──11月7日から全国14都市を巡るライブツアー『KO SHIBASAKI LIVE TOUR 2026 ACTOR’S THE BEST ~泡沫~ presented by 「アサヒ ゴールド」』がスタートします。8月にリリースされたEP『泡沫』は、このツアーをイメージして制作を進められたと聞きました。

「前回のツアー『KO SHIBASAKI LIVE TOUR 2025 ACTOR'S THE BEST 〜邂逅〜』が終わってすぐのまだホヤホヤの状態で、“もっとこうしたかった”という欲求が冷めないうちに、音楽プロデューサーと“次はどうしていこうか?”と打ち合わせをスタートさせました。そこでこれから1年間の音楽活動に対する思いを抽出して、それを楽曲に落とし込んでいきました。作家陣の方々には、その時の自分が嗜好していたサウンドや歌詞の内容を音楽プロデューサーを通して伝えていただいて。そこからブレることなく、今の自分が表現したい楽曲ができたと思っています」

──M-1の「泡沫」、どのように楽曲ができていったのでしょうか?

「私が出演した映画『黄泉がえり』(2003年)の主題歌で、劇中で演じたRUIとして歌った「月のしずく」は、すごく歌いやすくて、長い間とても大切に歌わせてもらっている曲です。この曲の世界観が自分にすごく馴染むし、歌っていても“自分らしいな、自分らしくいられるな”と思えて。だからこのタイミングで原点回帰というか、自分に馴染みやすい、自分の本質に近い楽曲を作りたいという想いがありました。その想いを落とし込んだのが、「泡沫」です。歌詞には、祝詞や大和言葉がふんだんに盛り込まれています。“スピリチュアル”というひと言で括られるのは嫌なんですが、見えないものへの畏敬の念、畏怖の念が私にはあるので、そういったものが垣間見えるといいなと思っています。私たちは生きていると“目に見えるものしか信じない”となりがちですけど、目には見えないけど存在しているものはたくさんあるわけで。例えば、“相性”と言われる人と人が影響しあって生まれるものもそうだと思います。そうした目には見えないものに揺さぶられながらいろんな苦労も抱えながら必死に生きている。そんな1人の人物が歌の中から浮かび上がってくるようなイメージです」

──M-2の「器」に関してはいかがですか?

「『ACTOR’S THE BEST』というライブは今回が4回目ですが、どうしてもバラード中心のセットリストになりがちで。なので、緩急の“急”になる新しい楽曲が欲しかったのと、私は疾走感があったりBPMが速い曲がすごく好きなので、ただただ自分もライブで楽しんで歌いたいと思って、「器」を作ってもらいました」

──M-3には、H Jungle with tの「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント~」のカバーが収録されています。これまでにも様々なアーティストがカバーしてきた楽曲ですが、“こんなアプローチもあるのか!?”と新鮮に感じる仕上がりでした。

「最近、ドラムンベースをずっと聴いているんですよ。あのグルーヴ感がここ2年くらい私の中で再燃していて、以前聴いていた曲を掘り起こしたり、今まで知らなかったドラムンベースのアーティストを聴いてみたりしています。そういう私の個人的嗜好を汲んだ上でのカバーになるんですけど、ゆったりとしたレゲエサウンドから一気にスピーディーに変化していくアレンジが、すごく新鮮でしたし、面白いカバーになっていると思います」

──「WOW WAR TONIGHT ~」は1995年のヒット曲ですが、今も時代や世代を超えて愛されている楽曲です。カバーした立場として、その理由はどんなところにあると思いますか?

「リリース当時は音楽に詳しくない人にも受け入れられるノリや展開が魅力的だったのかな?と思いますが、歌詞に関しては大人になったから刺さる部分が私にはあって。現実逃避したいけど逃げられない…“結局は自分を勇気づけて頑張るしかない”という歌詞は普遍的ですし、等身大で共感できると思います」

──『ACTOR’S THE BEST』は、オリジナル曲に加え、柴咲さんがこれまで出演してきた作品の主題歌や挿入歌をカバーするライブシリーズです。11月からスタートする『ACTOR’S THE BEST ~泡沫~』では、どんなステージを見せようと思っていますか?

「今回は映像での演出も盛り込みながら、よりストーリー性が明確になるようなライブにしたいと考えています。その上で、私もファンの方も飽きないように。SNS時代の今、2時間のライブを集中して楽しんでいただくことは難しい部分があるとは思うんですが、その中で変化を見せながら“あっという間だった”と感じてもらえるかどうか。そのためにも緩急のバランスは精査したいと思っています」

──ステージ衣装も大きな見どころになると思います。

「なるべくいろんな私の姿を生身で見て楽しんでもらいたいので、そのために衣装のバリエーションを増やしたいですし、せっかくなら衣装を変えるたびにヘアメイクも変えたいじゃないですか。でも、ライブのメインキャストは私1人なので、衣装チェンジをしてもなるべく早くステージに戻らないといけなくて。だから、時間の配分とかすごく大変です(笑)。でも、衣装チェンジの時間もライブの展開が切り替わるいいきっかけになるようにして、とにかく楽しんでもらえるライブにしたいです」

──『ACTOR’S THE BEST』というライブシリーズが、柴咲さんにもたらしているものは何でしょうか?

