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特集
2017.02.17
スキマスイッチ『re:Action』インタビュー

スキマスイッチによる『re:Action』全曲解説(後編)

大橋卓弥、常田真太郎による『re:Action』全曲解説の後編。本作を通じてスキマスイッチが得た経験、新たな出会い、そして発見した音楽の面白さとは?

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──前編に続いて、スキマスイッチのおふたりにニューアルバム『re:Action』について伺います。さて、8曲目の「晴ときどき曇」は、唯一海外から参加したBENNY SINGS。

常田真太郎「ベニーの周りで1980年代が流行っているらしくて、シンセがキラキラした感じなのにベースがうねってて、スクリッティ・ポリッティみたい(笑)。歌詞もけっこうぶった切っていてびっくりしました」

大橋卓弥「いちおう歌詞の英訳も送ったんですけどね(笑)」

常田「サビも大胆に転調しているし。これを聴いて、自分たちは頭を使いすぎているんじゃないかって、身につまされるところもありました。僕たちは、このメロディーに対してコードはこれだって、アナライズみたいなことをしていますけど、音楽ってもっと自由でいいんじゃないかって」

──9曲目は、2006年の「クリスマスの約束」で小田和正さんと作った楽曲を、小田さんのプロデュースで「君のとなり」として初音源化しました。

常田「印象的だったのは、ありとあらゆる方向で細かく気を配っているということ。この曲で、僕は歌詞を書くことに比重を置いていたんですよ。小田さんは、言葉の端々に“君たちの曲だから”っていうエクスキューズはつけるんですが、“でも、これでいいのか?”って指摘してくれるんです。ここの歌詞はいい感じになったけど、だったらこっちももっといけるんじゃないか?って。全体のクオリティーを上げて、聴いた人が、あれっ?て感じる部分をなくしていくんですよ。本当に細かい。例えば、“この歌詞のフレーズはいい表現だけど、一文字多いんじゃないの?”とか。僕らの場合、じゃあ一音の中に二文字入れてしまおうってなるんですけど。小田さんのプロデュースはやりがいがあったし、何より面白かったですね」

大橋「歌に関してもそうですね。ある程度任せてくれるんですけど、それって最初は自分で探ってみなさいってことなんですよ。そこから、その歌い方は違うんじゃないかとか、ビブラートがちょっと強いんじゃないかとか、ものすごく細かい指摘が入ってくる。もちろん、自分の好きなように歌いなさいというのが根底にあるんですけど」

──先生とか監督に近いですね?

常田「監督に近いですね。褒め方もうまいんです(笑)」

──続いて、真心ブラザーズがプロデュースした「ふれて未来を」。

大橋「この曲だけオケ録りに立ち会ってなくて、レコーディング当日まで聴かせないことで、フレッシュな印象で歌ってほしいってことだったみたいなんですけど……」

常田「聴いた瞬間、真心のふたりがニヤニヤしている姿が浮かびましたね。特にYO-KINGさんの、してやったりな感じが(笑)」

大橋「オケを聴いた瞬間、“どこからこの発想が生まれてきたんですか?”って聞きたくなりましたから(笑)。聞いたら、最初は普通にソウルフルな感じでオケを作っていたそうなんですけど、あんまり面白くなかったらしくて。それで、最終的にYO-KINGさんが、伊藤大地くんに“ボーカルがむちゃくちゃ歌いにくいドラムを叩いてくれ”って言ったらしいんですよ」

──確かに、ずっと不規則なリズムを刻んでいますね(笑)。

大橋「そのオーダーって、どういう感覚なんだろうって(笑)。あと、歌入れは3回で終わりました。YO-KINGさんが、“この曲は、通りすがりにマイクがあったから、歌って、そのまま通りすぎるぐらいがいいんだ”って。だから、この曲は音楽をきれいに作っていくっていう概念とはまったく違うっていうか、こういう楽しみ方もあるでしょ?っていうことを、あらためて教えてもらった感覚です。僕も、きれいに歌おうなんて感覚だと、このオケについていけないと思ったので、とにかく自由に、どうにか通りすがりの感じを出そうって」

