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特集
2016.09.09
特集 LOUDNESS 35周年

高崎晃インタビュー
~02~
『LIGHTNING STRIKES』のリイシュー

高崎晃のインタビュー第2回目のテーマは、誕生から30年を迎え再発売されるアルバム『LIGHTNING STRIKES』。当時の制作過程などについて振り返ってもらった。

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LOUDNESSを世界的に有名にしたアルバムといえば、やはり『THUNDER IN THE EAST』ということになるだろう。昨年は同作品のリリース30周年にあたり、当時の全米ツアー中の映像やデモ音源なども付帯した形でのアニバーサリー・エディション発売が広く話題を集めたが、今年は同作に続いて『LIGHTNING STRIKES』が新装復刻される。そう、1986年発表のこのアルバムもまた、生誕から満30年を迎えているのだ。

「要するに今後、毎年のように何かしらの30周年がやってくるわけですよ(笑)。とはいえ、最初からこのアルバムのリイシューが計画されていたわけじゃないんです。ただ、実は『LIGHTNING~』は全米チャートとかでは『THUNDER~』を超える順位を記録していたりもするし、いまだに〈Let It Go〉とかはアメリカのクラシック・ロック系ラジオなんかでよくかかるんです。そういったことを考えれば、これはやっぱり復刻すべきだろう、と。実際、このアルバムは発売後すぐさまチャートのいいところに入って。『THUNDER~』の場合は最高ランクの74位に到達するまでかなり時間もかかったけども、そのぶん長いことチャートに居座ることになったし、自分らもじっくりとツアーをしてきたし。そうしてバンドの名前が浸透していった結果なのか、『LIGHTNING~』はいきなり初登場でいいところに飛び込んできて。あの時は自分でもビックリした記憶がありますね」

この『LIGHTNING~』はビルボード誌による全米アルバム・チャートにおいて、『THUNDER~』の最高位である74位を上回る64位を記録している。ただ、少々複雑なのは、収録内容の重なる『SHADOWS OF WAR』というアルバムが存在していること。バンドがそもそも『THUNDER~』の次作として完成させたのは『SHADOWS~』であり、同作はそのままの形で日本発売を迎えたが、そこにさらに手が加えられ、アメリカ仕様のものとしてのちに登場したのが『LIGHTNING~』だった。高崎は、次のように振り返っている。

「一度、メンバーとプロデューサーの間では“この状態でリリースしよう”という着地点まで行き着いていたんです。ところがアトランティック側からボーカルとかミックスについて“もっと行けるんじゃないか?”という注文があって。ちょうど時代的に、アナログからデジタル・レコーディングへと切り替わりつつあった頃だったんですね。自分でも当時は、デジタル・サウンドの切れ込みの良さとかに驚かされたんだけども、そういったものが『SHADOWS~』のサウンドにはすごく反映されているんです。それを、アトランティック側の要求を踏まえながら、アメリカの有名なベアズヴィル・スタジオで、デジタルで録られた音源を一度アナログに落としてミックスし直して……。ベアズヴィルには当時、まだデジタルのシステムがなかったんですよ。でも、それによって結果的には音に豊潤さが加味されることになった。デジタルの良さとアナログの良さを兼ね備えたものになったというかね。それが『LIGHTNING~』なんです」

この作品でプロデューサーに起用されているのは、前作に引き続きマックス・ノーマン。複雑な要素をそぎ落としてシンプルな明快さを求めようとする彼と、バンドの間に幾度となく衝突があったことはよく知られている。それを踏まえれば、意外な人選ともいえるわけだが。

「実は『LIGHTNING~』を作るにあたって、アトランティックからは『THUNDER~』の時とは逆のことを要求されたんですよね。あのアルバムのなかにもたとえば“Run For Your Life”のような変拍子の入った曲とかがあるじゃないですか。アトランティック側もあの曲をとても気に入ってくれていて、おそらくそこで“こいつらは他のL.A.メタルとはちょっと違うぞ”というのを感じ取ってくれていたんやろうね(笑)。その部分をもっと伸ばしていくべきじゃないかという判断があったんだろうし、マックスに対してもそういう話をしていたはずなんです。だから彼からも、もっと複雑なことというか、もっと凝ったことをやってもいいぞ、みたいなことを言われてね。そういう意味では“前回とはえらい違いやな!”という感じだったけど、やっぱり一緒に1枚作ったことによって信頼関係が生まれていたんだろうなと思います」

「同時にこれは、かなりアメリカナイズされたアルバムでもある。『THUNDER~』の制作当時、3ヵ月ぐらいアメリカに滞在していたんで、それによって自然に自分らのなかにもアメリカン・テイストが刷り込まれていたというか。向こうのラジオとかも普通に聴いていたしね。そうやって自然にアメリカナイズされた感じというのがこのアルバムには反映されていると思う」

ちなみに『SHADOWS~』から『LIGHTNING~』へとタイトルが変更されることになったのは、ダイレクトに戦争を連想させる言葉選びを避けたい、というアトランティック側の考えによるもの。アメリカと当時のソビエトとの関係性といった世情を踏まえての判断でもあったというのが定説になっており、ウィキペディアなどにもそうした記述がみられる。

「それは事実ですね。同じ理由から、そもそも表題曲だった曲のタイトルも“Ashes In The Sky”に変わって。歌詞までは変わらなかったんですけどね。曲順も違うし、それによる印象の違いもある。ただ、自分としては『SHADOWS~』で自分の思惑通りのことができていたし、それをアメリカ向けに変えることについて特に抵抗はなかったかな。アメリカでのことについては、やっぱり向こうの判断に従ったほうがいいだろうというのもあったし。向こうの常識は向こうの人たちがよく知っているわけで。それに、自分たちもまだまだ若かったですからね。まだ20代半ば。まだ何年もアメリカでの経験があるわけでもないのに、勝手にどんどんコトが進んでいっているような状況だったんで」

「もちろんどのアルバムでも入魂して曲作りをしてきたし、レコーディングでも自分たちの持つ力を100%注ぎ込んできたんで、後悔はありません。それに、『THUNDER~』の制作の時点で、プロデューサーの権限の大きさというのを痛感させられていたんで、マックスに依頼することを決めた時点で、自分らはある意味プレイヤーに徹して、判断は委ねようというのもあった。そういう心意気で制作しましたね。『THUNDER~』の制作時は彼とのやり取りが辛くもあったけども、結果的にあれほどのアルバムができたし、それによって成功も手に入れられたわけだし。そこでいきなりまた全然違うプロデューサーと全然違うやり方をするというのもどうかと思ったし、もうちょっとマックスとやってみるべきだろうというのが自分たちにはありましたね」

こうして完成に至り、それから30年を経て新たな仕様にて登場することになった『LIGHTNING~』。次回は当時の話に加え、今、そしてこれからの話もしたいと思う。

文・撮影/増田勇一
※画像はすべて7月に行われた「ROCK FEST BARCELONA」から


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ボーカルの二井原実

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ドラムスの鈴木政行

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ベースの山下昌良

画像
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