――まず、Nenashiというアーティスト名の由来やそこに秘めた想いについて教えていただけますか。

「根無し草から来ています。世界中を旅するのが好きで、さまざまな文化や人種、価値観に触れるのが自分の表現に繋がっていると思います。色んな国のアーティストとコラボするのも楽しみですし、そこから繋がって新しい地に行ってみるのが、このプロジェクトの醍醐味だと思っています」

――2023年も間もなく終わろうとしています。Nenashiさんとしては、シングル「Take Me Back」や、RiE MORRiS との「Afterglow feat. Nenashi」のリリース、そしてさまざまなライブイベントへの出演もありましたが、1年を振り返ってみていかがですか。

「今年は、約2年ぶりにシングル「Take Me Back」をリリース出来たので、とても嬉しいです。Feat. 曲はもちろん、春先からプロデュースワークスやCM曲も作らせていただき、いろんなアーティスト、いろんな音楽に出会えて楽しかったです。Nenashiとしてのライヴも少しずつ増え、沖縄や福岡なども行けて、旅好きには最高です。また、年明け早々に「J. Lamotta Suzume」のBlue Note公演にゲスト出演させていただき、コラボ曲を披露したり、夏以降はorigami PRODUCITONSのレーベルメイトであり、先輩でもあるOvallのfeat.としてフェスなどにも一緒に連れて行ってもらえたので充実していましたね。彼らとの曲「Find You In The Dark」が、カラオケに入ったのも個人的には胸熱で、実際僕も歌いに行きました」

――origami PRODUCITONS関連のトピックスとしては、さかいゆうさんとのアルバム『CITY POP LOVERS』や日比谷野音での「SAKAI YU “LOVERS” CONCERT 2023 in YAON」もありましたね。

「楽しかったです!ゆう君の良さを最大限に引き出したいと思いつつも、ゆう君もこちらの意向を尊重してくれるアーティストなので、自分もそうありたいなと。野音でのライヴは大雨だったのですが、絶対やり遂げる意思の強さも見習う所が多かったです。お客さんもカッパ被って、雨の中ずっと聞いてくれていたので、心配もしましたが、ファンの皆さんの想いにも感動しました」

――他に2023年の印象的な出来事やエピソードがあればぜひお教えてください。

「いくつかありますが、9月に関口シンゴと福岡で行った「Shingo Sekiguchi/Nenashi - 2 MAN LIVE in FUKUOKA -」がとても印象に残っています。ふだんフェスだったり、対バン形式のライヴだと、初見の方も多いので、聴いてくれ!楽しませる!という思いも強いのですが、福岡PARCOでのライヴは、ソロセットで自然と盛り上がっていた感覚があります。その後のセッキーとのduoライヴも楽しかったですし、最後に遊びに来てくれていたミュージシャンとステージで始まったセッションも最高でした。足を運んでくれたお客さんと本当に楽しめた感覚が残っています」

――Spotifyの「Sound Travel with Nenashi」を聴くにつけ、音楽を言語化して発信することを大切にしているという印象を受けました。

「聴いて頂きて嬉しいです!Nenashiとして始動して最初の数年は、正体不明のアーティストとして活動していました。約2年前に顔を出してから、もう少しNenashiのひととなりを知ってもらうのも大事かなと思い、ポッドキャストを始めました。主に日本語で、たまに英語回もあり、自分の事や、興味あるものを話す事も多いですが、コラボしたアーティストや、仲の良いミュージシャンをゲストに呼んで、いろいろな素敵な音楽を知ってもらうきっかけになるといいなと思っています。USEN やラジオのように、音だけで空間や情報を伝えるのも面白いなと思ってます。ながら聞きにも丁度いいかなと」

――Nenashiさんにとってのルーツミュージック、あるいはミュージシャンを志す契機になった作品やアーティストをあげていただけますか。

「マイケル・ジャクソン、プリンス、ラファエル・サディーク、ディアンジェロ、ビラル、ミュージック・ソウルチャイルド、ドゥウェレ、ファレル・ウィリアムス、ルーシー・パール、m-floなどです」

――今回、OTORAKUキュレーターとして、BGMの選曲に携わっていただきましたが、Nenashiさん自身は生活のなかのどんなシチュエーションで音楽を聴いていますか?

「家でストレッチ中、料理中などはオルタナティブR&Bやジャズを聴くことが多いです。移動中やモチベーションを上げたい時はHIP HOPを聴きますし、街中の飲食店や商業施設で聴こえててくる曲で気になるものがあれば、アプリを使って検索しますし、DJプレイを聴きにバーやクラブに行く事もあります。僕自身、いろんなシチュエーションのために選曲するのは好きなので、キュレーションに参加させていただきました」

――Nenashiさんも街中で聴こえてくる音楽に惹かれることがあるということですが、ロケーションやシチュエーションに相応しいBGMはその場にいる人を心地よくしてくれますよね。

「店内の雰囲気に合う選曲だと良いなと思います。洋楽やインスト曲がハマるお店もあれば、多国籍なお店の雰囲気をより出してくれる曲がかかってるといいね!って思います。あとは音量感も大事かなと。隣のテーブルの声がうまく馴染むくらいの音量もうれしいですし、ワイワイしたいならちょっと大きめでもOK。無音でもそのお店に似合っていれば素敵だと思います」

