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特集
2019.04.29
インタビュー 亀田誠治と日比谷音楽祭

あの場所でしか見られない景色があるから

亀田誠治がオーガナイズする「日比谷音楽祭」が6月1日、2日の2日間に渡って開催される。JUJU、石川さゆり、布袋寅泰、山本 彩、KREVAというラインナップに見る音楽祭の多様性、そして亀田が想い描く音楽の未来とは?

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――プレイヤーとして、あるいはオーディエンスとしての亀田さんにとって日比谷野外音楽堂、日比谷公園ってどんな場所ですか?

「僕は、野音と武道館ってミュージシャンにとって憧れの聖地だと思っていて。よく言うでしょ?武道館は天井から音が降ってくるんです。野音はね、自分たちが演奏した音が空に飛んでゆくんです。それがすごく気持ちよくて、“ああ、音楽をやっていてよかったなあ!”と思える場所なんです。緑があって、高層ビルも見えて、こんなに気持ちのいい野外ステージは他にないんじゃないかな……なんていうか、野外フェスって他にもたくさんあるじゃないですか?でも他では得られない、野音でしか見られない景色っていうのがあるんです。だから僕は本当にあの場所でコンサートをするのが好きですね」

――確かにあのやさしい傾斜の客席から見ると、ステージの向こうに木々の緑があって、高層ビルがあって。ああいうロケーションってなかなかないですよね。

「もちろん、オーディエンスとしてもたくさんのコンサートに行きましたけど、とにかく演者にとって、アーティストとっての聖地だって言えると思うんですよね。伝説のライブもたくさんあるし、いろんなハプニングもありましたけれど、アーティストも時代時代でさまざまなアプローチをして、そういった出来事すべてを受け容れてきた野音という場所の、懐の広さというかね」

――キャロルだったり、尾崎 豊さんだったり、数多の伝説がありますね。

「キャンディーズもそうでしょ?99円ライブっていうのもあったね。そうやって野音という場所から日本の音楽史のページがめくられてきたんじゃないかな。そう言えば、石川さゆりさんが素敵なことをおっしゃっていてね、“私、いまではこうやって着物を着て歌っているけれど、デビュー当時はアイドルとしてお洋服を着て野音でも歌っていたのよ”って、とても誇らしげに言っていたんですよ」

――いいですね。その光景を見た人にとっては宝物のような思い出ですね。野外なのであたりまえですが、雨が降ることもあるし、でも雨が降っていても様になるというか……

「そう!雨がっぱに雨粒のあたるパチパチっていう音とか、雨粒がライティングに照らされたりして。それもまたいいんですよ。まあ、でも6月の日比谷音楽祭は晴れて欲しいなあ(笑)」

――ですね(笑)。野音と小音楽堂はもちろん、日比谷公園エリアすべてが会場になるって、得難いシチュエーションですよね。

「野音には石川さゆりさんや、JUJU、布袋寅泰さん、新妻聖子ちゃん、SKY-HIのように、皆さんが知っている豪華アーティストが出演しますが、小音楽堂や、日比谷公園内の各ステージでも素晴らしいアーティストやオーケストラがコンサートやワークショップを開催します。隣接する東京ミッドタウン日比谷にもステージを設けていて、超絶技巧のハーモニカの南 里沙ちゃんや、アコースティック・ギター・デュオのDEPAPEPE、癒しの唄の大島花子さんたちが最高の音楽を届けてくれるはずです」

――なによりも観覧フリーというのはインパクトが大きいですし、参加型のワークショップも用意されていたり、イベントとしての懐の深さ、間口の広さを感じます。

「性別も、年齢も、障がいも、経済格差も超えてすべてを受け容れる――どんな人も排除しない――というのが日比谷音楽祭の大事なポイントになっていて、初年度の今年、どこまでダイバーシティやインクルージョンみたいな部分に踏み込んでゆけるかということなんです。フードにもこだわっていて、たとえばヴィーガンなどにも対応したいし。そうやって新しいフェスの在り方を追求して、フェスの国際水準を引き上げたいと思っていますから。そういったことを試すのに相応しいのが、日本の、東京の、日比谷公園という場所なんじゃないかな。そもそも東京のど真ん中で、協賛と助成金とクラウンドファンディングで開催するフリーイベントなんて前代未聞ですし、だからこそチャレンジングなことなんだろうとも思っています」

――亀田さんにとっても音楽祭のプロデュースという仕事はチャレンジングだと思いますが、個人的には、たとえばミュージカルや映画音楽といった分野の亀田ワークスも見てみたいです。

