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2017.05.22

唾奇×Sweet William『Jasmine』インタビュー

沖縄出身のラッパー、唾奇(つばき)と愛知県出身のトラックメイカー、Sweet William。国際通りでの運命的な出会いをきっかけに、Sweet Williamの『Arte Frasco』やCHICO CARLITO作品での共演を経て、いよいよ唾奇×Sweet William名義のアルバムをリリースする彼らへのインタビューを。

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——まずは自己紹介を。

唾奇「1991年8月4日生まれ。25歳です。出身は沖縄県の那覇です。ラップしてます。唾奇という名前の由来は「ソウルイーター」って漫画の椿ってキャラクターから取ったんですが、そのまま椿だとホストっぽいんで、汚い字面に捩りました」

Sweet William「26歳。出身は愛知県です。主にプロデュースとビートメイクをしています。Sweet Williamは兄につけられました。由来はとくにありません。今は神奈川在住ですが、名古屋のPitch Odd Mansionというレーベルに所属しています」

——ラッパー、ビートメイカーというアートフォームを選んだきっかけは?

唾奇「ダンサーをやってたんですが、外に出るのが嫌になって家でできることをやろうとしてラップし始めました。フリースタイルとかより先にパソコンにマイク直挿しでSkype MicにRecしてましたね」

Will「もともとHIP HOPは大好きで、小さい頃からよく聴いてました。ラップも好きだったけど、鍵盤を触ってたこともあって、高校生くらいから機材に触るようになって、のめり込んで行きました」

——今回、唾奇×Sweet WilliamというWネームで作品をリリースしようと思った理由は?

Will「もともと同じレーベルに所属してることもあって、唾奇とはいっしょに楽曲を作ることが多かったんですよ」

唾奇「“ふたりで一枚作りますか!”ってなりました(笑)。 最近、初めて通しで聴いたんですが、汚いし、ごちゃごちゃしてるけど落ち着く家みたいなイメージでした(笑)」

——『Jasmine』のコンセプトは?

Will「唾奇の現実的なリリックに混ざるようなビートを意識して作ったので、共作としての意味が強い作品になったと思ってます。唾奇が沖縄出身てこともあったので、曲名にも沖縄の地名がついてたりします。唾奇は結構過激なことをリリックで言ったりするんですが、僕の音楽に乗るとまた違う聴こえ方がするので、そこが気に入ってます」

唾奇「生々しいリリックでもWilliamのビートだと重くならないし、それが悪くもならないんです」

——『Jasmine』というタイトルは?

唾奇「僕がいちばん好きなお茶の名前です。香りの王様って意味で、花言葉に、愛想のよさ、愛らしさ、優美ってあるんですが、対極的に、自分に対しての皮肉も込めてます」

Will「さんぴん茶だよね。字面の綺麗な感じは僕も気に入ってて、沖縄を連想させるいい言葉だなと思ってます」

——この盤で思い入れがある曲は?

唾奇「「Good Enough」。制作途中で僕がスランプになって、Williamのビートを3、4曲ボツらせてしまって、全く上手くいかない時期があったんですが、この曲でがらっと雰囲気が変わった。BPMの遅いビートで肩の力抜いてラップして、ここから感覚取り戻してラストの曲までサクサク作れました」

Will「「Made my day」。楽曲の構成をふたりで話しあったり、MVの内容なんかも時間をかけて考えたので。あと「Girl feat. Jinmenusagi」。もともとこの3人で楽曲を作りたいねって話しあってたので本当によかったなって思ってます」

唾奇「あと「道-TAO-」も。もともとSoundCloudに1ヴァースだけリミックスが上がってたんですが、アルバムに入れる最後の編集で原曲にTNGってプロデューサーが使ってたネタが足されてて、WilliamのTNGに対するリスペクトを感じましたね」

——唾奇さんの自然なフロウと現実的なリリックってどうやって生まれてくるんですか?

