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2018.05.30

コアラモード.『COALAMODE.2〜街風泥棒〜』インタビュー——どこへでも行きたいところへ

あんにゅと小幡康裕からなるコアラモード.の最新作『COALAMODE.2〜街風泥棒〜』がリリースされた。前作『COALAMODE.』の制作を経てより高めれられ、「大旋風」で解き放たれたというふたりの表現欲求の向かう先は?

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——「花鳥風月」のプロモーション、忙しそうですね。

あんにゅ「発売週のフラゲ日から毎日ライブだったので6日連続ですね」

——6日連続!働き方改革が叫ばれているこのご時世に?(笑)

あんにゅ「だからこそですよ。そうやってお休みが増えればファンの皆さんと私たちとの接点も増えるわけじゃないですか。世間の人がお休みのときこそ働かなくちゃね。でも楽しかったよね。休日は家族連れのお客さんも多かったりして。ずっとお天気もよかったし……あ、発売日の朝は土砂降りだったけど(笑)」

小幡康裕「そうなんですよ。発売日当日のラゾーナ川崎プラザは屋外なので。朝起きて、“あ、今日は終わったな!”って。それが夕方には晴れてくれて。本当によかったです」

——まさに“雨のち晴れのち”何とやらですね。

あんにゅ「ははは!」

小幡「僕ら、リリース日って結構雨降るよね」

あんにゅ「そんなときは「雨のち晴れのちスマイリー」を歌えばいいや!ってなっちゃいますね」

——そうこうしている間に『COALAMODE.2〜街風泥棒〜』の詳細も発表されました。

小幡「そうですね。いままでは「花鳥風月」でしたけど、これからは『COALAMODE.2〜街風泥棒〜』のモードに切り替えていく感じです」

——ナンバリングタイトルですが、「街風泥棒」というサブタイが付きました。

あんにゅ「サブタイ付けるかすごく迷ったんですよ」

小幡「そもそも『COALAMODE.2』でいいのか?ってね」

あんにゅ「そうそう、ふつう過ぎない?って。レコ—ディングも終盤に差し掛かって、まだタイトルが決まらなくて。もう決めなきゃ!ってタイミングで、レコーディング終わりに、スタッフさんとみんなで下北沢の喫茶店で打ち合わせしてて、全然しっくりしたタイトルが浮かばなくって。で、その喫茶店の名前が“花泥棒”だったんですけど、それがヒントになって、『街風泥棒』になりました。収録曲がどれも風を感じさせるので、“街風”って言葉を入れたいねっていうのは前から言ってたんです」

小幡「みんなでいろんなアイデアを出し合って、さんざん迷走した末に、『街風泥棒』っていい響きの言葉に辿り着いたんじゃないかなと思います」

——はっぴいえんどを思い浮かべるオールドファンもいそうですね。

小幡「まさか喫茶店の名前から来てるとは思わないでしょ(笑)」

あんにゅ「なかなか素敵な喫茶店なんですよ。ちょっとレトロな感じで。チェーン店のカフェで打ち合わせしてたら全然違う名前になってたかもしれないね」

——前々回、『COALAMODE.』のインタビューで、マスタリングが終わった瞬間に、次はああしたい、こうしたいってふたりで話していたってエピソードを紹介しましたが、言葉に違わず、ほぼ1年で早くも2ndが完成しましたね。

小幡「そうですね。言ったとおり1年後にアルバムを出せるってとても幸せなことだなと思いますけど、今回は、デビュー前からのストック曲を蔵出ししたというか、インディーズ期からずっと温めていた曲を収録できたんですが、これは1stが完成したときから想い描いていたことでもあるんですね」

——「大旋風」では、ストックから選ばず書き下ろしたということでしたが、今回は逆のアプローチですね。

あんにゅ「そうですね。なんだかもったいぶりすぎちゃったかな?って思うことがあって。これじゃ、いつまでたっても、昔作った曲が出せないねって小幡さんと話してたんですよ。だから今回は出し惜しみせずに全部出しちゃおう!と思いながら作りましたよ」

——ちなみにストックから生まれた曲ってどのへんですか?

