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2020.10.05

サラ・オレイン「Sarah Àlainn Trio 『Billboard 2020』」インタビュー

ボーカリストとして、ヴァイオリニストとして、さらには女優業まで……サラ・オレインが追い求める表現者としての可能性、そしてそこに見出した喜びとは?大阪、横浜、東京と巡るビルボードライブ公演への思いとともに綴られたインタビューを。

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――先日の「ミュージックフェア」では徳永英明さんと「恋に落ちて ~Fall in Love~」をデュエットされていましたが、徳永さんとの共演はいかがでしたか?

「徳永さんとは過去に何度かごいっしょさせていただくことはあったのですが、デュエットは初めてでした。さらに、私は日本で育っていないこともあって、歌わせていただく「恋に落ちて ~Fall in Love~」も、なんとなく聴いたことがあるなってというくらいだったんです。なので、私にとってはすべてが新鮮でした。徳永さんは最初クールな方だと思っていたんですけど、「恋に落ちて ~Fall in Love~」が日本語と英語が半々なこともあり、本番前に“英語が苦手だからどうしよう”みたいなこともおっしゃっていて(笑)。そんな風に、私をリラックスさせるような雰囲気も作ってくださって、とても紳士な方でした。おかげで私も音楽に集中することができましたし、スイートな歌声の徳永さんとのデュエットはとても楽しかったです」

――もう1曲、セリーヌ・ディオンの「To Love You More」を披露。こちらはヴァイオリンを弾きながらのパフォーマンスという珍しいスタイルでした。子供の頃からヴァイオリンをやられていたサラさんにとってはごく自然なことなのでしょうか?

「ヴァイオリンを弾きながら同時に歌うということは自然とは言えないですね(笑)。こう、喉を押さえつけたり、難しさがありますし、何より忙しいので」

――番組でも一人二役と言っていましたね。

「そうなんです。というのも、ヴァイオリンは人間の声に似ていると言われていて、フレージングとかビブラートとか表現の幅が広くて、非常に“歌う”楽器なんです。ボーカルとの共通点がたくさんあるんですけど、似ているからこその難しさもあって……同じ弾き語りでもギターやピアノの場合は伴奏と歌ですが、ヴァイオリンと歌はどっちもソロ、どっちも主役。1人でデュエットしているような感じなので(笑)」

――反響も大きかったのでは?

「うれしいくらいたくさんの反響をいただきました。反面、ヴァイオリンも弾けるんだ!?って声も……私の場合、むしろヴァイオリンのほうが先なんですけどね(笑)。でも、それだけ歌い手としてのイメージが大きいなかで、今回のような機会をいただけたのはすごくよかったなと思います。自分のライブでは何度もこの形で演奏しているのですが、なかなかテレビで披露する機会がなかったので。特に、ヴァイオリンはクラシックの楽器ですが、ポップスも演奏できるという可能性の広さを知ってもらえてうれしかったです」

――7月29日にリリースされたキャサリン・ジェンキンスのアルバム『シネマ・パラディーゾ』では、「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス(遥か彼方に)」を歌っていますね。

「キャサリンとはユニバーサルミュージックのレーベルメイトなのですが、ご本人がぜひ私とデュエットしたいと言ってくださっているということでオファーをいただいたんです。いまだに信じられないんですけど(笑)。だって、世界のキャサリン・ジェンキンスが私のことを知っているってことだけでもびっくりでしたし、本当に光栄です。映画音楽をテーマにしたアルバムで坂本龍一さんの『戦場のメリークリスマス』の楽曲を歌うにあたり、日本で活動しているアーティストとコラボしたいということで私の名前を出してくださったそうなんです。デュエットはどうですか?って言われて、断るわけがない!非常にうれしいオファーでしたね」

――レコーディングは?

「本当はキャサリンが来日する予定だったんですけど、こういう状況もあって今回はリモートで行いました。でも、日本の曲ですし、いまの状況が落ち着いたら必ず日本のみなさんにキャサリンとのコラボをライブでお届けしたいと強く思っています」

――新型コロナウイルスの影響でサラさんもいろいろな活動が制限されてしまうことあったと思います。ステイホーム期間中はどんなふうに過ごされていましたか?

