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特集
2018.02.16
JUJU『I』スペシャルインタビュー

JUJUが歌う、たくさんの“アイ”の歌(前編)

名だたるクリエイターたちとともに紡ぎだされたJUJUの最新作『I』。小田和正とのレコーディング体験、平井 堅による“悲哀を掘り起こす名曲”の誕生秘話をJUJUが語ってくれた。

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――最新作『I』は、JUJUさんが“歌うこと”に向き合うことから生まれた作品だそうですね。間もなくデビュー15周年を迎えるJUJUさんですが、いま改めてそうした想いを抱くきっかけとなった出来事があったのでしょうか?

「音楽って、とても力があるものだと思うんです。普通に話しても聞いてもらえないことが、メロディに言葉をのせることで人の心に届きやすくなるというか。私自身は癒し系の人間ではないと思うんですけど、にもかかわらず、私の曲を聴いてくださった方から、“癒されました”とか、“この曲を聴いたら恋がしたくなりました”などと言っていただくことが、本当に多かったんです。そういう声を聞くと、私自身も歌うことで救われてるなという想いが年々強くなってきて……。なので、何か具体的なきっかけがあったというよりは、歌によってできることを考える日々を過ごしています」

――今作は、参加しているクリエイター陣だけでなく、サウンド面でも、JUJUさんがこれまで培ってきたもの、この先培っていくものが凝縮されているように感じられたんですが?

「非常に感覚的なものです(笑)。今年でもうデビュー15年目だというのに、“こういうコンセプトのアルバムを作ろう!”って最初からがっちり決めこんで制作に入るというよりは、どのアルバムを作るときも、作るきっかけや軸になる出来事というのは突発的にもやってきますし。それに、1枚作り終えると毎回ヘトヘトになるので、次のアルバムはこのあたりに出そうっていうのが考えられないんです。ただ、JUJUとしてはありがたいことに『Request』シリーズやジャズアルバムがあったり、日本フィルハーモニー交響楽団とのクラシックライブ、ビッグバンドとのジャズライブがあったり……それから、昨年からはスナックのママ業にかまけていて(笑)。気づいたら、オリジナルアルバムを出してないねって。2018年にアルバムを出そうという話は、実は前回のオリジナルアルバムリリースタイミングくらいからしていたんですけど、2月に出そうかとなったのは2017年に入ってからですね」

――普通なら、時間ないぞって焦りそうな感じですけど(笑)。

「いや、まだ時間あるよねって(笑)。そ2月21日発売なのに1月13日までレコーディングしてましたね」

――本当についこの前じゃないですか!でも、そんなスケジュール感とは思えないほど、錚々たるメンバーが参加されていて。

「確かに。小田さんの「あなたがくれたもの」に関しては、この10年くらいいっしょにお仕事をさせていただく中で、“いつか小田さんが作ってくださった曲を歌いたいです”と、ちょっとずつジャブのように言っていたんですよ(笑)。その願いが叶って今回書いていただけることになったんですけど、“歌詞はJUJUがどうぞ”と言われたときはガーン!って」

――この曲では小田さんがピアノを弾いていたり、コーラスを歌われていたり。レコーディングを共にする時間も長かったと思うのですが?

「印象に残り過ぎてることしかないです。小田さんのレコーディングに私がコーラスなどで参加するときって、事前の詳しい情報はなくて、スタジオに行って“今日は4曲のコーラスね”ということもあるんですね。その場で譜面を渡されて、こことこことここ!みたいな。で、私も本当はコーラスになりたかったくらいコーラスが好きなので、わかりましたって言って、1日で全部歌ったりして。そんな感じだったので、結構早く録るのかなと思っていたら、今回の歌録りは3日間もスケジュールをいただいて」

――あれ!? って?