──RHYMESTERが手がけた「ゴールデンタイムラバー」では、スキマスイッチの楽曲にラップが乗るという。

大橋「これはもう、僕たちのファンはびっくりするでしょうね。もともとRHYMESTERを聴くきっかけは、ある人に“ジャンルは違うけど、16分(音符)に言葉を乗せていく感覚がスキマスイッチと似たところがあるから、きっと面白いよ”って言われたからなんです。それでRHYMESTERのライブを見に行ったんですけど、なるほどって。すごく僭越なんですけど、自分が思い描いている、音楽に言葉を乗せていく、遊んでいく、転がしていく感覚に、何か共通点があるなって」

常田「2番のAメロをラップにするなんて、そんな発想は僕らにはないし、ラップを録っていく現場も見られたのも貴重な経験でしたね」

大橋「ものすごく感動して、僕の歌はもういらないんじゃないかって思ったぐらいです」

──「冬の口笛」は、SPECIAL OTHERSのプロデュースならではのライブ感と、リラックスした空気感が印象的な仕上がりです。

大橋「スペアザは、フェスで見て好きになったんですよ」

常田「僕は、卓弥から教えてもらって聴いて好きになりましたね」

大橋「スペアザは、インストバンドでボーカリストはいないんですけど、サウンドの中に歌があると思うんですよね。だから、そのサウンドに僕の歌が融合した時に、絶対にいい化学反応が起こるだろうなって」

──最後の「回奏パズル」では、KANさんが20曲以上もスキマスイッチの曲を使って、まったく新しい1曲に仕上げています。

常田「半年以上かけて仕上げていただいたんですけど、ただのメドレーでもダイジェストでもないクオリティーには、ただ口を開けるしかなかったですね」

大橋「まったくその通りです。KANさんには、僕らのすべての曲を素材として考えて、新曲を作ってもらいたいんですっていうお願いをしたんですけど」

常田「違う曲がつながってイントロになっていたりとか、本当にびっくりしましたね」

大橋「だから僕も、まったく新しい曲だと捉え直して歌いました」

──さて、おふたりに『re:Action』の全曲解説をしていただいたわけですが、この作品を作り終えて、あらためて音楽の面白さに気づいたり、新しい発見もあったんじゃないかと思います。

常田「アルバムを作り終えて、今回プロデュースをお願いしたみなさんが、唯一無二の音を持っているということを、あらためて実感しました。だからこそ、自分たちもそうでなければならないということは、すごく感じましたね。同時に、だとしても、自分たちはそこまでのレベルにあるのかっていう自問自答もありました。そういう気持ちも含め、『re:Action』での経験を、これからに生かして、今後の作品の中で思いきり表現していきたいなって思っています」

大橋「自信にもなりましたし、勉強にもなりましたし、新しい出会いもありましたし、シンタくんが言ったように、新しい作品では、この経験を生かしていけるように。あと、この先、中途半端なことをやっていると、今回参加してくださったみなさんに申し訳ないという気持ちも生まれました。勝手に、少しだけみなさんの力を背負った感覚になっているというか……なので、その感覚っていうのは、新曲を作る上での意識改革につながると思いますね」

──大きな経験になったんですね。

大橋「僕らが伝えたいのは、“音楽って、面白いんです”っていうことなんです。今回みたいに、すでに完成させた曲を別のアーティストがプロデュースしたら、こんなにも変化して、まったく違う魅力が生まれるっていうことも、音楽の面白さのひとつだと思いますし、リスナーのみなさんには、そうした音楽の面白さを楽しんでもらえたらうれしいです。新曲を聴くのとはまた違う楽しみ方ができる作品になったと思うので」

──そして4月からは、今回のアルバムに参加したアーティストたちと対バンする「スキマスイッチTOUR 2017“re:Action”」もスタートします。

常田「内容に関してはこれから詰めていくんですが、その時にならないと何が起こるかわからない感じにはしていきたいので、楽しみにしていてほしいです。何が起こっても、僕らもリアクションして、ファンにもリアクションしてもらって、お互いに反応しあえるライブにしたいなって思っています」



(おわり)

取材・文/大久保則和



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