――改めて、日本が誇るDef Jamアーティストとなった実感を聞かせてください。

「とにかく、ひとつひとつの作品とライヴが大事で、自分の人生を賭けているわけですし、そういう意味で言うとDef Jamだからというわけではないんですけど、いい感じの責任の重さでやらせてもらっているというか。自分の人生を、良くも悪くも包み隠さず表現できるのがソロだと思っています」

――1stソロアルバム『UNCHAINED』から、3年半ぶりとなります。じっくり作りたいという気持ちがあったのでしょうか?

「そうではないんです。僕自身がドーベルとかの活動で忙しくて、なかなか動けなくて。でも実際やってみて、この熱量なら1年に2枚ぐらいアルバムをリリースできると思いました。まあ、そんなに出しても世の中のどれぐらいの人が聴いてくれるかわかんないですけど、曲もできるし、楽しいし、もっとできるなって」

――今回は、どのような作品にすることを目指したのでしょうか?

「1枚目は、いろんなの人にプロデュースしてもらったんですよね。ずっとやってみたかったことだったので。実際、いい経験になりましたし、アルバムを引っさげてのワンマンを含めて、自分のチャレンジを形にすることができました。そこから改めて、お客さんにどう届いていたのかとか、自分がひとりでステージに立ってウSHOWをやるにあたっては、どうだったのかとかを考えて、反省点をふまえてこの2枚目を作りました」

――1枚目はあえて、外部の人に任せてみたんですね。

「自分がプロデュースしてもらうと、どうなるのかなっていう。USの音楽とかだと、ふつうにあるじゃないですか。でも、3年半の間にいろいろなプロジェクトで活動させてもらって、表現の幅が広がった感じがしていたし、2枚目はしっかり自分で書きたかったんですよね。全部、自分でプロデュースするぐらいの勢いで」

――その間にコロナ禍にもなって、何か影響はありましたか?

「ネガティヴなことは、そんなになくて、自分と向き合う大事な時間だったと思います。逆にこの3年半の間に、グループで武道館ライヴをやらせてもらったりしましたし。個人的には、母親が死んじゃったり、飼っていた犬が死んじゃったりしましたけど、保護犬を飼うことにしたり、子供が生まれたり、失った命も新しく来てくれた命もありました。生と死の交差点というか、そういうところに立たせてもらったので、自分の感情にとって大きい3年半だったし、コロナもあって激しい流れだったからこそ、自分の中でいろんなことを考えることができましたね。親のありがたみだとか。それを実感したうえで子供を授かるっていうのは、全然違うと思います。親の偉大さを知った自分の腕の中に、自分の子供がいるって考えると、いろいろ感慨深いなと。まあ、本当は母に孫を見せたかったですけどね」

――しんどい状況があったんですね。

「でも、不思議とそこまでがっつり、しんどいと感じなかったっていうのは、常にいろんな活動をさせてもらっていたからだと思います。良くも悪くも分散したというか。あと、表現者として常に作品と繋がるものを探している自分にとっては、きっとこれも必要なピースなんだなって自然と感じていたところもあります。せっかく母親が命をもって偉大さを教えてくれたんだし、自分も表現者としてレベルアップしないといけないと思ったり。「Angels」という曲は、そういうところから生まれました」

――やはりソロは、よりパーソナルな表現になりますか?

「そうですね。グループだと5個の脳味噌で考えてやっていくので、5人みんなが納得するものにしないといけないので、パーソナルな要素は入れにくいですよね。でも、それがあるからこそ、ソロ名義では自分自身、SWAYっていうものを全面に押し出せるんですよね。自分が感じたこと、影響を受けたもの、実際に見たものを詰め込んだつもりです」

――今回のアルバムのトラックには、序盤がエッジー、中盤がポップでカラフル、終盤がメロウという流れを感じました。

「曲を全部テーブルの上に並べて、考えてみてでき上がったシナリオではあるんですけど、結果的に作りたい曲を作れた感じはありますね。今やりたいことを、全部やれた気がしています。もう何も躊躇することなく、出し切りました」

――歌詞は、書こうと思って書くのですか?それとも、常に書き溜めておいたりしているのでしょうか?

「書こうと思って書く時もあるし、トラックからのインスピレーションで書くこともあるし、映画やドラマを観ている時に“今のメッセージ、めっちゃいいな”と思ったらメモしておいて、後で膨らませることもありますね」

――題材には困らないですか?

「そうですね。もう、メモがスクロールし切れないくらい溜まっているんです。ネタをずっと書いているので。映画『8 Mile』でエミネムがバスの中でメモしているシーンに、影響を受け過ぎちゃって、ずっとやっています。中学、高校の時にカッコいいと思って、マネしていたんですよ。メモ帳は持っていないですけど、iPhoneで今も同じことをやっています」

――SWAYさんの中にいるんですね、エミネムが。

「俺の中にエミネムが入り込んでいるんです(笑)。でも本当に、クセになっていますね。タクシーに乗っていても、漫画を読んでいてもやりますから。スクショもするし。職業病かもしれないです。ネタに困らないようにしたいっていうのがあるので。知らない言葉に出会うとラッキーって思うし。“何その言葉?”みたいな……」