「「ミュージックフェア」でも紹介していますが“サラメシ”です」

――“サラメシ”とはサラさんのメシ、いわゆるおうちごはんですね(笑)。

「私にとっては大きなチャレンジで。というのも、小さい頃からヴァイオリンをやっていた私は、料理やスポーツなど手を怪我するようなことをずっと禁じられていたんです。なので、クッキングとは一生縁がないんだろうなと思っていたのですが、ステイホーム期間になって作らざるを得ない状況になって。そのときにいろいろ試しながら作って、しかもSNSに載せようと思ってビジュアルにもどんどんこだわっていったら、作れるようになったっていう」

――インスタグラムにアップされている写真を見ると、どれもレストランで出てくるようなお料理ばかりでびっくりしました。

「うれしいことに誰も私が料理初心者だとは信じてくれません(笑)。けど、きっとプロセスを見たらみなさんドキドキすると思います。いまだに玉ねぎの切り方とかよくわからないですし(笑)。ただ、やるんだったらこだわりたいなと思ったんですよね。家でもこんなに楽しめるんだよっていうメッセージにもなればいいなと思いました。私の場合はクッキングでしたが、家で1人で過ごす時間は、いろんなものを発見できる貴重な時間でもあるんじゃないかなって」

――サラさん自身もお料理をすることでプラスの影響を感じたりしましたか?

「もう、得るものしかなかったですね。クッキングする時間は自分にとってのセラピーというか。いいリフレッシュになるし、なおかつ自分で作ったものを食べることで健康に繋がるという意味でも、チャレンジしてよかったなと思っています」

――一方、音楽活動では8月に初めてのオンライン無観客ライブを開催されていましたね。新しいライブの形として、可能性を感じたりするものですか?

「そうですね。もちろん、音楽をはじめとするすべての五感においては、生に敵うものはないと思うんです。でも、こういう状況になりましたし、たとえそうじゃなくても最近はバーチャルや、リモートといったテクノロジーを駆使して、エンターテインメントの可能性はどんどん広がってきています。だからこそ、無観客の生配信では普通のライブではできないことをやらないと意味がないと思って。なので、8月の配信ライブはタイトルを“No Ordinary Live”にして、普通じゃないライブであることをアピールしたかったんです。当日はチャットボックスを使って観てくださる方との交流をしたり、先ほどのキャサリンとのデュエット曲「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス(遥か彼方に)」では、サプライズで画面にもう1人の私を映し出してサラ・オレインとサラ・オレインのデュエットにしたり。そういうエンターテインメントへのこだわりは、いつどんなときも忘れないようにしたいと思ってます」

――いろいろな変化を求められる2020年ですが、サラさんにとっては、2010年にゲームソフト『ゼノブレイド』エンディングテーマ曲で歌手活動を始めてからちょうど10年というアニバーサリーでもあります。

「そうなんです!10年、あっという間ですね。自分でもびっくりしてます。交換留学生としてオーストラリアから来日した当時は、まさか10年も日本にいるとは思わなかったので(笑)」

――とくに印象に残っている出来事は?

「毎年ハイライトがあるので選びきれないのですが、なかでもアメリカのプレゼンテーション・プログラム「TED」と東京大学がジョイントした「TED×UTokyo」に出演したことは印象深いです。そこでは“意味のある無音”をテーマにプレゼンテーションしたんですけど、歌い手という立場ではない活動が認められたのがすごくうれしくて。そういう意味では、NHK「おとなの基礎英語」に英語を教える立場としてレギュラー出演できたのもうれしかったです」

――印象に残っているのが音楽活動以外というのも少し意外な気がします。

「もちろん歌うことは大好きです。でも、私の場合は小さい頃から歌手を目指していたとか、ヴァイオリニストになろうと思っていたわけでもなく……表現者でありたいんですよね。おそらく多くの人が私の活動のメインは音楽だと捉えてくださってると思うんですけれども、だからこそ音楽とは違う面での活動が評価されるのがうれしいんです。「おとなの基礎英語」を観てくださった方のなかには私を英語の先生だと思っていて、歌い手だとは思わなかったという方もいて(笑)。でも、そこから応援してくださるサポーターの方が増えたりして、それもうれしいことだなって思ってます」

――昨年はNHK「腐女子、うっかりゲイに告(コク)る」で女優デビューも果たされました。演技にも音楽と違う楽しさがありますか?

