──今年の8月8日でデビュー8周年迎えた心境から聞かせてください。
「デビューをお祝いするのは、切りのいい10周年が多いと思うのですすが、スピラ・スピカはデビューしたのが2018年8月8日なので…今年、令和8年8月8日に8周年ということでゾロ目が揃って嬉しくなっちゃいました。なので、まだ10周年を迎えてもいないのに、10周年くらいの気持ちで8周年を無事に迎えられて、今、嬉しい気持ちです」
──(笑)。この8年間を振り返って、幹葉さんにとってはどんな日々でしたか?
「スピラ・スピカとして活動し始めたときは、バンドとして3人で走り出したんですけど、“それぞれの道を歩もう”となって、私は“スピラ・スピカを続ける”という選択をしました。そういう大きな変化もありつつ、私が歌いたいことやみんなに届けたい気持ちは、デビューの頃から変わっていないな…と改めて思いました」
──それが4年前ですね。2022年8月からスピラ・スピカは幹葉さんのソロプロジェクトになりましたが、“一人でも続ける”という決断をした当時はどんな想いでしたか?
「純粋にまだ諦めきれなかったからです。あと、3人のスピラ・スピカを好きだって言ってくださる方を悲しい気持ちにさせてしまうことは間違いなかったので、その悲しみを私のこれからの活動で返していきたかったです。できることなら、返すだけではなくて、“みんなをもっともっと楽しい未来に、ワクワクする未来に連れていきたい”という想いでした」
──先ほどあった、デビューの頃から変わっていない、“みんなに届けたい気持ち”というのは?
「スピラ・スピカという名前に込めている、“どれだけ暗い道でも希望の光で導く”という音楽を届けたいという想いです。ソロプロジェクトになるタイミングで、幹葉として歌っていくこともできたんですけど、その時もこれからも続けていきたいことはみんなにエールを届けたいということは変わらず、明確な想いがありました」
──そして、アーティストデビュー8周年記念日である令和8年8月8日には『スピラ・スピカ 8th Anniversary Release One-Man Live 「ちゅーんあっぷ☆」』をSpotify O-WESTで開催しました。
「はい! 私だけではなくて、集まってくださったファンのみんなが同じ気持ちでスピラ・スピカの8周年を喜んでくれていることを直接感じることができて、すごく幸せでした」
──その場で8周年記念ソングとして新曲「Astral lamp」をサプライズ披露しましたが、「Astral lamp」の制作に至った経緯から聞かせていただけますか?
「楽曲制作のスタートは、WIT STUDIO(TVアニメ『進撃の巨人』や『SPY×FAMILY』などの制作を手掛ける、日本を代表するアニメーション制作スタジオ)さんからお話をいただいたことが始まりなんです」
──えー! そっちが先なんですね。
「そうなんです。WIT STUDIOのスタッフさんに“スピラ・スピカが好きだ”と言ってくれている方がいて。熱い想いを持ってスピラ・スピカに声をかけてくれたのは、“一緒に何かやりたい”という気持ちと、きっと“もっとスピラ・スピカに大きく羽ばたいてほしい”という想いもあったと思うんです。だから、WIT STUDIOで働いている方が、“スピラ・スピカとWITで何かしたい”と思って、動き出してくれたのが最初のスタートです」
──すごいですね。そこからどう進めていったのでしょうか?
「WIT STUDIOの担当の方と直接会って、お話しする機会をいただきました。「Astral lamp」のアニメミュージックビデオでアニメーションを手掛けてくださった大倉監督は、ご自身が監督として作品を作るのが今回が初めてだったそうなんです。なので、大倉監督には、“自分がもし監督になったらやりたいこと”のイメージがあって。最初にそれを教えていただきました」
──大倉監督が初の監督作品でやりたかったことというのは?
「まず、“Stay Gold”というワードを頂きました。この“Stay Gold”をベースに作品を作っていけたら素敵だと思うって。“あなたらしく輝いてね”という意味が、スピラ・スピカがずっと歌い続けてきたことや大切にしたいことともリンクするので、私たちも“いいですね!”となって。あともう1つ、大倉監督がやりたかったこととして、“小人を登場させたい”というイメージがあったらしくて。自分たちが暮らしている生活の中にも、気づいていないだけで小人たちが一生懸命生きているのかもしれない…みたいな。最初は、そういうところから、スピラ・スピカがまず、音楽を作りました」
──アニメのタイアップとも、ノンタイアップのオリジナルとも違う作り方ですね。
「そうですね。最初の話し合いの段階で、“Stay Gold”という大きな共通認識があったので、そこはあまりブレることがなかったです。でも、「Astral lamp」は曲のために映像を作ってもらったのではなく、映像のために曲を作ったというわけでもなくて。私たちは1コーラス出来上がったら送って、WIT STUDIOさんも途中段階でのラフを送ってくれました。WIT STUDIOの皆さんから音に関しての提案もありましたし、私たちも映像を見て、また違うアイデアが湧いて、アレンジを直したりもして。何回もやり取りのラリーがあって、みんなで一緒に作り上げていったという感じです」
──まさにコラボレーションですね。
──作曲と編曲はデビュー当時からタッグを組んできた重永亮介さんとSakuさんが担当しています。
「重永さんはデビュー当時から関わってくれていて、アレンジや楽曲提供、ライブサポートをしてくれています。Sakuさんとも長くて重永さんと同じで、楽曲提供やライブサポートもしてくれています。それぞれに曲を書いてもらったことはありますが、お二人と一緒に作るというのは過去になかったので、“どうやって制作するのかな?”とワクワクしていました。最初はみんなで集まって、“Stay Gold”から連想したワードやフレーズを私が出していって…それを見た上で、お二人が進めてくださいました。てっきり、それぞれが作家としての自分のやり方や想いがあるから、仲はいいけど、作るとなると揉めたりするんじゃないかなか?と思ったりもしてんですが、特に揉めることもなく(笑)。それぞれがいいアイデアを出しながら、どんどん制作が進んでいきました」
──歌詞にはどんな想いを込めましたか?
