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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN



[section heading="ゲストスピーカー"]

比嘉瑞希(ひが みずき)
セレクトショップ「voyage」オーナー。1986年7月17日生まれ、沖縄県出身。タカラモードカレッジ(タカラアイル)で縫製やセコリのパターンを学びながら、高級婦人服の縫製を行う。帰郷後、ジュネのアトリエに勤務し、縫製、工程分析などを担当。プラザハウス(ロジャース)でインポートランジェリーや子供服を販売。2013年から1年間、フランス留学中に「golem(ゴーレム)」でスタージュを経験。帰国後、LEQUIOにて販売。15年にインポートセレクトショップ「voyage」を開店。19年にオリジナルアイテムを販売。

[section heading="モデレーター"]

久保雅裕(くぼ まさひろ)
ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。



[section heading="実践で叩き込まれた技術が糧に"]

──ファッションの道へ進もうと思ったきっかけは?

「ファッションは幼い頃から好きでした。進学した高校に新体操部があって"レオタードが着たい"という理由で入部。レオタードの衣装デザインやスパンコールを付けたりする作業をする中で、ファッションへの興味が増しました。部活を引退してからはファッションコンテストに応募して、衣装を制作して思うようにいかず、縫製の勉強をしたいと思うようになりました」

──具体的に動き出した訳ですね

「高校卒業後に、縫製の高度な技術を学びたいと思い、仕事をしながら学べるタカラモードカレッジという縫製専門の学校に進学・就職しました。寮生活で、とても厳しい環境でしたが何十万円もする洋服を作るラインに入っていると思うと、とてもワクワクしました。縫製以外にセコリのパターンや洋服が出来上がってからの納品作業も学べました。帰郷後、縫製工場に就職。工程分析などの業務にも取りかかりました」

[section heading="何の根拠も無く受かると思っていた「シャネル」に裏切られ"]

──次のステップとして、フランス行きというのも大きな決断ですね

「フランス留学を現実的に考えたのはこの頃からで、20歳にフランスに一人旅をしました。その時、シャネルのアトリエのドキュメンタリー映画『サイン・シャネル』に影響を受けて、日本と海外の縫製の違い(裏地のキセ、バストポイントの違い、上針の細かさ)などを、もっと勉強したいと思いました。そして、接客業を3年間学んだ後、26歳の時に念願のフランス留学の夢を叶えました。最初にニースで4ヶ月、語学学校に通いながら、レストランでサービス業を経験。"ファッションの勉強をしなきゃ"と少し焦っていましたが、このニースでの体験がのちに大きなヒントとなりました。パリに到着後、直ぐに憧れだったカンボン通りシャネル本店へ行き、履歴書を提出しました。数日後、お洒落な封筒に入った不合格通知書。根拠も無く受かると思っていたので、とてもショックを受けたのを覚えています(笑)」

──フランスでの経験で何を学びましたか?

「フランスでは、古きものを大切にしている文化や自分達が築いてきたものの誇りを学びました。毎週土日は、蚤の市に行ってインスピレーションを得ていましたし、公園やベンチで、読書をしたり友人達と乾杯したり、ナチュラルに遊んでいる姿が新鮮で感動したのを覚えています。同じ沖縄出身の前濱さんのブランド"golem(ゴーレム)"のアトリエで約8ヶ月、スタージュとして勉強させていただいた時は、繊細な素材が多かったので細かい手縫い技術を学びました」

[section heading="焼けた肌にリネンの心地良い服を"]

──ヴォヤージュを開こうと思ったのは?

「縫製の仕事をずっと続けていこうと思っていましたが、フランスから帰国後、徐々にお店を開きたいと思うようになりました。それまで出会ってきた方々の影響が大きいです。特に、今の取引先の社長との出会いが大きなきっかけとなりました。現在は欧州のインポートが9割で、30ブランド程を扱っています。主力はフランスの"Deux Places(ドゥプラース)"、"cop.copine(コップ・コピーヌ)"、"Rene Derty(レネ・ダーティ)"やイタリアの"Miss Miss(ミスミス)"などのウェア、スペインシューズの"misiita(ミシイタ)"、日本のアクセサリー"NANAKO TSUCHIYA(ナナコツチヤ)"などです」

──オリジナルを作ろうと思ったのは何故?

「四季がほとんど感じられない沖縄で生まれ育った私は、クラシックな装いが好きで、暑い日でも我慢してジャケットを羽織ったり、ロングワンピースを着ていました。そんな中、ニースをはじめとした南フランスで見た景色と人々が大きなヒントとなりました。焼けた肌にゴールドのアクセサリーを身に纏い、白いブラウスを羽織るスタイルがとても自然で、"沖縄の気候を考えると、とても合うのでは"と思ったのです。それでオフホワイトや生成りをベースに色展開した肌触りの良いリネン×レーヨンのアイテムを作りました。さらに今年はグレー、ベージュ、ライトブラウン、ブラウン、レッド、ネイビー、ブラックの8色展開でプリーツシャツを作りました。クラッシックなデザインで風通しの良い素材のブラウス4色、ジャケット3色、パンツ3色も展開しています。私が実際欲しかったものばかりを作りました。リネンは、ほつれやすい素材の為、縫い代は袋縫いやパイピング始末。何十年経っても、状態が良いようにと想いを込めました。ちょっとしたことだけど大切にしたいんです。シャツのプリーツも自分で縫っているのですが、地道な作業が本当に楽しいんです」

──サンダルもオリジナルですね

「オリジナルのサンダルは、実は想定外なんです(笑)。なんと言うか、昨年初めてオリジナルを展開して、すぐにサンダルとは夢のまた夢でした。フランス在住の共通の友達からシューズデザイナーの赤嶺勤さんを紹介いただき展開することになりました。彼の知識や今までの経験を聞きながらのオリジナルの展開は楽しかったです」

──これからのヴォヤージュ、どうしていきたいですか?

「これからは更に、お客様との関係を親密にしたいですね。今、どういったアイテムを持っているのか、どんな服を求めているのか、コンプレックスに思っているところは、など細かく記憶することによって、より安心してお買い物ができるようにしたいです。路面店ならではの良さを、いまだからこそ求められているように感じます。またオリジナルの展開は毎シーズンしていきたいですね」



ファサード

無機質で落ち着いた店内

オリジナルプリーツシャツ(ネイビー)

オリジナルブラウス(レッド)

オリジナルサマージャケット

オリジナルパンツ

シューズデザイナー・赤嶺さん監修のオリジナルサンダル

コップ・コピーヌ

ナナコツチヤ

ミシイタ



[section heading="ショップデータ"]

住所:沖縄県宜野湾市喜友名1-31-1(101)
TEL:098-988-8273
営業時間 11:00~20:00 水曜定休

(おわり)

取材・文/久保雅裕
写真/voyage提供





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