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2019.12.26

むぎ(猫)「ねっこほって e.p.」インタビュー――むぎが木琴の前に立ってる姿ってすごくハッピーだと思いませんか?

名前はむぎ(猫)、読みは“むぎかっこねこ”、職業はミュージシャンである……というわけで「encore」初登場のむぎ(猫)ですが、「ねっこほって e.p.」のセルフライナー的インタビューとともに心癒される撮りおろしフォトをお届けします。

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――だいぶ前ですが、3月の「ビクターロック祭り2019」のオープニングアクトではニッパーくんと共演してましたよね。なんというか、事務所の先輩にはねずみもいますし、にぎやかですね。

「はい。むぎのステージではニッパーくんに踊ってもらいましたし、キュウソネコカミ先輩のステージではむぎが踊ったり。バンド名は“猫噛み”ですけど、ほんと頼もしい先輩です」

――ロック祭りが3月16日で、むぎ(猫)さんは、その直後の3月20日にメジャーデビューしたわけですが、快進撃の2019年だったと言っていいんじゃないですか?

「ありがとうございます。でも自分ではあまりそういう実感はなくて、デビュー前と後ではやっていることも変わりありませんし。週末は沖縄を飛び出して、ライブをやってまた帰るという繰り返しですね。確かに行ったり来たりの回数は増えましたけど。でもツアーやイベントが増えたってことは、むぎのことを知ってくれた人も増えたってことですからありがたいことですよ」

――その忙しい合い間を縫って作ったのが「ねっこほって e.p.」ということですね。

「そうですね。こうやって完成した音源を聴いてみると、なかなかバラエティに富んだ作品ができたなあって思いますし、なによりも、猫繋がりでNHK Eテレの「ねこねこ日本史」エンディングテーマにというお話もいただいたので、すごく気合が入りましたね」

――と、いうことは、「ねっこほって」は「ねこねこ日本史」のための書き下ろしということですね。

「はい。だから歌詞の内容も、日本史を勉強するように、自分たちのルーツを探るという意味で“根っこを掘って”っていうメッセージになってます。そうやって子どもたちが歴史を紐解いてゆくと、“こういう道を辿っていまの日本ができあがったんだな”って感じてくれると思うんです。で、最後の“キになる ミになる キミになる”っていう一行に“そういう歴史の積み重ねがあって、君がいるんだよ”という気持ちを込めました」

――そのフレーズはもちろんですが、「あ、うん」と「阿吽」、「カモン」と「家紋」、「ヒーロー」と「緋色」っていう言葉遊びのセンスが素敵です。

「その言葉を見つけ出すのにすごく苦労しましたから(笑)。“木に生る”と“気になる”、“実になる”と“身になる”もそうですけど、苦労した分、手応えもありますね。“最後の一行、決まったぜ!”って(笑)」





――ははは!自信のほどが覗えますよ。で、リード曲以外にも触りどころ満載なんですが、個人的には「ミラクルバウムクーヘンアドベンチャー feat. DJみそしるとMCごはん」が楽しくって。このコラボはどういった経緯で実現したんですか?

「おみそはんとはですね、2018年のRISING SUN ROCK FESTIVALで共演させてもらったんですけど、そのときにおみそはんが“むぎちゃんのこと前から知ってるし、いっしょに何かやりたいなってずっと思ってたんだよ”って言ってくれてすごくうれしかったんですよ。だから今回、むぎの方から“コラボ、お願いします”ってお声がけしました。最初、むぎが“Aメロの歌いだしはこうで、サビはこんな感じだよって大ワクのイメージを作って、おみそはんのパートを考えてね”ってデモを渡しました。そういうやりとりを何回か繰り返して完成したって感じです」

――なんだかそのやりとり自体がすごく楽しそうですね。

「うんうん、すごく楽しかったなあ!返ってきた曲からおみそはんの持っているパワーを感じたというか、“やっぱりすごいな!”って思いましたね。むぎの曲のなかに、おみそはんワールドができあがっていて、それがちゃんと曲と一体化しているんですよ」

――すごく情報量が多い曲ですよね。

「そうなんですよ。ただただバウムクーヘンが大好きっていう、それだけの歌なんですけど(笑)。こんなにも愛すべきお菓子なんだなってことですね。むぎは天国から帰るときに、天使の輪のバウムクーヘンを付けてたし、おみそはんは、いつも食べ物の歌を作ってるから、じゃあ、むぎがおみそはんにテーマを提案するとしたらバウムクーヘンだなって」

――そこからの“ランドルト感”っていう跳躍力がすごい!

「ふふふ……バウムクーヘンをこう、かじったときにCに見えるぞ!って。でね、お店であれにしようかな?これにしようかな?って迷ってるのが視力検査みたいじゃないですか。“これってランドルト環感があるなあ”って思ったんですけど、“環感っていうのもちょっと……”とも思って、環と感をかけて“ランドルト感”にして、そういう歌詞カードを見ないとわからない仕掛けも残しました」

――確かに歌詞カードを見て“なるほどね!”って感心しちゃいました。

「よかったです!そこに気が付いてもらえて(笑)。いまの時代、歌詞カードってあまり読まれなくなっちゃったのかもしれないけど、そういう言葉遊びというか、仕掛けをひとつ入れておくと、CDとして手元に持っている楽しさになるじゃないですか」





――そしてそして、いままさに世はクリスマス一色ですが、「クリスマスに何します?」も入っていて。

「この曲に関しては、ぱっ!と降りてきたんですけど、メロディと詞を同時進行で考えて、2時間くらいでできあがりました。すぐにできあがったのは“クリスマスだからって特別なことをしなくてもいいよ”って、むぎがふだんから感じていることだからかもしれないですね。逆に「My Favorite Towel」なんかは、“ぼさぼさのバスタオル”っていうタイトルでボサノヴァっていうアイデア自体は前からあって、ずっと温めていた曲ですね」

