──愛美の新しい始まりを音楽で示した「A/CODE」、新時代の幕開けを飾った『AIMI LIVE TOUR 2025 “NEW WORLD”』を経て、その次というのはどう考えていましたか?
「前作の1st HALF ALBUM「A/CODE」は音楽性をより固めていきたい想いから、かなりハードなサウンド感で制作しました。実際にライブでパフォーマンスしてもかなり手応えがあったので、この方向性でいきたいと思って…激しいギターバンドサウンドをより強固に。それがNEW EP「AIM STAR」になったと思います」
──サウンド面以外で何かテーマは設けていましたか?
「最初にプロデューサーさんからご提案いただいたのが、“原点回帰”というコンセプトでした。“愛美がこれまで演じてきたキャラクターやコンテンツを振り返って作品作りをしたらどうだろう?”というアイデアをいただき、…“カバーアルバムをリリースするのはどうか”というご提案でした。私が関わってきた、たくさんのコンテンツから1曲ずつ選んで」
──そうなんですね!? バンドリ!やアイマス、D4DJなどの作品から1曲ずつ選んでカバーするアルバムを考えていたとは…。
「はい。かつ、“オリジナル曲も収録する試みはどうだろう?”というご提案いただいたんですけど、いろんな兼ね合いがあり、ちょっと難しくて…。そこから考えを変えて、私のターニングポイントとなったキャラクターたちに繋がるような楽曲を作るのはどうだろう?と。バンドリ!やアイマスを始め、私は“星”に関連するキャラクターを演じることが多くて、いろいろと親和性が高く作れそうなので、“星”をテーマに作品を作ることにしました」
──愛美さんにとって“星”とはどんなイメージですか?
「私にとっては憧れです。小さい頃から“スターになりたい”とずっと漠然とした想いがあって。デビューしてからも“スターになりたい”って冗談めいた感じで言っていたんですけど、小さい頃にテレビで見てたキラキラした人たちみたいに、歌ってキラキラしたいという憧れがありました。この世界に飛び込んで、“星”に関連するキャラクターたちを演じると、私にはない要素や素敵な魅力をそのキャラクターたちが持っていて、すごく憧れるんです。そんな存在になりたくて頑張った時期もありましたけど、なれなくて挫折したりしたこともあって。私にとっての“星”は“スター”であり、一生、憧れの存在なのかなと感じています。」
──愛美さんはスターになれていないですか?
「私がイメージしているスターには程遠いかなと思います。」
──日本武道館でギターをギュンって弾いて観客を沸かせても?
「キャラクターの人気やカリスマ性を背負ってステージに立たせていただいているので。いつか“愛美”としてソロ名義で日本武道館で公演をすることも夢です。」
──どうなったらスターなんでしょう?
「誰もが知っている存在になることかな?…お茶の間のスターみたいに、年末の歌番組に出たりするような」
──誰もが知っている国民的なスターになりたいですか? でも、そうなると普通の日常生活も送れなくなりますよね。
「そう言いますよね。それって幸せなのかな?って考えたこともあります。かなり茨の道じゃないですか。そこにたどり着くまでも大変ですし、たどり着いてからも大変ですし。たどり着くまでに死ぬほどの努力をしないといけないって考えると、“どこかちょっと日和ってるんじゃないか?”と自分でも思っています。もちろん、“いいものを作りたい”とか、“この曲が売れたらいいな”と思う気持ちは確実にあります。あわよくばその曲がヒットして、売れてスターになって…そういう夢は見たりするんですけど、“スターになるために作る”という考え方はしてこなかったです。だから、一生、憧れの存在なんだと思いました」
──それでもNEW EPのタイトルに「AIM STAR」とつけたのはどうしてですか? “スターを目指す”という意味がありますよね?
「ものを生み出す時の創作意欲や衝動って、憧れの気持ちがないとできないと思っていて。現状に満足してしまうと意欲も湧いてこないですし、伝えたいこともなくなってしまって、歌詞も書けなくなる。そんなことをここ最近、強く感じていたんです。自分の人生単位で考えた時に、今、お仕事も順調にやらせていただいて…」
──声優としても、声優アーティストとしても、作詞家としても順調ですよね。
「以前に活動を制限したこともあったのに、またこうやって順調に毎日を忙しくさせていただいてるのはとても幸せなことだと思っています。その幸せをありがたく受け取って、“自分は幸せだ”と感じながら生きています。一番いい状態なんじゃないか?みたいな環境にいるわけで…でも、そうすると貪欲さがなくなってしまう自分に気づいたんです」
──現状に満足してしまうと?
「満足しようと思えばいつでもできる状態になってしまって。それってすごく幸せなことなはずなのに、今世の愛美の人生において、“それって本当に自分が生きたい道なのか?”というのを考えるようになりました」
──愛美さんは根っこがロックの人だから…。
「そこでもう一度、小さい頃に感じたスターになりたいという気持ちだったり、星のような輝く存在になりたいという気持ちだったり、自分が演じてきたキャラクターたちのようになりたいという気持ちだったり…そういう“星”という憧れをしっかり感じながら活動するのもいいんじゃないかと思いました。」
──最初におっしゃっていた“原点回帰”にも繋がりますね。もう一度、初心に立ち返るという。
「だから、純粋に星を見ていたあの頃ではなく、いろいろ生きてみた上での、“もう一度”というところです」
──リード曲「AIM STAR」にはまさに今、お伺いした想いが込められていますね。
「はい。今いる環境から飛び出して…もしかしたら茨の道かもしれない、地獄かもしれない道を歩むぞ!って。そんな決意の曲です」
──<AIM STAR/あの星狙って>や<NEVER STAR/また星嫌って>と歌っています。
「実際にはない言葉ですけど、自分の想いを強く詰め込んだ言葉を生み出せたことはすごく満足しています。“AIM STAR”は輝く星のような存在になりたいという意味合いで、初期衝動の想いとか、そこにめがけていくという気持ちが入っていて、“NEVER STAR”は、憧れの存在になれない自分だったり、眩しくキラキラ輝いている人たちをどうしても妬んでしまう気持ちを表現しています。そういう人たちを一歩間違えると嫌いそうになる自分もいたりする…そういう黒い感情です」
──<赤く光った>方だけじゃなく、<黒く沈んだ>感情を描いています。ここは、ぼんやりとスターを夢見ていた10 代の頃には描けなかった想いですよね?
