2028年に結成25周年を迎えるNEWS。2年後に控えた記念すべき年に向かい、NEWSの現在・過去・未来を描く新たな三部作プロジェクトが始動した。その第一弾が16枚目のアルバム『KMK』を引っ提げて行われている“現在”をテーマにしたツアー『NEWS LIVETOUR 2026///KMK』。

“KMK”は小山・増田・加藤の頭文字から生まれたタイトル。それだけにステージも3人を象徴する正三角形に作られ、しかも360度をオーディエンスに囲まれたものになっていた。実は360度のセンターステージは、2017年から2020年にかけて『NEVERLAND』、『EPCOTIA』、『WORLDISTA』と行われてきた四部作の最終章『STORY』でも採用されていたのだが、当時はコロナ禍。観客は声を出せない状態でライブに参加していたのだ。だが、それから6年の月日が流れ、今は声出しも解禁。その結果、NEWSのメンバーとオーディエンスが共に歌う場面が多く見られる、とても一体感のあるライブになっていた。

最初に観客を歓喜させたのは、メンバー3人がアリーナを歩いて登場したこと。ファンの大歓声を浴びながらステージに上がるというサプライズ的なスタートだったのだ。当然、横浜アリーナを詰め尽くした15000人は大興奮。オープニングから、完全に会場をひとつにしていた。

そんなNEWSが1曲目に選んだのはアルバム『KMK』でも最初の楽曲になっている『WE ARE NEWS-Episode 1-』。この楽曲は、自分たちの音楽への想いやファンへの感謝を表現したもの。熱い感情が込められた楽曲を生バンドの演奏をバックに力強く歌い上げる3人。その歌声がオーディエンスの胸に響き、さらに会場が熱い空間になっていくのが感じられた。
 
この1stブロックでは、NEWSを代表する楽曲のひとつである『チャンカパーナ』や三角形の頂点に設置されたリフターの上で歌ったアルバムのタイトル曲『KMK』などを披露。最初の5曲で完全に15000人の心をつかんでしまったのが印象的だった。そしてアルバム『KMK』でもインタールードでナレーションを担当していた声優・俳優の津田健次郎が、ライブには映像で出演。このツアーの案内人として、ライブ全体をひとつの物語へと導いていくという仕掛けもあった。“未来からのメッセージ”をテーマに描かれているというこの物語にも謎がいっぱい。観客のワクワクした気持ちをより高めるものになっていたのだ。

1stブロックでは白い衣装を身につけていた3人が、2ndブロックでは、一転、黒のセットアップにサングラスというスタイルにチェンジ。アグレッシブなバンド演奏と共にハードなロックチューン『The boys rock you all!』を繰り出した。3人のバックで踊るジュニア6人(青木滉平、長瀬結星、豊田陸人、林蓮音、和田優希、中村浩大)とダンサーも全身黒い衣装で揃え、激しいダンスでより楽曲を盛り上げる。ステージ上に次々と吹き上がる炎の演出も相まって、実に見応えあるパフォーマンスになっていた。

ライブには、3人それぞれのソロ曲もあり、そこではひとりひとりの個性が炸裂。加藤が『Hands』で、タイトル通り“手”の振付が印象的なダンスをジュニアやダンサーと見せれば、小山はイケイケなナンバー『Drop』をパラパラ的なダンスで盛り上げる。そして増田はバンドメンバーと一緒にステージに座り、『Lost in the rain...』をアコースティックなサウンドで。加藤は不思議な世界を作り上げて観客の視線を引きつけ、小山は思わず笑顔になってしまうような楽しさで15000人をハッピーにし、増田は伸びやかなボーカルで魅了する。3人の絶妙なバランス感覚がソロ曲でも感じられた。

楽曲の幅が広いNEWSは、楽曲ごとの演出のギャップも魅力。グリーンを基調とした星柄のトップスに着替えてパフォーマンスされた『TokinoHazama』は、しなやかでムーディーな楽曲。ここでは観客の白く輝くペンライトが、まるで星のようにまたたく中、緑のレーザー光線とシャボン玉で幻想的な世界を出現させた。かと思えば、日本昔ばなしの『桃太郎』をNEWSなりに新解釈した『オニサンコチラ』では、小山が語り部、増田が桃太郎、加藤が鬼をイメージしたド派手な衣装で登場。ジュニアとダンサーも和傘を持って加わり、物語性が高く、かつ独特なステージを繰り広げたのだ。1曲1曲の中に観客が入り込める。それもNEWSライブの魅力だろう。

そんな作り込んだ演出と自由なMCのギャップも、また魅力的。MCでは、NEWS名物ともいえる最後の挨拶の話が展開された。毎回“挨拶”と表現するには長いコーナーになっているのだが、そこでは小山が「明日からも頑張れよ」と観客に語り掛けるのが恒例。それに対して加藤が「“明日からも頑張れよ”と小山に言われたら、“お前がな”と返して」とファンにアピールする流れになったのだ。15000人は、これをしっかりと実行。エンディングの楽曲前に行われた挨拶で、小山からその通りの言葉が発せられると、観客は一糸乱れず「お前がな!」と返し、3人を「最高!」と大爆笑させていたのだ。このファンとのやりとりも23年という時間が育んだものなのか、ライブ中には3人とオーディエンスの絆を感じる場面が随所に見られた。特に印象的だったのは、観客が大声で歌うこと。『U R not alone』で「Wow Wow Wow」と歌ったのを皮切りに、『SUMMER TIME』『サマーライダー』『エール』でも大合唱が沸き上がったのだ。

さらに『weeeek』では15000人がジャンプし、『さくらガール』ではハンドクラップ、『チェリッシュ』では踊るといった具合に、積極的にライブに参加。NEWSと一緒にライブを作り上げていた。コロナ禍という時期を経て、より感じられるようになった生のライブを体感できることの素晴らしさ。それはアーティストと同じ空間で笑い、歌い、想いを共有することなのだと、NEWSのライブを見ていて実感した。

最後に3人が「僕たちの名前は!?」と問いかけると、15000人から「NEWS!」という声が沸き上がったエンディング。入場時と同じく客席を通って退場していった3人は、撮影していたカメラのレンズに“K”“M”“K”とサインして会場から姿を消した。

その後、映像に映し出された文字は“to be continued”。結成25周年に向けたNEWSの物語は、まだまだ続いていく。

取材・文/高橋栄理子

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