唾奇「沖縄の家庭環境の話題で、離婚、虐待、育児放棄ってワードを最近よく見るんですが、僕はそれの典型的な例だと思います。両親がいなかった分、叶えられる夢の範囲と、現実の範囲を知るのが早くて(笑)。 でも不幸だとか不自由だとかは感じなかったですよ」

——Williamさんのビートメイクのアプローチは?

Will「まずは自分のメロディーを作るとこから始めることが多いです。ある程度できてきたら、ドラムやリズムを少しづつ足していくような感じ。サンプリングするときもネタ探しに時間をかけることが多いですね」

——楽曲制作はリリックが先?ビートが先?

唾奇「僕がリリックを書いてフリーの音源に乗せてWilliamに送って、組み直してもらったり、Williamが先にビートを作って、僕がラップを乗せるアプローチもあります」

——ふだんHIP HOPを聴かない人にも刺さる作品になっていますね。

唾奇「HIP HOPを聴かない人に聴いてもらえるのが何より嬉しいです。海外だとセンスがあればチャートに乗っかってCDが売れてってノリかもしれないけど、日本じゃなかなか厳しいかな。だからもっとHIP HOPってジャンルの認知が広まればなって思いますよ」

Will「「Good enough」や「Made my day」なんかは聴きやすいし、車の中とかいろんな場所、いろんな人と聴いてほしいです」

——“音楽で食う”というリリックがとても印象的です。

唾奇「KANDYTOWNのIOとYOUNG JUJUと作った「Same As」(BCDMGの2016年作品『Fact Of Life』に収録)って曲があるんですが、“一生売れないだろ、お前”ってリリックを書いたとき、俺は音楽で飯食おうってなりました。何やるにも中途半端だったので、これでダメならこの先もダメですね」

——ここ数年で日本語ラップというジャンルが定着した感がありますが、シーンの盛り上がりをどう感じていますか?

唾奇「すごくいいことだと思いますよ。入り口はかなり広くなったと思うので、自分が好きにやれてるならそれでいいと思うし。アプローチかけるなら今だなって明確に思ってます。僕は、HIP HOPに限らず色んなジャンルの人とやりたいです」

——尊敬するアーティストはいますか?

唾奇「amazarashiってバンドをCHICO CARLITOに教えてもらったんですが、すごくリリカルで大好きです」

Will「好きだったのはSpecificsのThink Twiceというプロデューサーです。昔から彼の音楽を聴いていましたね。いつか会えたらなって思ってます」

——おふたりのルーツミュージックは?

唾奇「キングギドラの「公開処刑 KARANG Remix feat.BOY-KEN,TURBULENCE」と「トビスギ〜Don’t Do It〜(DJ YUTAKA Remix)」はいちばん最初に認識したHIP HOPです。アルバムレンタルしてカセットテープのウォークマンで聴いてました」

Will「キリンジとCymbalsが大好きでした。ルーツという意味では、小さいころやっていた「ビートマニア」というゲームもそうです」

——Jinmenusagi、kiki vivi lilyとのファーストコンタクトは?

唾奇「ジメサギは、3、4年くらい前に、Pitch Odd Mansion代表の國枝真太朗の家で会って、そっから仲良くやらせてもらってます。知り合う前からずっと好きだったアーティストです。kiki vivi lilyは、Williamの紹介なんですが、いっしょに曲やってからもっと好きになりました。彼女のアルバムもめちゃくちゃおすすめです」

——今後の活動予定とちょっと先の未来について聞かせてください。

唾奇「年内にもう1枚出せたらいいなって思ってます。それとアニメの主題歌とかやりたいですね(笑)。あ、5月28日(日)にManhattan Records渋谷店でインストアライブやるので遊びにきてください」

Will「ライブ活動とプロデュースをメインにやっていきます。映画やCMの音楽もいつかやってみたいと思ってます。年内にいくつか作品を出す予定がありますのでチェックしてもらえるとうれしいです」

(おわり)

取材・文/encore編集部



唾奇×Sweet William『Jasmine』
2017年4月19日(水)発売
LEXCD-17008/2,300円(税別)
MANHATTAN RECORDINGS


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