「結局のところ歌うことで自分自身を癒している、そこに立ち返れる場所だと思います。歌っていると、すごく励まされます。そんな自分が発する歌や思いで会場の空気が振動して、それが会場に来てくれている人たちに響いて、みんなの体の中に入って何らかの変化を起こしたり、気づきを促したり…。そして、それを私もその場で拾うんですよ。だからすべてが循環していて、そのすべてが癒しだと思いますし、共鳴だと思います。同じ空間でそういうふうに影響し合えることはなかなかないですし、それがライブならではの醍醐味で、すごく楽しいです」

──ご自身の音楽活動以外にも、今年5月に開催された音楽フェス『サステナビューティーフェス』では総合プロデューサーを務めました。

「たくさんの方の協力があって実現したフェスです。総合プロデューサーとして、まずは1回目を開催できたことが良かったですし、フェスのタイトルにもあるようにちゃんと持続可能なフェスにしていくのが大事だと思っています。それこそ“やってみねばわからぬではないか!”(柴咲が主役を演じたNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』における、直虎の代表的セリフ)というか、やってみて初めてわかったこと、生まれた課題も多かったので、それをスタッフのみなさんと一緒に1つひとつクリアして、次回に繋げていきたいです」

──そして、2022年の初監督作(『巫.KANNAGI』)に続き、2026年も短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』で監督を務めることも決定しています。

「俳優としてだけではなく、映像制作のプロセスにも関わることが好きなんです。ロケハンをしたり、キャスティングしたり、その工程が。その工程を知っているからこそ浮かんでくるもの、インスピレーションはあるわけですし」

──俳優、シンガー、音楽フェスプロデューサー、映画監督などなど、多岐にわたる活動のエネルギーの源はどこにあるのでしょうか?

「やりたいことや作りたいものが浮かんできてしまうので、逆にそれを脳内に収めておくことが苦しいですし、アウトプットしていくのが心地いいんですよ。頭に浮かんだことを実現させたい欲求が強いから、それを現実のものにすることでむしろ自分が健全でいられます。エネルギーの源がどこかなんて考えずに、当たり前のように動いて作っているのかもしれないです。クリエイティブって、そういうことなんだと思います」

──言葉を変えると、“自分が自分でいるために”というか…。

「そうですね。すごく純粋なエネルギーなんだと思います」

(おわり)

取材・文/大久保和則
写真/中村功

ヘアメイク/SAKURA(makiura office)
スタイリスト/柴田 圭

衣装/RUMCHE

・トップス ¥23,100-
・ドレス ¥39,600-
・チョーカー(ショート) ¥12,100-
・チョーカー(ロング) ¥15,400-
アクセサリー/avgvst

・ピアス ¥68,200-(参考価格)
・リング(右手) ¥57,200-
・リング(左手/人差し指) ¥75,900-(参考価格)
・リング(左手/中指) ¥28,600-

RELEASE INFORMATION

柴咲コウ New EP『泡沫』

2026年8月26日(水)配信

【収録楽曲】
1. 泡沫
2. 器
3. WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント〜

柴咲コウ New EP『泡沫』

LIVE INFORMATION

KO SHIBASAKI LIVE TOUR 2026 ACTOR’S THE BEST ~泡沫~ presented by「アサヒ ゴールド」

2026年11月7日(土) 埼玉 三郷市文化会館 大ホール ※SOLD OUT
2026年11月13日(金) 大阪 フェスティバルホール
2026年11月17日(火) 鹿児島 宝山ホール
2026年11月20日(金) 山梨 YCC県民文化ホール 大ホール
2026年11月29日(日) 長野 ホクト文化ホール 大ホール
2026年12月11日(金) 北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
2026年12月18日(金) 福岡 福岡市民ホール 大ホール
2026年12月26日(土) 静岡 アクトシティ浜松 大ホール
2027年1月9日(土) 栃木 栃木県総合文化センター メインホール
2027年1月11日(月・祝) 宮城 トークネットホール仙台 大ホール
2027年1月15日(金) 広島 上野学園ホール
2027年1月17日(日) 香川 サンポートホール高松 大ホール ※SOLD OUT
2027年1月23日(土) 三重 四日市市文化会館 第1ホール
2027年1月30日(土) 東京 SGC HALL ARIAKE
2027年1月31日(日) 東京 SGC HALL ARIAKE

KO SHIBASAKI LIVE TOUR 2026 ACTOR’S THE BEST ~泡沫~ presented by「アサヒ ゴールド」

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