小幡「たとえば「トライアゲイン」は2014年の元旦には原案ができていて。「恋愛定規」は2013年だったかな……」

あんにゅ「「バードマン」もデビュー前だよね?確か2014年。「ホップステップジャンプ」、「位置エネルギー」、「僕に足りないものは」もそうだね」

小幡「ほとんどの曲がそうなんですよ。「花鳥風月」も歌いだしのメロディは昔からあったよね。僕ら、デビューして4年が経ちますが、幸いなことにいろんな経験をさせていただいて、ノウハウもできて、こうやって昔作った曲をブラッシュアップする術を身に着けたというのは大きいですね」

あんにゅ「満を持してって感じですね。いろいろアレンジを変えたりもしたけれど、でも、あえて変えていない曲もあって、「僕に足りないものは」なんかはそう。この曲は、コアラモード.を結成してすぐに作ったプリプロがありまして、特にピッチがいいわけじゃないんですけど、そのときの素朴な歌い方が気に入っていたんですよ。その雰囲気をどう再現するかっていうことに苦戦しましたね」

小幡「ライブではおなじみの「ホップステップジャンプ」、「位置エネルギー」なんかはアルバムで聴きたいという声もいただいていて、そういうファンの皆さんの思い入れを超えなくちゃっていうプレッシャーもありましたけど」

——ライブで演奏した時点で、もはや自分たちだけの曲じゃないという感覚になるんでしょうね。

小幡「そのとおりだと思います。ライブで聴いていた曲がレコーディングするとこうなっちゃうんだ……って、がっかりさせたくないですから」

——「僕に足りないものは」に、コアラモード.らしさというか、いちばんベーシックな部分を感じたりもしますね。前作の「未来」と、ある意味で対を成すというか……。

あんにゅ「どちらもコアラモード.としてこれからふたりでやっていこうって、デモを書き溜めて臨んだ最初のプリプロでできた曲ですからね」

——アルバムを通して感じたことですが、1stがありのままのコアラモード.だとすると、本作は、もっと押しが強いというか、曲たちが前に出てぐいぐいアピールしているように思えます。

小幡「その意識はすごくありましたね。1stは、アルバムを通しで聴いても聴き疲れしないようにマスタリングで音圧を整えたりしたんですが、今回は1曲1曲の思い入れの強さをそのまま音にしようとしていましたね。どの曲もシングルにしたいくらいの気持ちがあったので、アルバムとしての全体感よりも、それぞれの曲の熱量を損なわないように仕上げました。それが押しの強さってことかもしれませんね」

あんにゅ「どの曲にもそれぞれリスペクトする気持ちがちゃんとあるので、その曲単体として、聴く人の耳に残るようにということは考えていました」

——「トライアゲイン」、「恋愛定規」、「位置エネルギー」は、すごくロックしてるなって思いました。

小幡「「恋愛定規」はJUDY AND MARYのTAKUYAさんにギターを弾いてもらいました。ジュディマリの、あのまんまアバンギャルドなギターだったので感動しましたね」

——その情報を見る前だったので、僕のインタビュー原稿には「小幡さん、ギターの弾き方がすごく変わりましたね」って質問がありまして(笑)。

小幡「あー!今日解禁のニュースですもんね(笑)」

あんにゅ「ははは!そう思っちゃいますよね。小幡さん、あんなふうに“ぴゅーん!”ってギター弾かないもんね」

小幡「これを2曲目に置いたことで“今回はがんがん行くよ!”っていうアルバムの方向性を示せたんじゃないかと思いますね」

あんにゅ「TAKUYAさん、天才だ!って思いましたよ。この曲は、TAKUYAさんのスタジオでレコーディングしたんですが、隣でTAKUYAさんの作り方を見させていただいて、学ぶところが多すぎる!私たちのいままでの作り方が覆された感がありますね。本当に曲を細かくかみ砕いて、いろんなフレーズを試したり、その結果、コードも変化してきたり。さらに、歌入れにも立ち会ってくれて、ディレクションまでしていただいて」

小幡「僕らが帰ったあともスタジオに残って作業してくれていたりして、プレイヤーとして参加していただいてるはずなのに、そこまでやっていただけるんだって感動しました」

あんにゅ「歌入れ、すごく緊張しましたけど、TAKUYAさんとレコーディングして、こんなこともできるんだ!もっといろんな人といっしょに音楽を作りたい!って思わされました」

——なるほどね。コアラモード.はふたりで自己完結できますから、そういうコラボレーションって刺激になりますよね。

小幡「それが僕らのよさでもあるんですけどね。TAKUYAさん以外にも、「花鳥風月」ではドラムに河村“カースケ”智康さん、ベースに安達貴史さんにも参加していただきましたけど、ここぞというときに自分たちにないものを加えていただいて。思ってもなかった化学反応が生じるということは、前作や「大旋風」でも学びましたが、コアラモード.が進化していくに連れ、もっといろんな人たちと関わり合って、新しい音楽を生み出していくってベクトルになっていますね」

