけど、そうとは思えないぐらい感情豊かですごいと思います」
──感情面もそうですし、技術的にもポイントによって韻を踏んだりラップしたり…。
「そうそう! そこがすごく上手だと思います。今回は「Crimson」で日本語多めの歌詞を書いてきてくれたんですけど、日本語になるとまたガラっと変わるというか。すごく伝わってくるものがあって、それも新鮮だと思いながら聴いています。あと「RUN」は日本語と英語を混ぜていて、その混ぜ方もすごく上手で、本当にセンスがあると思います」
──“本当に今まで作詞してなかったの…?”って思いますよね。
「ね?(笑) すごく頑張って書いていました。曲が出来上がるまでにかなり時間がかかってしまったんです。“もっとこうしよう”という話をして、何回も変えていたのでなかなか完成しなくて。そこから作詞に取り掛かるから、時間がない中ですごく頑張って書いていたと思います」

──ちなみに一番制作が難航した曲ってどの曲になりますか?
「どの曲だろう…「Crimson」かもしれないです。この曲は私がデモを作ったんですけど、“日本語の歌詞を書きたい”ってAnnaちゃんが言ってくれた曲です。ただ、日本語で書くとストレートになりすぎるから、そこが難しかったみたいで。あと、サビの最初をみんなで一緒に歌いたいと思って作っていたので、そこが流れて行かないように、グサっと刺さるようなキラーワードを入れて欲しかったんです。そこをどうするかすごく悩んでいました。最初は日本語で考えていたんですけど、どうしても見つからなかったから、私が<Just paint it red>という、“赤に染まれ”みたいなワードを提案しました」
──そうだったんですね。
「私たちの衣装も赤色の印象が強いですし、私がデモを作ったときも赤いライトをイメージしていて、仮タイトルも「Crimson」にしていたんです。そこを採用しながら、『Birth of Riot』というアルバムタイトルにもかけた歌詞に仕上げてくれたので、結果的にアルバムを象徴するような1曲になってすごくよかったです」

──『Birth of Riot』というアルバムタイトルはどう決めたんですか?
「これもみんなで何度も話し合いました。最初に“Riot”を入れたいという話があって、じゃあどんな“Riot”なのか?というところからみんなでいろんな単語を出し合って…私としては“Birth”を推していました。Zilqyにとって初めてのアルバムだから、“誕生”とか“始まり”というイメージの言葉がいいと思って。その結果、全員一致でこのタイトルに決まりました」
──あくまでも“これが始まり”なんですね。
「そうです。EPを去年リリースしていますけどEPなので5曲でしたし、このアルバムでようやくZilqyの世界観をがっつりと見せられると思っています」
──和訳すると“暴動の始まり”…かなりエグいですよね。
「そうですね、かなり危なそうな(笑)」
──(笑)。実際に音がものすごく重たくて、アルバムの前半も超攻撃的で凶暴な印象もありますが、改めてメロディがすごくいいと思いました。個人的に「Grotesque Noblesse」のメロディがすごくいいと思って…。
「私もめっちゃ好きです! これは超神曲です」
──おおー! どんなところにそれを感じますか?
「私、“キャッチーこそ正義だ”と思っているんです。メタルとか激しい音楽をやっていると、もちろん激しいだけの曲もたくさんあるんですけど、やっぱりキャッチーさが絶対に必要だと思っていて。「Grotesque Noblesse」はまさにそういう曲なんですよ。楽器隊はすごく激しくて、ギターもすごく聴かせるポイントがあるんですけど、やっぱりメロディがキャッチーで耳に残るので、この曲は“絶対にやりたい”ってデモの段階から私が言っていました」
──あと、お話に出ていた「Other Side of the Moon」とはまた違うベクトルで、「Grotesque Noblesse」も大きい会場に映えそうですよね。なので、また1つ、すごい武器が増えた印象がありました。
「本当にそうですね。今までの世界観を広げてくれた感じがします」
──大充実のアルバムが完成して、10月からはツアー『Zilqy Tour 2026「Birth of Riot」』がスタートします。確実に熱く激しいライブになりそうですね。
「はい! 春のツアーは回を重ねるごとに私たちも成長していたんですけど、お客さんもどんどん成長していってくれたんですよ。みんなで一緒に歌ってくれたり、ジャンプしたり拳をあげたり、“こうやってノるんだな”というのが分かってきて、どんどんよくなっていったので。今回のツアーはZilqyとして初めて行く土地にも行くので、たくさん暴動を起こしたいと思っています(笑)」
──全国各地で暴動を(笑)。ツアーファイナルは12月16日にZepp Shinjuku(TOKYO)で開催されますが、どんな景色にしたいですか?
「東京でのライブは前回から4ヶ月くらい空くので、“どんな景色を見たいか?”と訊かれると、それはもう満員の景色です。でも、ZeppはZilqyにとって挑戦でもあります。キャパもいきなりガンッ!と増えますし。ただ、そこに行くまでに前回とは違った、成長した私たちの姿を絶対に見せたいですし、お客さんもメンバーも一緒になって、これからもっとどんどん大きなステージに行きたいので、その景色に繋げられるようなライブをしたいと思っています」
(おわり)
取材・文/山口哲生
ライヴ写真/Victor Nomoto (METACRAFT)
RELEASE INFORMATION

Zilqy『Birth of Riot』完全限定盤
2026年10月7日(水)発売
DCCA-182/8,800円(税込)
※完全限定盤はMAVERICK STOREのみにて購入可能
LIVE INFORMATION

Zilqy Tour 2026「Birth of Riot」
2026年10月11日(日) 千葉 柏 PALOOZA
2026年10月12日(祝) 宮城 仙台 LIVE & CLUB MACANA
2026年10月24日(土) 兵庫 神戸 VARIT.
2026年10月25日(日) 愛知 名古屋 ell. FITS ALL
2026年11月14日(土) 福岡 福岡 INSA
2026年11月15日(日) 福岡 福岡 INSA
2026年11月28日(土) 大阪 OSAKA MUSE
TOUR FINAL
2026年12月16日(水) 東京 Zepp Shinjuku(TOKYO)