――今回、選曲していただいたプレイリスト「Nenashi~Our Souls~」についてのイントロダクションをいただけますか。

「いろんな人が通りがかったり、時間を楽しむ空間をイメージしました。旅が好きなNenashiなので、世界中のいろんな音楽の中からSoulを感じる曲を中心にセレクトしています。具体的にイメージしたのは、駅や空港などに入ってるお店です。最近は自分好みの音楽やプレイリストを聞くことが多いかなと思いますが、外の音から全くの偶然で、自分の知っている曲、もしくは言葉が流れて来たら「お?」って思うので、もし誰か一人にでもそういう発見につながれば面白いなと思い選びました」

――プレイリストの中で、レファレンス的な位置づけになった楽曲はありますか。

「アストラッド・ジルベルト「ビリンバウ」、Dog Food(feat. Denzel Curry)「IDK」、Balming Tiger「JUST FUN!」、Noah Slee「Soulflower」あたりの楽曲です。基本的には自分で聴いて、良いと思った曲をセレクトしていますが、同じアーティストの曲でも、このプレイリストのためにより雰囲気や流れにマッチさせるために選び直した曲もあります」

――実際にこのプレイリストを使われるOTORAKUユーザーや、OTORAKUを介して音楽を聴かれるリスナーの皆さんへのメッセージを。

「いい音楽はたくさんあるので、気に入ったアーティストがいれば、他の曲もチェックしてみて欲しいなと思います」

――最後に、Nenashiさん2024年の展望を。

「2024年はNenashiの1stアルバムをリリース予定です。それを皮切りにいろんな場所に飛んで行きたいと思います」

(おわり)

取材・選曲監修/林 健斗(USEN)
文・構成/高橋 豊(encore)

「OTORAKU -音・楽- 」PLAY LIST「Nenashi~Our Souls~」 Curation by Nenashi

国や言語、文化を超えて音楽でつながる心。ちょっとした日常を彩るBGMに世界各国の素敵な音楽をセレクトしてみました。賑やかに楽しむもよし、ひと息つくもよし、心踊る音楽。

1. Sampa The Great「Healing」
2. Astrud Gilberto「Berimbau」
3. Seba Kaapstad「Our People (feat. Quelle Chris)」
4. Omah Lay「attention (with Justin Bieber)」
5. Native Dancer「Love」
6. ローラ・マヴーラ「Green Garden」
7. Katie Tupper「Live Inside」
8. Little Dragon「Lover Chanting」
9. ドミ&JD・ベック,アンダーソン・パーク「テイク・ア・チャンス」
10. Nate Smith「Square Wheel feat. Kokayi & Michael Mayo」
11. Chris Potter「Hold It」
12. Samm Henshaw「Only One to Blame」
13. ザ・コメット・イズ・カミング「サモン・ザ・ファイアー」
14. トム・ミッシュ,ユセフ・デイズ「Lift Off (feat.Rocco Palladino)」
15. トニー・アレン「スタンブリング・ダウン (feat.サンパ・ザ・グレイト)」
16. Little Simz「Woman」
17. Lucky Daye「How Much Can A Heart Take (feat.Yebba)」
18. The Internet「Girl (feat.KAYTRANADA)」
19. IDK「Dog Food (feat. Denzel Curry)」
20. ドレイク「Passionfruit」
21. Young Franco,Pell「Juice」
22. BIGYUKI「レッド・ピル」
23. Ovall「Take U To Somewhere」
24. Nenashi「Scars」
25. Kan Sano「Go」
26. パジャマで海なんかいかない「Trip」
27. Skaai「Period.」
28. Balming Tiger「JUST FUN!」
29. 88rising & NIKI「Indigo」
30. Silica Gel「Tik Tak Tok」
31. どんぐりず「E-jan」
32. ena mori「FALL INLOVE!」
33. My Anh「Pillars」
34. J.LAMOTTA すずめ「Back In Town」
35. アウスゲイル「King And Cross」
36. FKJ「Different Masks For Different Days」
37. Nenashi「Be (Vis ta Vie) feat. 20syl from Hocus Pocus」
38. Madison McFerrin「TRY」
39. Taylor McFerrin「The Antidote」
40. Hiatus Kaiyote「Jekyll」
41. Noah Slee「Soulflower」
42. Jordan Rakei「Say Something」
43. Cautious Clay「Cold War」
44. Michael Jackson「I Can't Help It」

OTORAKUキュレータープレイリスト

LIVE INFO

■池袋 The Awards
2023年12月24日(日)池袋西口公園野外場 グローバルリングシアター

■ハンドメイドインジャパンフェス冬(2024)
2024年1月13日(土)東京ビッグサイト西1、2ホール

Nenashi「Take Me Back」 DISC INFO

2023年9月20日(水)配信
origami PRODUCTIONS

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Nenashi「Take Me Back(Remix Sessions feat. Michael Kaneko)」

2023年11月15日(水)配信
origami PRODUCTIONS

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