――「SEXY」という曲では、久々にRIEHATAさんと共演していますね。

「「SEXY」を作ったのは、2019年かな。まだRIEHATAも客演とか歌とかをやる前で、最初はRIEHATAなしでできあがっていたんですよ。Sakaiさんのスタジオで録っていて。それをブラッシュアップしに行った時に、すぐできるからSakaiさんの家で鍋をしようということになって、DJ KEKKEくんとRIEHATAを呼んだんです。それで、「SEXY」ができたからって聴いてもらっていて、RIEHATAも歌えばいいじゃんっていう話になって、入れました。ちょっと歌詞を書き換えて。それぐらいラフな感覚でした。だから、フィーチャリングって入っていないんですよ。本人にとってもそれぐらいのほうがいいかと思いまして」

――鍋きっかけだったんですね。

「そうなんです。Sakaiさんとは、ドーベルでセッションさせてもらった時に個人的に仲良くなっていて、僕がひとりでスタジオに通うようにもなっていました。それで「SEXY」と「ASOBOW」ができたんです。今回のアルバムで、はじめまして状態だったんですけど、今じゃプライベートでも飲みに行かせてもらったりしています」

――そして、ルーペ・フィアスコです。

「ルーペは、僕が勝手に19歳の時から知っているわけですけど(笑)。「キック・プッシュ」という曲で、大ハマリして。トロントに住んでいた時に、今でも忘れないですけど、朝起きたらBET(米ケーブルテレビのチャンネル「ブラック・エンターテインメント・テレビジョン」)を観ていたんですね。ある朝、テレビを点けて1曲目にかかったのが「キック・プッシュ」で、何このラッパー!?って思って、すぐHMVに行ってアルバムを買いました。その時に街を歩いていたらルーペ・フィアスコ・ライヴって書いてあって、“おお!ライヴやるんだ?”って興奮してトロントに観に行って、アフターパーティで“ルーペ!”って話しかけて握手してもらったっていうところからの。超ヘッズです(笑)」

――ははは!すごいエピソードですね。

「で、僕が日本に帰ってきてから、今度は洋服のブランドのSWAGGERのイベントでルーペが来日したんですよ。それを札幌から飛行機に乗って、STUDIO COASTまで観に行って、次の日も仕事だから朝6時の便で札幌に帰って。ハードだったけど、気持ちは“ルーペやばかった!”ってワクワクでした(笑)。2018年に自分がSTUDIO COASTのステージに立てた時は、めちゃくちゃ感動しましたね。その後、たまたま僕の友達が、ルーペの来日時のアテンドのひとりになった時があって、その友達の声かけでいっしょに飯を食わせてもらったんですよ。そしたら、NIGOさんやTERIYAKI BOYZが好きなルーペが、僕がHONEST BOYZでファレル(・ウィリアムス)とかといっしょにやらせてもらったのも知ってくれていて、“SWAYさん!”みたいに言ってくれたんですよ。もう、超嬉しかったですよ。そこから連絡先を交換して、今に至る感じです。すみません、しゃべり過ぎちゃって(笑)」

――いえいえ!そういう話、大好きです。アルバムタイトルについても聞かせてください。

「もともと何かのファン企画で、絵を描いてあげるっていうのがあったんですね。その時に、SWAYをなぞって『Stay Wild And Young』っていうのを思いついたんですよ。頭文字でSWAYになるっていう」

――それは気づきませんでした。悔しいです!

「全然です。けっこう皆さん気づかないんで、やったと思っています(笑)。その時は、当て込む感じで作ったんですよね。でも、自分は36歳になる年なんですけど、40代の先輩たちがめちゃくちゃワイルドに、ヤングに生きていてカッコいいと思うんですよ。自分もアーティストである以上、常にアグレッシヴな心を忘れちゃいけないなという気持ちもあるし。背負うものも守るべきものもできたんですけど、ディフェンスじゃなくて常にオフェンスの状態で発信していきたい、挑戦者であり続けたいなって思うんですよね。今の時代には反しているタイトルかもしれないですけど、同世代や年上のファンの方が聴いて、SWAYががんばっているんだから自分もがんばろうって思ってもらえたらうれしいし、僕が10代20代の時に30代の先輩をカッコいいと思っていたように、自分もカッコいい30代のシンボルになれたらうれしいですね」

――ツアーも決定しました。

「はい。今回はずっといしょにやらせてもらっているDJ KEKKEくんのDJスキルを借りて、1MC+1DJのライヴをします。ダンスとかもなしにして、しっかり音楽でライヴをやり切ろうと思っていますので、是非待ってくれているみんなには5月を楽しみに待っていて欲しいです」

(おわり)

取材・文/鈴木宏和
写真/野﨑慧嗣

LIVE INFOSWAY LIVE TOUR 2022 “Stay Wild And Young”

5月9日(月)DIAMOND HALL(愛知)
5月13日(金)なんばhatch(大阪)
5月30日(月)Zepp Haneda(東京)

DISC INFOSWAY『Stay Wild And Young』

2022年3月16日(水)発売
初回限定盤/UICV-9342/3,850円(税込)
ユニバーサルミュージック

SWAY『Stay Wild And Young』

2022年3月16日(水)発売
通常盤/UICV-1118/2,750円(税込)
ユニバーサルミュージック

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