あんにゅ「「恋愛定規」はそれが顕著に現れているかもしれないですね。スライドホイッスルが入っていたり、最後の最後にTAKUYAさんが“これも入れようよ”ってブブゼラ持ってきて(笑)。“あ、音楽ってこんなに自由でいいんだ!”って」

小幡「“なんでそんなに自由な発想で作れるんですか?”ってTAKUYAさんに聞いたら、“僕はジュディマリ時代に佐久間正英さんに教わったとおりにやってるだけだよ”って。TAKUYAさんは、そうやって人といっしょに何かを作り上げる楽しさを僕らに教えてくれたんじゃないかな」

あんにゅ「スタジオにも佐久間さんとのお写真が飾ってあってね。TAKUYAさん、またごいっしょさせていただきたいです」

小幡「TAKUYAさんに限らず、僕らって先輩に恵まれているよね。みんな応援してくれて、ありがたいことです」

——先輩といえば、「位置エネルギー」って、スキマスイッチぽくないですか?漢字/カタカナのタイトルといい、サビあたりの譜割りとか。

あんにゅ「そう言われてみればそんな気もしますね。スキマスイッチ先輩ぽいかも」

小幡「そしてこの曲のギターは、キンモクセイの後藤秀人先輩ですよ。いつもツアーでお世話になっているので、“あの感じでお願いします”って」

——これだけ曲の振り幅が広いと曲順を決めるのが大変ですよね。

小幡「曲順、すごく迷いましたね」

あんにゅ「マスタリング前日に大改造したんですよ。曲順で印象が変わるので、作り直した曲もあります」

——今日、絶対聞こうと思ってたことがあって、ラストに「セキララ☆キラキラ」を置いた理由を知りたいです。

小幡「ふつうに考えると、ラストは「僕に足りないものは」ですよね。最初はこれをラストに置いてたんですよ」

あんにゅ「ふたりで話し合って変えたんだよね。「セキララ☆キラキラ」は日常的な視野で、それもいままでのコアラモード.にはないくらい崩した現代語の詞だったので」

小幡「「僕に足りないものは」までの12曲で、ある意味アルバムは完成しているんですよ。だから「セキララ☆キラキラ」は映画のスタッフロールで流れている曲みたいな感じ」

あんにゅ「ピクサー映画とかでよくあるじゃないですか。NG集みたいなおまけ映像のイメージかな。あと、「僕に足りないものは」で終わると1stと同じ雰囲気になっちゃうかなと思ったんですね。今回は、もっと身近な雰囲気の楽しい曲で終わりたいなと」

小幡「こういう終わり方も多幸感があっていいよね」

——突然ですが、あんにゅさん、「恋愛定規」、「セキララ☆キラキラ」、前作で言うと「損得勘定」の元ネタもそうだと思いますが、小幡さんが書く恋愛ソングについてレビューしてもらえますか?

あんにゅ「えーと……あのですね、どうしてもその歌詞の後ろに小幡さんの姿が浮かんでしまうので、“えーっ!これ?”って思っちゃうんですけど(笑)。でも私が歌うことによって、印象が全然変わるってこともわかっているので、まずは歌ってみようと。特に今回は、はっちゃけた女の子像が多かったし」

——小幡さんの恋愛ソングってわりと、きゃぴっとした印象があるんですよね。

あんにゅ「そうそう、「恋愛定規」の“全身全霊 恋に落ちた”じゃないですけど。恋は盲目みたいなね(笑)」

小幡「そこにあんにゅっぽさはないってことはわかってるんですよ。むしろあんにゅっぽい詞はあんにゅが書けばいいと思ってて。だから僕は主人公像があからさまで、わかりやすい恋愛ソングを書くんですよ。だって、“あなたの好みに合わせて/わたしはいつもアジャスタブル”ってそんな子いないでしょ(笑)。あんにゅって、歌詞に描かれている主人公になりきって演劇的な歌い方ができるシンガーなんですよ。これってアイドルに曲を書く感覚に近いんじゃないですかね」

あんにゅ「ふふふ……それが男女ふたりユニットならではのおもしろさかもしれませんね。と、思いながら歌ってます。逆に小幡さん、わたしの「ごらんください」、前作の「さくらぼっち」、「充電器」とかはどうですか?」

小幡「うーん……そうですね、あんにゅは、恋人同士の感情よりも、そのふたりを取り巻く光景とか情景の描写に重きを置いている作家だなと思いますね。情景描写がフックになって人物の感情を想起させるのが上手だなと。「僕に足りないものは」もある種のラブソングだとすると、“君の声がしたから ベランダに出たんだ”とか“ほら、ごらん 鮮やかなオレンジ”みたいな詞にちゃんと景色が見えるんですよね。僕にはこういう歌詞は書けないし……あれ?俺が一方的に褒めてる感じになっちゃった(笑)」