「ミュージカル、いつかやってみたいですねえ!映画の劇伴もやりたいです。将来的にはきっと手掛けるときが来ると思ってますので、期待していてください」

――亀田さんが手掛けているアレンジやプロデュースワークの数って尋常じゃないですよね。ごく最近の作品に限っても、山本 彩さんや由紀さおりさん……もうすぐメガネツインズのツアーもありますし(笑)。なかなかご自身がやりたいことをやる時間を作るのは難しいかもしれませんが。

「そんなことないですよ。まず大前提として、いまやっている全ての活動が僕のやりたいことなんです。そこに一点の曇りもない。加えて、たとえば毎年のLAで現地の作家と共作するコライトも自分の意志でやっています。そうやって自分から動いていかないとなにも変わらないですから。いや、本質的な部分は変わってないんですけど、アップデートしていかなくちゃいけない。時代に合わせて、もしくは時代よりも先にゆく、あるいはそれすらも超越した普遍的な存在でありたいと思っていますので」

――そしてそういった作業を苦にしていない?

「はい。まったく苦にならないです。むしろすごく楽しい。僕にとって、アップデートしないということの方が苦痛です。僕ね、守らなくちゃいけないものって持っていないんですよ。メーカーさんとの契約もないし、何かのポジションを約束されているわけじゃないし。本当、守らなきゃいけないのは、いい音楽を作り続ける、自分をアップデートし続けるってことだけ。だから、ほら、この前インタビューしてもらったリベラの作品もそうですよ。あれは楽しかったなあ!そうやって自分が面白いと思ったことをやるってことじゃないですか。そうそう!彼らはワールドワイドなアーティストだから難しいと思いますけど、でもいつかはリベラも日比谷音楽祭に呼びたいですね」

――亀田さん自身が影響を受けたという小林武史さんであったり、GLIM SPANKYや由紀さおりさんの作品で亀田さんとコラボレーションしているいしわたり淳治さんもそうですが、1990年代以降、音楽プロデューサーという職業がすごくフォーカスされるようになりました。当事者である亀田さんもそういう肌感はありますか?

「それはすごく感じていますね。若い世代のミュージシャンといっしょに仕事をすることが多いのはそういうことだと思いますし。そういうとき、僕は自分の経験をオープンに伝えたいと思っていますから。でもね、“その美味しい部分だけちょっとタネ明かししてもらえませんか?”っていうお手軽な仕事の仕方はお断り(笑)。「亀田音楽専門学校」というTVの教育番組もそうでしたけど、テーマもアーティストへのオファーも自分から提案しました。教え方もこだわってるんです。僕も先輩方から脈々と受け継いでいるものがありますし、聴き手の皆さんだってそうでしょ?それを感じとりながら音楽のバトンを渡してゆくということが重要だと思っていますから。だから僕は日比谷公園という100年以上に渡って伝説を生み出してきた最高のロケーションで音楽祭をやりたいんです。そんな場所で親子孫三世代が楽しめる無料の音楽祭なんて最高でしょ?」

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)
写真/桜井有里




■「VINTAGE MUSIC」本編の放送予定
SOUND PLANET「VINTAGE MUSIC」#213
ゲスト/亀田誠治(2019年4月29日~5月5日放送)

SOUND PLANET「VINTAGE MUSIC」#214
ゲスト/亀田誠治(2019年5月6日~5月12日放送)

 

■ What’s “VINTAGE MUSIC” ?
「VINTAGE MUSIC」はUSENのBGMサービス「SOUND PLANET」で放送中のラジオ番組です。ラジオDJのケリー隆介をメインパーソナリティに、毎週素敵なアーティストをゲストに迎え、そのアーティストの半生やルーツミュージックについて語り合いながら、最新の楽曲やライブ情報をお届けします。



The Music Park Orchestra(亀田誠治、佐橋佳幸、斎藤有太、河村”カースケ”智康、皆川真人)

石川さゆり

coba

JUJU

新妻聖子

布袋寅泰

ミッキー吉野&タケカワユキヒデ from ゴダイゴ

よよか

山本 彩

KREVA

ナオト・インティライミ

SKY-HI

堂珍嘉邦

Rei

東京消防庁音楽隊

警視庁音楽隊

DEPAPEPE

南 里沙

琴音

四家卯大

GAKU-MC

DJみそしるとMCごはん

Smooth Ace



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