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2017.01.13

The KanLeKeeZ『G.S. meets The KanLeKeeZ』ディスクレビュー——ミリタリールックの最年長新人バンド

高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井 賢……彼らの少年時代に一世を風靡したグループサウンズを、彼ら自身の手で現代に甦らせたThe KanLeKeeZ。スマホでUSENでもいよいよ配信がスタートするのだが、そのデビューアルバム『G.S. meets The KanLeKeeZ』のディスクレビューをお届けする。

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1960年代の後半に日本中を席巻し、わずか数年で衰退。にもかかわらず、多くの少年少女の心を虜にしたのがグループサウンズ(GS)だ。エレキギターを中心としたバンドスタイルと長髪に細身のスーツやミリタリールックといったファッションを身に着けたグループは、世間の大人たちには“不良”という目で冷たく見られていたそうだが、流行に敏感な若者たちは熱狂的に支持。ほんの数年の間に100を超えるバンドがデビューしたという。そして、その時代、まさに多感な少年だった高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井 賢もGSに多大な衝撃と影響を受けたのである。

3人の中でも特に高見沢俊彦の作る楽曲は、吉田拓郎も「GSだよね」と評したそうだが、存分に“GS愛”が込められたものだった。とはいえ、それはあくまでもTHE ALFEEとしての楽曲の中にエッセンスとして加えられていたである。だが、デビューから40年以上が経過し、メンバーが全員還暦を迎えた2015年の春、彼らは突然10代の頃の憧れを自ら体現するという方法を取る。ツアーパンフレットに揃いのミリタリールックで登場したのだ。しかも、その後、「Best Hit Alfee Final 2015」における武道館ライブのステージにザ・カンレキーズとして姿を見せ、THE ALFEEの新曲「G.S. I Love You – あの日の君へ -」をカバー。ファンの度肝を抜いたのである。これ以降、ザ・カンレキーズのコーナーはTHE ALFEEのライブでは恒例となり、ファンにとってはお馴染みの存在となっていった。ところが、そんな彼らは2016年12月にThe KanLeKeeZとグループ名を改めると、なんと『G.S. meets The KanLeKeeZ』でCDデビュー。平均年齢61.67歳。日本の音楽シーンにおける最年長新人バンドが誕生したのである。

『G.S. meets The KanLeKeeZ』には全7曲を収録。オープニングを飾るのは、このアルバムのリード曲でもあるThe KanLeKeeZのオリジナル曲「好きさ♥好きさ」だ。この楽曲は、タイトルからもわかるようにストレートなラブソング。“世界で一番 誰よりも好き”で“君に夢中”なのだが、“いつだって…君は気づかないよ”という、せつなくも情熱的な片想いを歌っている。リズミカルなサウンドと覚えやすいキャッチーなメロディ。そしてシンプルでわかりやすい歌詞は、一度聴いたら覚えてしまうほど。60年代にリリースされたザ・カーナビーツの「好きさ好きさ好きさ」へのリスペクトを感じさせながらも、それ以上に耳馴染みのいい楽曲になっているのだ。

2曲目の「ブルー・シャトウ」は、ジャッキー吉川とブルーコメッツが1967年に発表した楽曲のカバー。森の中にひっそりと建つ青い城の様子を表現した歌詞の世界観は、まるで童話のようにロマンチックでありながら、どこかミステリアスだ。オリジナル曲には、その雰囲気のままのアレンジが施されていたのだが、The KanLeKeeZバージョンでは、高速で激しくパワフルなアレンジに。オリジナルとはまた違う、スリリングな仕上がりになっている。

さらにこのアルバムには「フリフリ」(1965年、ザ・スパイダース)と「エメラルドの伝説」(1968年、ザ・テンプターズ)というカバー曲も収録。「フリフリ」にはヘビーメタル調の、「エメラルドの伝説」にはEDM調のアレンジが施され、カバーとはいえ、今の時代にふさわしい色合いを帯びた。

ただ、どちらも歌詞は60年代当時のままで、「フリフリ」はギターが好きでたまらない男の曲であり、「エメラルドの伝説」は、湖に身を投げた恋人への想いを歌った作品。「ブルー・シャトウ」もそうなのだが、ある種とても単純で、特に結論もなければメッセージもないという、今の時代の音楽とは異なる世界観のものになっているのだ。だが、だからこそ聴く者が理屈ではなく楽しめたのかもしれない。そう考えると、確かにGSは時代のあだ花的な存在ではあったかもしれないが、ヴィジュアルも含めて音楽を楽しむという意味で、その当時の若者に熱狂的に受け入れられたこともうなずける気がするのだ。

そして、理屈ではなく楽しめるという意味で言えば、The KanLeKeeZのオリジナル曲も同じ。前述の「好きさ♥好きさ」もそうだが、3曲目の「Dancing 60’s」は、さらにその色合いの濃いパーティーチューンになっている。ミラーボールが回るディスコで踊っているイメージが目に浮かぶような華やかなテイストの楽曲は、軽快でノリがよく、まさに理屈ではなく身体が動いてしまうのだ。それだけに、昨年末に日本武道館で行われた「BEST HIT ALFEE FINAL 2016 冬フェス」で演奏されたときも、メンバー3人がステップを踏めば、オーディエンスも全員踊って大盛り上がりだった。歌詞にも“いくつになってもHippy Hippy Shake”とあるとおり、年齢に関係なく誰もが楽しめる楽曲だと言えるだろう。

今回のアルバムには、弾 厚作こと加山雄三作曲、高見沢俊彦作詞によるTHE ALFEEの楽曲「Love Again」のニューバージョン『Love Again 2017』と、The KanLeKeeZの始まりの曲とも言える「G.S. I Love You – あの日の君へ -」のThe KanLeKeeZバージョンも収録。ファーストアルバムにして幅広いThe KanLeKeeZの世界が楽しめる1枚となっている。しかも、聴くだけでも楽しいのはもちろんだが、現役バリバリのバンドである彼らは、これらの楽曲を実際にライブで演奏。そこでは振りなども披露し、観て、いっしょに踊ってさらに楽しいというものを提供している。音楽業界の衰退が言われて久しい時代ではあるが、今でも音楽を楽しむファンが大勢いるのだ。そして、その“音楽を楽しむこと”を誰よりも知っているのが、42年もの長きにわたり、第一線で活躍し続けているTHE ALFEE/The KanLeKeeZのメンバーであることは間違いない。そんな彼らが生み出した楽曲だからこそ、リスナーは心を躍らされ、その顔には自然と笑みがこぼれる。そう、The KanLeKeeZの音楽は純粋に音楽を楽しむ喜びをもたらしてくれるのだ。
(おわり)

文/高橋栄理子



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