「なりたいと思ってなろうとした自分とか、挑戦してできなかった自分とか、それをできている他の子たちと比べたりする自分とか…どうしても黒い感情が愛美の中から出てきたりして。でも、今の自分の存在というのは、別の角度から見ると、もしかしたら憧れの存在にあるのかもしれないということも理解しながら生きていて。そういう複雑な感情も、諦めた想いも全部ひっくるめて前に進もうという気持ちを込めました」
──そして、<「さよなら」>と何度も繰り返しています。
「まさに温かい環境からさよならを告げる気持ちです。自分の中で“ごまかして生きていたのではないか?”というところがあって、“幸せだな”と口にしてしまえば幸せになるような環境にいて。今のこの状態に“幸せ”と名を付けてしまえば、いとも簡単に幸せになる環境というか…」
──“もっと貪欲に行く”ということですよね?
「“何で自分は満たされるんだろう?”というのを、この先の人生で試したい気持ちになって。一度、元居た環境にお別れを告げるような意味合いで、<「さよなら」>と言っています」
──歌詞にもありますが、覚悟と決意が伝わってくるライブアンセムになりそうな楽曲ですね。
──そして、EP「AIM STAR」にはご自身で作詞作曲した「星になれたら」が収録されています。
「そうなんです。今までゆるめの楽曲しか作ってこなかったんですけど、ここでガチ楽曲を作るというのに挑戦しました。それもこの「AIM STAR」だからこそやってみたかった試みというか…覚悟みたいなものを見せられると思ってやってみました」
──既に配信リリースされている「ドラマチック逃避行」も収録されていますが、このEPの中ではどんな立ち位置の曲ですか?
「そもそもこの「AIM STAR」に収録するかどうかを迷った曲なんですけど、「ドラマチック逃避行」がエンディングテーマになっているTVアニメ『灰原くんの強くて青春ニューゲーム』に星宮(陽花里)というヒロインが出ていて…」
──あ、ここも星なんですね。
「そうなんです。星繋がりがあって。作中歌で「星へ」という曲が出てきたりとか、青春時代に叶えたかった夢や憧れに焦点を当てた作品なので、EPのテーマにも合うと思って収録しました。「ドラマチック逃避行」自体、学生時代の影で生きている自分…妄想の中では超最強な自分のような。思春期あるあるみたいなのを作品にリンクさせて書いていった歌詞になります」
──青春時代にやり直したいことってありますか?
「やり直したいことは…全部です」
──全部ですか!?
「全部です。青春時代って、人間形成が本当に不安定な時期ですよね? 本当に消したい過去だらけなので、今の愛美の状態でやり直したいです。」
──人間関係をやり直したいのですか?
「少し馴染むのが下手だったというか、調子乗りだったので、全部をやり直したいです」
──知らず知らずのうちに誰かを傷つけて、誰かに傷つけられている時代ではありますけど…。
「でも、それがもしかすると一生嫌な記憶として残っている子がいるかもしれないじゃないですか。多分無意識に傷つけてしまった子とかいたと思うので、全部、やり直したいです」
──そんな青春時代を想起させる「ドラマチック逃避行」も収録された4曲入りの EP「AIM STAR」ですが、どんなEPになりましたか?
「愛美が星を目指すという勢いのある、覚悟の決まったEPになりました」
──バラードもミドルテンポもないですからね。
「はい、イケイケです。超裏テーマで“景気よく”というのがあって。明るいステージやギラギラしたパフォーマンスを見ていると元気になりますし、日本全体が明るくなるじゃないですか。経済も回復するかも?みたいな気持ちにさせてくれるというか…生きる活力になる音楽やライブを目指したいと思って。このEPで景気よくいきたいです。それを携えてスタートするアジアツアーは“STAR RISING”という勢いのあるタイトルにしました。ファンの皆さんごと上昇気流に乗せれるような勢いでいかせていただきます!」
──ソウル、香港、台北、東京と巡るアジアツアーはどんなツアーになりそうですか?
「ギラギラしたツアーになると思います。単発だと台北でワンマンライブをやったことはあったんですけど、アジアツアーは初めてなので、世界を巻き込んでみんなで星を目指してアゲアゲでいきたいと思います」
──最後に、改めて今後の目標を聞かせてください。
「これからのソロ活動の目標は、“目指せ、日本武道館!”です。以前にも言っていたこともあったんですけど、どんどん“無理かもな…”みたいな気持ちになって、尻すぼみになって言わなくなっていたんです。でも、ここらでもう一度目指してみるべく、しっかりと言葉にしていくことにしました。この「AIM STAR」を皮切りに、スターになるべく頑張ってまいります!」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/中村功
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

AIMI ASIA TOUR 2026「STAR RISING」
2026年11月7日(土) ソウル GABIN ART HALL
2026年11月15日(日) 香港 TIDES
2026年12月5日(土) 台北 MOONDOG
2026年12月25日(金) 東京 ルネこだいら