「歌い手と役者さんって、すごく共通点があると思います。歌い手も歌詞の内容をイメージして演じる部分があるので。それに、クッキングもそうですけど、演技をしたり、また全然違うことをしたり、いろんなことに触れることで音楽家としての自分の表現がもっと豊かになるはず。すべてリンクしていると思うので、今後もチャンスがあれば演技もどんどんチャレンジしたいと思います」



――そして、10月には久しぶりにビルボードライブで有観客ライブを開催。このインタビューがアップされるタイミングではすでに大阪公演が終了し、残すところ横浜と東京になりますが、どういった内容になりそうですか?

「今回はSarah Alainn Trioとしてステージに上がります。3人編成はなかなかないので、この3人だからこそ表現できるものをお届けする予定です。あと、私、同じセットリストで回るのが苦手なんですよね(笑)。全公演とも2ステージずつあるんですけど、両方来てくださる方にも楽しんでいただけるように、ちょっとずつセットリストを変えてるんです。ジャンルもクラシックからロックまで幅広いですし、その土地にちなんだ楽曲も入れたりして。用意する楽曲が多いので、私以外の2人は泣いてます(笑)。3人という限られた編成でも、そのなかであらゆる可能性を模索して、楽しんでいただける内容を考えています。私自身、お客さんの前でライブを行うのは久々ですし、来てくださるお客さんのなかには生でライブを観るのが久しぶりという方もいらっしゃると思うので、絶対に忘れられないような印象に残る一夜にしたいです」

――サラさんは、以前もビルボードライブでライブを行っていますが、思い出や印象はどうでしょう?

「ビルボードライブ東京においては、やっぱりあのビューですよね。ライブの終盤、あのカーテンがゆっくり開いて、あの絶景が見られるっていうのはビルボードライブ東京ならではだと思います」 ――ただ、歌っているサラさんはあの夜景が見られないという(笑)。

「本当、振り返りたくなる!(笑)。でも、お客さんの“わあ”っていう反応を見るだけで、私のテンションも上がるんですよ。会場の雰囲気が変わるので、私も毎回あの瞬間を楽しみにしているんです」


サラ・オレイン

2018年のビルボードライブ東京公演より


――12月には「Daiwa house presents billboard classics festival 2020 ~Music has No Border~」に出演されますね。

「こちらはフルオーケストラとの共演で、とても貴重なコンサートになると思います。それに、ポップスをはじめふだんならオーケストラで聴けないような選曲というのもbillboard classicsの魅力です。私が披露する曲も、フルオーケストラでしかできない壮大な曲もあれば、“この曲をオーケストラでやるの!?”というような、そういうギャップが楽しいコンサートになると思います。トリオで回るビルボードライブ公演、フルオーケストラのbillboard classics公演、全然違ったスタイルでお届けできると思います」

――最後に、2021年に向けてサラさんが挑戦したいことや想い描いていることを教えてください。

「いままで以上にクリエイティブなことをやっていきたいなと思っています。音楽における作品づくりはもちろん、チャンスがあれば音楽以外の活動も頑張っていきたいです。でも、まずは楽曲作りですかね。来年、また新しいサラ・オレインをみなさんにお届けできればと思っています」

(おわり)

取材・文/片貝久美子
取材協力/Billboard Live




■サラ・オレイン Sarah Àlainn Trio 『Billboard 2020』
2020年10月7日(水)@Billboard Live YOKOHAMA
2020年10月15日(木)@Billboard Live TOKYO

■Daiwa house presents billboard classics festival 2020 ~Music has No Border~
2020年12月20日(日) 西宮公演@兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
┗ LINEUP:矢井田瞳、藤巻亮太、中川晃教、サラ・オレイン
2020年12月25日(金) 東京公演@bunkamura オーチャードホール
┗ LINEUP:森口博子、矢井田瞳、藤巻亮太、サラ・オレイン


サラ・オレイン

※ライブ、イベントの内容は開催当日までに変更される場合があります。必ずアーティスト、レーベル、主催者、会場等のウェブサイトで最新情報をご確認ください。




ジェンキンズ
キャサリン・ジェンキンス 『シネマ・パラディーゾ』
2020年7月29日(水)発売
UCCS-1286/2,800円(税別)
ユニバーサル ミュージック
サラ・オレイン
サラ・オレイン『Timeless~サラ・オレイン・ベスト』
2018年10月17日(水)発売
UCCY-1090/1091/3,500円(税別)
ユニバーサル ミュージック




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