あんにゅ「わたしも小幡さんの詞、好きですよー(笑)」

小幡「ははは!まあ、ふたりで同じような詞を書いててもつまんないしね。いや、ふだんなかなかこんな話しないし、おもしろいね」

あんにゅ「しないよね。いやー、こんなこと聞かれると思ってなかったですよ」

——なるほどね。あ、リード曲の「花鳥風月」の話をしなくちゃ。これはアニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」のための書き下ろしですね。

小幡「そうですね。コミックスを読み返して、僕らがエンディングを付けるクールは、物語がだんだんシリアスになっていくんだなってイメージして。そしたら歌いだしのメロディがすっと出てきて、あとは「BORUTO」の世界観に引っ張られながら書き進めました」

あんにゅ「最初はこんな派手な曲じゃなかったんですよ。出だしの“花、鳥、風、月”も囁くように静かに始まって、静かなまま終わる曲だったのに、“花”って柔らかい言葉を叫んだらどうなるんだろうって実験してみたら、それがすごく耳に残るなって感じて。“花、鳥、風、月”のサビだけで全部伝えられるんじゃないかなと思ったりもして。そういう自然を大切に思う気持ちだったり、守りたいって気持ちが」

小幡「この曲をふたりだけで初めて演奏したときに思ったのは、僕らのいままでのレパートリーのなかで、いちばん感情表現の振り幅が広いなってことですね。激しい部分もあれば、静かな部分もあって」

あんにゅ「フラゲ日に初めてお客さんの前で演奏したとき、拍手が鳴りやまなかったんですよ。そんなこといままでなかったので、我ながらすごい曲ができたぞって思いましたね」

——えっ!コアラモード.がこんなシリアスな曲を?って驚きがありました。

小幡「実はあったんですよね。コアラモード.にもシリアスな曲のストックが」

あんにゅ「1stでいうと、「海」も振り切った感情表現をしていますけど、それに近いかもしれませんね」

——「花鳥風月」はMVもなかなか素敵ですね。なぜチェコで?

あんにゅ「壮大な景色を撮りたいねって話をしていて、ヨーロッパがいいなと。なぜチェコか?私、「コアラモード.あんにゅとチェコアニメのおとぎ話ナイト」というトークイベントもやってるくらいチェコアニメが好きなので」

——チェコアニメっていうと、「クルテク」とか「アマールカ」みたいな?

あんにゅ「ヨゼフ・パレチェクの「けしのみ太郎」とか知ってますか?私、パレチェクさんのあの絵がすごく好きで、ストーリーもシュールなんですけど、そんな作品を生み出す国ってどんなところなんだろう?と」

小幡「マイナス8度ですよ(笑)。もう映像のとおり、ものすごく寒かったですけど、結果、いままででいちばん壮大な曲で、いちばん壮大なMVに仕上がりましたね」

——ジャケットのアートワークも解禁されましたが、カレル橋とか天文時計とかプラハの名所がコラージュされていて楽しいですね。

小幡「どこを切り取っても絵になる街ですね。プラハは」

——さて6月からは全国ツアー「THIS IS COALA MODE. !! 2018〜街風泥棒〜」も始まりますが。

小幡「今年は、シングル、アルバム、ツアーと続くので、これを乗り切るってことしか考えてなかったな……」

あんにゅ「そうだね。ツアーが終わって夏が過ぎたらあっという間に年末になっちゃいそうだけど、そろそろ次の展開を考えなくちゃ。「花鳥風月」の次に出す曲って大事だよね」

——1stを作り終えたときと、いまではだいぶ心境が違うんじゃないですか?

小幡「前作が完成したときは、早く次のアルバムを作りたいって気持ちでしたけど、いまは“さて次はどれしようかな?”って気持ちなんですよ。目の前にいろんなカードが並んでいて、どれか選ぶって感覚。たぶんどこでも行きたいところへ行けるからだと思うんですけど」

あんにゅ「それこそ、今回TAKUYAさんに教わった遊び心であったり、そういう経験もプラスに働いていると思います。「大旋風」以降、どんな曲出してもいいんだって自信がついたので、怖いものなしで次の作品に臨みたいですね」

(おわり)

取材・文/encore編集部
写真/桜井有里



コアラモード.『COALAMODE.2〜街風泥棒〜』
2018年5月30日(水)発売
初回生産盤(DVD+CD)/BVCL-888/889/3,519円
アリオラジャパン


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2018年5月30日(水)発売
通常盤(CD)/BVCL-890/2,778円(税別)
アリオラジャパン


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