「最初に“小人がいて…”というストーリーを大倉監督から聞いていたのと、アップテンポではなくて、バラードまではいかないけど、静かなる熱さがある曲にしたいというのがあって。だから、歌詞の内容もあまりストレートすぎない方がいいなと思っていました。景色を歌いながら、その中で最終的には希望に向かっていくものにしたいという想いがあって。心が曇って、“一人ぼっちだ”と思ってしまう瞬間も、ふと見上げてみたら、実はどこかに小さな光が見える。それが「Astral lamp」の映像では小人だったり、ふわふわと浮き上がる水色の希望の一滴みたいなものになっています。一人ぼっちだと思っていても、実は同じ想いを抱えている人がどこかで頑張っているかもしれないって。大きくなくても、小さな希望の光が感じられる曲にしたいなと思って制作しました」
──歌詞にはまさに<日々にとけて光る 希望のひとしずく>というフレーズがありますが、<休めた羽>というワードも気になっています。メジャー5周年記念ソング「私の物語」では<羽なんて持ってなかった>と歌っていましたが、幹葉さんにとって“羽”というのは何を象徴していますか?
「実はデビュー曲「スタートダッシュ」にも繋がっていて…<背中に羽はなくっても未来の僕がきっと待っているから 進め>と歌っているんです。だから、私の背中に羽はないんです」
──そうなんですね!? デビュー年、5周年、8周年と繋がっているんですね…。
「私はずっと昔から羽に憧れがあって。私にとっては、憧れの存在であり、自分の世界を広げてくれるモチーフなんです。羽に憧れがあるけど、自分にはない…だから、ただこの足で頑張って走ってきました。「私の物語」の時は、関わってくれたみんなの気持ちとか、出会った作品や人、音楽が重なって、羽のようなものになりました。それが背中を押してくれて飛べるということを歌っていて。でも、鳥も休むように、ずっと飛ぶことってできないですよね? 「Astral lamp」は、心が曇っていたりとか、一人ぼっちに思ってしまう瞬間からスタートしていたので、止まっていた時間を悪いものにはしたくなかったんです。止まってしまっていたり、一人ぼっちになって落ち込んでしまっている瞬間も、未来に向かっていくために大切な時間なんだって。それを<休めた羽>っていう言い方にして伝わるといいな…そんな想いで、こういう表現にしています」
──いつも笑顔で明るい印象の幹葉さんご自身もそういう瞬間はあるのでしょうか?
「笑う分、いっぱい泣いたりもしちゃっています」
──そういう時の幹葉さんにとって、“希望の光”となるものはなんですか?
「自分自身でスピラ・スピカをやっておいてなんですけど…私にとってもスピラ・スピカが希望になっています。スピラ・スピカは幹葉ではあるけど、自分がなりたい理想も詰まっているのがスピラ・スピカなので。辛い時や立ち止まりそうな時、スピラ・スピカでいれることが希望になりますし、ライブでみんなに会えることが一番の回復力なんだと思います」
──この「Astral lamp」というタイトルにはどんな想いを込めましたか?
「“Astral”が、元々ラテン語の“アストラ”で“星”という意味があって。スピラ・スピカの名前もラテン語から来ているので、8周年記念ソングということもあって、曲のタイトルからもスピラ・スピカ感を感じられるものがいいと思いました。“lamp”はそのままの“ランプ”の意味もありますし、“光明”という意味もあって。ただ明るいだけではなくて、辛い状況の中でも差し込んでくる光や兆しみたいな意味を込めています。それでいて、スピラ・スピカの“どれだけ暗い道でも希望の光で導く”ということも感じてもらえるようなタイトルにしたいと思ってこのタイトルにしました」
──歌入れはどうでしたか? 静かに始まる曲ではありますけども、サビからダイナミックに広がっていきますね。
「これが12枚目のシングルですけど、10枚目(「アオとキラメキ」)、11枚目(「ちゅーんあっぷ☆」)とアップテンポな曲、明るい曲が続いていて。今回は“どうやって歌っていこうかな?”という難しさがあったんですけど、“静かなる熱さ”を表現したいと思ってレコーディングに挑みました。しかも、完成手前の映像が出来上がった状態で歌入れをすることができたので、映像や監督が描いたキャラクター1人1人のイラストを見たりして、この世界観に浸りながら歌うことができて、映像が自然と引っ張っていってくれた感じがあります」
──完成した映像を見てどう感じましたか?
