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2017.05.17

奥 華子『遥か遠くに見えていた今日』インタビュー――誰かが共感してくれて、感動してくれるから

昨年のメジャー10周年を経て新たなスタートを切った奥 華子。路上ライブにまつわるエピソード、キャリアのターニングポイントを刻んだ『時をかける少女』主題歌の「ガーネット」、そしてファンの間でも長らく望まれていた「Rainy day」の音源化など、最新作『遥か遠くに見えていた今日』についてのインタビュー。

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――奥 華子さんはencore初登場ということで、まずはデビューまでの経緯からお聞きします。奥さんといえば、やはり路上ライブが有名ですが、そもそも路上ライブを始めたきっかけは?

「それまではライブハウスで歌っていたんですけど、なかなかお客さんが増えず、芽も出なかったんですね。そんなときに今の事務所の社長と出会ったんですよ。当時、自分としては自信満々だったんですけど、社長は“本当にすごいんだったら、とっくに売れてるよ”と(笑)。その言葉を聞いて、私自身、確かにそうだなと思ったので、そこから心を入れ替えて、路上ライブに挑戦してみようとに思ったんです。それが2004年。まずは、とにかく目の前の人の足を止めようという思いから始まって、自主制作のCDを手売りしたり、このまま一生路上ライブで歌おうかと思うまでになりました」

――それは手応えがあったからですか?

「そうなんです。全く私のことを知らない人が足を止めて曲を聴いて、涙を流してくれたりもする。その光景を見て、生きている実感をすごく感じたんです。だから、こんなに楽しいことはないと思ったし、自分が歌う場所はここだ!私は路上ライブのために生まれてきたんだって思ってましたね(笑)」

――路上ライブを経験して、自分の音楽に対する自信も生まれましたか?

「そうですね。でも、以前のような根拠のない自信ではなくて、たぶん目の前でCDが400枚売れるというようなことは、路上ライブでしか体験できないことじゃないですか。漠然としているものではなく、全てが現実に起こっていることだったので、昔とは違う自信がついたんだと思います。だから、私としては、とてもやりがいがあったんですけど、レコード会社の方から声をかけていただいて、今やっていることをいっしょに全国の人に広めたいって言われたんです。その人との出会いも大きかった。この人がそう言ってくれるならと思って、メジャーデビューすることにしたんです」

――メジャーデビューから今日までにターニングポイントになった出来事は?

「やっぱりいちばんは、2006年に映画『時をかける少女』の主題歌「ガーネット」を担当させていただいたことですね。不思議なことに、公開から10年以上たった今でも、この映画で奥 華子を知ってくれる方がいるんですよ。毎年若い子が、この映画を観てくれて。だから、この映画の存在はとても大きいです」

――奥さんの場合、CMソングの印象も強いんじゃないかと思いますが?

「CMソング多いよねって、よく言っていただくんですけど、実は10本もやっていないんですよ。ただ、期間が長かったり、印象的に使っていただいたりしますし、何よりCMって、みなさん意外と見ていますからね。だから、例えば関東地方だったら、今、MASTのCMで「プロポーズ」が流れているんですけど、奥 華子は知らなくても、この曲で“ああ、これか!”ってわかってくれる方が多いんです」

――ニューアルバム『遥か遠くに見えていた今日』にも、その「プロポーズ」をはじめ、「キミの花」、「愛という宝物」、「ほのぼの行こう」、「思い出になれ」などタイアップ曲がありますが、タイアップ曲って、先方からの要望を聞いて書き下すんですか?

「そうですね。この中では「思い出になれ」以外は、オファーをいただいた作品に寄せて作っています。実は、何もないところから曲を作るのって、すごく大変なんですよ。自信満々だった頃はそうでもなかったんですけど、今は、なかなかできない。例えばTVアニメ「セイレン」のオープニングテーマの「キミの花」なんかは、台本を読んで、すぐにできました。やっぱりイメージが湧きやすいし、目的がはっきりしているので、答えも出しやすいんです。もちろん言っていることは自分の気持ちや実体験だったりするんですけど、切り口だったり、イメージの膨らみ方は全然違うので、曲を作らせてもらっている気がしますね。だからスタッフさんには、いつも騙してくださいって言ってるんですよ。嘘でもいいから“こんなタイアップがあるよ”って言われたら、そこから作れる気がしますから(笑)」

――『遥か遠くに見えていた今日』は、メジャーデビュー10周年を経て、約1年半ぶりのアルバムです。まさに新たなスタートとなる1枚ですが、このタイトルの意味するところは?