「そう!最初にスケジュールを見たとき、本番は1日で、残り2日は予備日なのかなって思ったんですけど、どうもそうじゃないらしいと。1日目に出来上がったものに対して、その精度を上げるための2日目、そこからさらに精度を上げるための3日目。でも、長時間はやらないっていう」

――それはJUJUさんにとっても意外なことだったんですね。

「そうですね。私自身はふだん、1日で1曲録り終えることが多いので。小田さんの場合、とくに1日目は本当に小田さんが横にいて、その発音はおかしいとか、その言葉の区切り方は違うとか、そこのビブラートはいらないだろうとか、マンツーマンで指導していただきました」

――余談ですが、それとまったく同じ話をスキマスイッチのお二人がしていました。

「あははは!さすが長年の小田塾生。“小田チルドレン”がみんな通る道なんですね」

――でも、すごくいい経験だったんじゃないですか?

「本当にそうでした。私にとっては、小田さんがこんなに長い間音楽界の頂点にいて、オフコース時代からのあのエバーグリーンな歌声をずっと保てている理由に触れさせていただいたというか。小田さんの企業秘密みたいなものを垣間見せていただけた気がします。それに加えて、例えば日本語の発音ひとつとっても、やっぱり小田さんのプロデュース作品だからこそ、小田さんにしか見えていない完成形というものがあって。そこに到達しないとダメっていう厳しさがある。それを小田さんはご自分の曲でも、プロデュースする作品でもきちんと追求されているから、小田さんは小田さんなんだなって思いました。私自身も、今回のレコーディングを通して自分では気づかない間に付いていたクセを発見したりして。日本語の難しさや、日本語の美しい発音、それから、歌うことっていうのを改めて一から考えさせられる体験になったので、とても貴重でありがたい時間でした。小田さんは“なんかいじめてるみたいでイヤなんだけど”って気にしてくださっていましたけどね(笑)」

――また、今作には平井 堅さんが作詞作曲をされた「かわいそうだよね(with HITSUJI)」も収録されています。平井さんがご自身の名義で楽曲を提供されるのは、今回が初ということですが、どういう経緯で決まったんですか?

「平井さんが書いてくださるというのは、本当に急に決まったというか。実は、これまで私たちのチームでは“夢のアルバム会議”みたいなのを開いていたんですね。この方に書いていただきたいね、この方が書いてくれたら最高だねっていうのは、ずいぶん前からあって。ただ、これは机上の空論でしかなくて、実現する可能性は限りなくゼロに近いんですけど。でも、そうやって書いていただきたい方々をずらっと並べている中に、もちろん小田さんの名前もありましたし、平井さんも入っていたんです。そういうドリームアルバムみたいなものを、何かの記念の年に出せたらいいよねっていう話をずっとしていたんですけど、平井さんに関しては、ふだん楽曲を提供なさらない方だったりするし、難しいよねとも話していて。なので、今回も、もともとは平井さんにお願いする予定はなかったんです」

――そうだったんですか。にもかかわらず、ものすごい存在感を放っていますが。

「きっかけは、あるとき仲間たちと飲んでいたんですが、その中に平井さんもいらっしゃって。その日は二人ともたくさん飲んで、しかも、その日の私はすごくやさぐれてて……(笑)」

――JUJUさんに一体何が(笑)。

「そんな私の姿を平井さんが見て、“JUJUってこんなにやさぐれてるんだね。やさぐれ感のでる曲を出せばいいのに”っておっしゃったです。でも、やさぐれてる曲なんてそうそう来ないじゃないですか。そう言ったら平井さん、“そうなの?じゃあ、やさぐれてる曲書いてみようかな”っておっしゃったんですよ。お酒の席での話だったのですが忘れられずダメモトでお願いしてみようってことになったんです。それが11月の終りごろかな……」

――ちょっと待ってください。11月って、昨年の11月ですか!?

「そうです。平井さんご自身が抱えてる締切りもあるし、年末もお忙しくて、そもそもこんなに時間がない中ではおそらく無理ですと。そうですよねって思ってたんですけど、その数日後に、私が別の曲のレコーディングをしていたスタジオに、平井さんから手書きのお手紙と1番だけが入ったデモテープが届いたんです」

(つづく)

取材・文/片貝久美子
写真/Hiroshi Nirei



後編は2月23日(金)公開予定です。







JUJU『I』
2017年2月21日(水)発売
初回生産限定盤/AICL-3489/3490/3,800円(税別)
onenation


JUJU『I』
2017年2月21日(水)発売
通常盤/AICL-3491X/3,000円(税別)
onenation




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