――心理学的に言う“安心毛布”ですね。「ふわふわすぎてもガサガサも」のくだりは誰もが思うところですし。

「ですよね!やっぱりみんなタオルにはこだわりがあるじゃないですか。むぎはぼさぼさが好きですけど、ふわふわが好きな人もいるでしょうし、好みは人それぞれで。そこは人間も猫もいっしょかなと(笑)。そういう価値観の違いを認め合える世の中って素敵じゃないですか。だから好きなものは好きって大声で叫びたい」

――うーん、ふわっとした曲調ですが、思っていたよりも強い主張があったんですね。

「そう、さらっとしたボサノヴァ調の曲だなって思ったでしょ(笑)。でも思いは結構強いんですよ。」

――ラストの「三億年後に会いましょう」ですが、あれですね、猫の名前の、あの大先輩バンドへのオマージュということでしょうか?

「はい、大好きなたま先輩の「さよなら人類」へのアンサーソングじゃないですけど、エピソードゼロっていうか……」

――ゼロ?ああ、三億年前にバックデートしてるってことですね。前日譚という意味で。

「そうですそうです。なぜ人類はさよならして、木星を目指すことになったんだろう……っていう歌です。その理由を考えていたらああいう激しい青春パンクっぽい曲になりました。地球に残された側のむぎたち動物からすると、“発射のボタンは僕が押すのさ”っていう言葉に怒りとかせつなさがあると思うので」

――映画『ブレード・ランナー』のディストピアな世界観にも通じますよね。

「もちろんストレートにさよならソングとして聴いてもらってもいいんですけど、本来的にはSFなんですよ。未来への、人類への警鐘を鳴らすっていうか、“みんな本当は地球にさよならなんかしたくないよね?”っていう歌になりました」





――EPを通して聴くと、5曲の振り幅というかバラエティ感がすごい!

「ボサノヴァだったり、パンクだったり、ラップだったり、幅は広いですけど、根本的な部分は繋がっていると思いますし、トータルで見るとポップミュージックなので、たとえば「ねこねこ日本史」でむぎを初めて知ったっていう人が聴いても楽しんでもらえるEPになったかなと思います」

――そういえば、制作は基本、宅録ということですが、ゆうさくちゃんとの共同作業ですか?

「作詞作曲はむぎがやってますけど、レコーディングは共同作業です。むぎはピアノとかギターは弾けないのでゆうさくちゃんが弾いてくれてます。木琴は、ゆうさくちゃんが得意だったのもあって、教えてもらってむぎも弾けるようになりました。自分で言うのもあれですけど、むぎが木琴の前に立ってる姿ってかわいいし、すごくハッピーだと思いませんか?」

――思います。あれでむぎっていうアーティストのビジュアルが完成しているって。

「ですよね。むぎも、木琴の前に立つとすごく安心します。ぴたっとハマったような気がして。いやー、カイヌシが木琴得意な人でよかったな(笑)」

――ちなみに曲は籠って書くタイプですか?それとも閃いちゃうタイプ?

「両方かな。さあ書くぞ!って籠るときもあるし、あとはお風呂に入れてもらってるときに“あっ!”って閃いちゃうことが多いですね。あの、むぎは猫にしてはめずらしく、天国に行く前からお風呂とか水が好きだったんです。だからバスタオルも大好きなんですね(笑)」

――ゆうさくちゃんとの出会いがあって、音楽との出会いがあって、お気に入りのバスタオルがあって幸せですね(笑)。さてさて、来年2月からは全国ツアー「むぎ(猫) Wonder Nyander Tour 2020~そっちいってねっこほって~」があります。

「2019年のツアーが9ヵ所11公演だったんですが、2020年のツアーはいまのところ13ヵ所15公演で、金沢、岡山、神戸とか初めて行く会場があるのでそこでどんな出会いがあるのかすごく楽しみです。ちなみにツアー初日の金沢は2月22日で猫の日なんですよ」

――あー、なるほど!

「金沢はツアーで行くのは初めてですけど、猫の日ってことで、日本中の猫好きの人がむぎの“ハアハア”を聴きに来てくれるといいな」

――CDには“ハアハア”が入ってないですからね(笑)

「そうですよ。あの“ハアハア”がライブ感ってことですから!」

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)
写真/桜井有里



■むぎ(猫) Wonder Nyander Tour 2020~そっちいってねっこほって~
2月22日(土) @金沢21世紀美術館 シアター21
2月24日(月) @誰も知らない劇場(宮城)
2月29日(土) @KYOTO MUSE
3月1日(日) @MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
3月7日(土) @ROOMS(福岡)
3月8日(日) @CRAZYMAMA KINGDOM(岡山)
3月17日(火) @THE BOTTOM LINE NAGOYA
3月19日(木) @日本橋三井ホール(東京)
4月4日(土) @LIVE HOUSE MOD’S(沖縄)
4月10日(金) @札幌市民交流プラザ クリエイティブスタジオ
4月15日(水) @BACK BEAT(広島)
4月17日(金) @DIME(香川)
4月18日(土) @Music Club JANUS(大阪)
※沖縄、大阪は2回まわし公演



むぎ(猫)『ねっこほって e.p.』
2019年12月4日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)/VIZL-1666/5,000円(税別)
通常盤(CD)/VICL-65266/1,600円(税別)
Speedstar




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