「途中途中では見てはいたんですけども、8月8日のライブで初披露する少し前に映像が仕上がって。完成版を見た時は、これまでももちろんラフでは見ていたのに、また感動しちゃいました。改めて、出てくる小人たちの表情とか、すごく繊細な動きとか、ラスサビにかけての壮大な美しい世界観にうっとりしてしまいました。“息をするのを忘れる”って表現があるじゃないですか? まさにその感覚でした」

──あの小人たちの中に幹葉さんはいないんですか?
「いるんです!」
──やっぱりいるんですね! どの子が幹葉さんですか?
「CDのジャケットをみるのがわかりやすいと思います。主人公は手に乗っている子で、肩からひょこっと顔を出している星の子が私です(笑)。映像では、1サビが終わった後に、ジャケットに写っている子たちが教室の机に集合するシーンがあって。その1番後ろくらいから揺れながら見ています。最初は私も知らなかったんですけど、後々監督に“この子、幹葉さんです”と言われました。ビジュアルブックの説明書きにも“ミキハ”って書かれていました(笑)。そういうのも一緒に作ったからこそですし、大倉監督の粋な計らいを感じて嬉しいです」
──映像の青と赤は何を表現していると捉えましたか?
「監督は、“自分はこういう想いで描いたけど、それが正解じゃないから、自由に考えてくれていい”と言ってくれていました。私も気になった点や裏話はCDに付属されているBlu-rayで大倉監督と対談しているので是非そちらもチェックしてほしいですね」
──8周年記念ライブで実際にファンの前で披露した時はどうでしたか?
「最近は新曲をリリースしてみんなの元に知れ渡った状態でライブで披露することが多かったんですけど、今回の「Astral lamp」に関しては、何の前情報もなく、突然そこで披露したので、みんなの反応がすごく気になっていました。しかも、映像も出しながら歌わせてもらったので、聴いてくれるみんなが私を見たり、映像を見たり、キョロキョロしている仕草が愛おしく思えました。初めて聴く曲なのに、“感動してくれている”という目の輝きが見えて、私もグッともらい泣きしてしまいそうになりました」
──この曲がCDとしてリリースされますが、皆さんにはどう届いてほしいですか?
「普段はライブで皆さんに直接歌を届けられる機会が多いのですが、いつもライブに来てくれる方や、手紙やメッセージを送ってくれる方、そしてさまざまな事情でライブに来られない方にも、この曲が届いてほしいと思っています。CDという形だからこそ手に取れる方もいると思いますし、たくさんの人に寄り添える作品になったら嬉しいです」
──ありがとうございます。
──そして、10月後半から全国7ヶ所を巡る『スピラ・スピカ One-Man Live Tour 2026 〜最光級に輝くから ねぇ バディ!〜』が始まります。
「今回のツアータイトルは前回リリースした11枚目のシングル「ちゅーんあっぷ☆」の歌詞から取ったタイトルなんですけど、みんながいるおかげでこの活動を続けられていますし、ファンの皆さん1人1人を私はバディだと思っているんです。だからこそ、みんなでもっともっと素晴らしい景色を見に行きたいですし、ツアーに来てくれたからには、一緒に最光級に楽しい時間を過ごしたいと思っています。そして、「Astral lamp」には<世界を跨いだよ>という歌詞が最後にあるんですけど、一歩踏み出して、世界を跨いで、スピラ・スピカのライブにも来ていただけるとすごく嬉しいです」
──最後に今後の目標について聞かせてください。 <今よりもたくさんの夢を見たいから/ここからはじめよう>と歌った8周年の後、その先はどう考えていますか?
「誰一人置いていかないようにという気持ちで活動をしていきたいと思っています。そうなるためにも、もっともっとたくさんの人にスピラ・スピカという存在を知ってもらわないといけないので、8周年からさらにギアを上げて、これからも全力で走っていきたいです。あと、大倉監督とも話していたんですけど、今回だけで終わりにはしたくなくて。大倉監督はもう既に素晴らしいですけど、お互いにもっと成長した状態で、またアニメとか、何かの作品でご一緒したいという想い…それも新しい夢の1つになりました」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
ライブ写真/浜野カズシ
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

スピラ・スピカ One-Man Live Tour 2026 〜最光級に輝くから ねぇ バディ!〜
2026年10月24日(土) 福岡県 LIVE HOUSE OP's
2026年10月31日(土) 愛知県 ell.FITS ALL
2026年11月14日(土) 大阪府 Music Club JANUS
2026年11月15日(日) 香川県 高松Toonice
2026年11月18日(水) 神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
2026年12月5日(土) 静岡県 LiveHouse浜松窓枠
2026年12月24日(木) 東京都 LIVE HOUSE FEVER