「私には曲のストックというものがないんですよ。だから、最近作ったものばかりがこのアルバムには収められていますし、特にコンセプトがあって作ったわけではないんです。ただ、全ての曲を並べて見たときに、人生って有限なんだなっていうことを実感したんですね。明日とか人生って、なんとなくいつまでもあると思って生きていますけど、本当は限りがあるじゃないですか。もし限りがあるとわかっていたら、もっとあのとき優しくできていたかもしれないって思ったりもするし、生き方も違っていたかもしれない。意識はしていなかったんですけど、改めて見直したとき、すごくそういうことを感じる歌詞が多かった。それで『遥か遠くに見えていた今日』というタイトルにしたんです」

―― 1曲目の「Rainy day」は、奥 華子ファンにとっては待望の音源化です。

「この曲だけが10年以上前に作ったインディーズ時代の曲で、やっとCDに入れることができたんです。自分の中でも大切な曲ですし、今回すごくいいレコーディングができたので、その自信の現れという意味でも1曲目にしました」

――なぜ、今まで音源化しなかったんでしょう?

「一度インディーズでピアノ弾き語りバージョンを出しているんですけど、それを超えるのは難しいと思っていたんです。でも、「最後のキス」というシングルを出したとき、すごく奥 華子を理解してくれる、素敵なミュージシャンたちとレコーディングできたんです。そのとき、この人たちとだったら、すごい「Rainy day」が録れるかもしれないって思ったんです。それで急きょレコーディングしたんですよ。結果、想像以上のものが録れましたし、やっと音源化できたので、とても嬉しいですね」

――「Rainy day」も「最後のキス」もそうですが、奥さんの作品には、全体的にせつない楽曲が多いですよね。

「幸せからは、なかなか学べないというか(笑)、大切なものを失くしたときに気づくことが多いんですよ。それに幸せが大きければ大きいほど、せつなさも大きくなる。だから、単にせつないということだけではなく、いろんなことを歌えるのが失恋ソングだと思っているので、それが好きなのかもしれないですね。だから、何もないところから書くと、どうしても悲しい曲が多くなる。それだけにタイアップでお題をいただいたことで幸せな曲を書けるのが嬉しいんです」

――今回のアルバムには新曲もたくさん入っていますが、特に思い入れのある曲は?

「最後に入っている「遥か遠くに」という曲は、本当に最後の最後にできた曲なんですよ。とにかく今の自分をさらけ出した曲を作ろうと思った曲なので、今の自分だから感じることを表現できたと思います。今の自分って、ずっと昔は遥か遠くに見えていたんですね。だから、昔の自分は、もっと違う自分を想像していたのかもしれない。それでも一生懸命頑張って生きて来たよなって曲になっています」

――人生の歌ですよね。だから、大人たちはぐっとくるし、励まされると思います。

「ちょっと疲れて、自分は何のために頑張っているんだろうなって思うときとかありますもんね。別に応援ソングとして作ったわけではなく、自分の思いを吐き出しただけなんですけど、やっぱり誰かが共感してくれて、それに感動してくれるから曲が作れるし、歌おうって思えるんですよ。だから、共感してもらえなかったら意味はないなと思っています」

――そして、このアルバムを引っ提げての弾き語りツアーももうすぐ始まりますね。

「弾き語りワンマンライブというのが、いちばん自分を見てもらえるし、表現できる場所なので、すごく大事にしていますね。弾き語りっていうスタイルには、お客さんと私を遮るものが何もない。だから、より近いし、1対1の手紙を渡すようなイメージなんですよ。そういう意味でも、奥 華子の音楽をいちばんしっかり届けられるのは、弾き語りなんじゃないかと思っています」

(おわり)

取材・文/高橋栄理子



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