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2015.12.10

『中島みゆき 夜会VOL.18 「橋の下のアルカディア」 -劇場版-』は世界に例のない究極の舞台表現

2016年2月20日、劇場版として上映される中島みゆきの『夜会VOL.18「橋の下のアルカディア」』。彼女にとって「夜会」とは何か? 音楽評論家の田家秀樹氏に本作の見どころと併せて聞きました。

中島みゆきが89年から始めている「夜会」は、きっと世界に例のない舞台表現だと思う。
ひとりのアーテイストが、原作や脚本はもとより、作詞・作曲・主演するだけでなく、舞台の美術、衣装に小道具、更に演出まで関わっている。会場も通常のコンサートホールではない。火や水なども使用可能な空間で一カ月近くロングランされるのである。
スタートした時には、そこまでの規模にはなっていなかった。使われていたキャッチフレーズも“言葉の実験劇場”であり“みゆきの歌に手が届く”だった。
すでに世の中に出ている曲を違う文脈の中に置いてみるとどうなるか。特にシンガーソングライターの書く歌は、アーテイスト自身の日常や人格と重ね合わせて聴かれることが多い。そんな風に聴かれている歌を既成のイメージから解放する。そして、新しい光を当ててゆく。一回目の「夜会」は“実験的なコンサート”という印象だった。

中島みゆきは、自分の創作のエネルギーについて、こう言っていたことがある。
「ひとつのことをやると、それに付随してやり残したことややってみたいことが次々と出てくる。時間がいくらあっても足りないんです」

「夜会」はまさにその象徴的な例だ。日本や海外の故事や古典を下地にした物語が生まれ、それが書き下ろしの物語になる。それにともなって音楽も全て書き下ろしの新曲になる。今の「夜会」のような形になったのが95年の『夜会VOL. 7「2/2」』からだ。“二重人格”という主人公の生い立ちの秘密を明かす恋人と繰り広げる心理ミステリーのような物語は、映画や小説にもなった。

去年上演された『夜会VOL.18「橋の下のアルカディア」』は、回を重ねるごとに新機軸を打ち出し、進化を遂げてきた18回の中でも重要な意味を持つエポックメイキングな作品である。これまでのどの作品とも違う。
ひとつはそのスタイルにある。使われている曲の数は何と46曲。過去最多であることは言うまでもない。しかも、従来の作品に比べて圧倒的に歌、音楽への比重が高い。台詞に頼ることなく、ほぼ全編が歌で進行する。まさに“中島みゆきミュージカル”の域に到達している。

そんな過去最多の書き下ろし曲を歌うのは中島みゆきだけではない。シンガーソングライターの中村 中と“声音人”石田匠が参加している。それぞれが重要な人物としてストーリーを担い、中島みゆきと互角に渡り合いつつ歌を聴かせる。このふたりの参加によって、彼女ひとりでは表現しきれなかった人物模様の描写が可能になった。お互いの本気度が相乗効果になって迫真、鬼気迫る舞台を作り出している。

これまでのどの作品とも違う、と書いた。
確かに、上演の形態はどの作品とも違う。
でも、流れているテーマは彼女のデビュー以来の音楽作品に一貫している視線と何ら変わりはない。
日の当たらない場所で報われることなく生きている名もなき人、思うような結果を残せずに身の不運を嘆いている人、信頼する人に裏切られ、見捨てられようとしている人、そんな人たちに対しての慈愛に満ちた転生と救済へのエールだ。まだ終わりじゃないからね、まだ先があるから負けないでね。そんなメッセージが全編を貫いている。

「今回のテーマは「捨てる」なんです」――。
彼女は『夜会VOL.18「橋の下のアルカディア」』の稽古中にそんな話をしてくれた。
舞台は現代。近代化から見捨てられたような地下街に暮らす占い師(中島みゆき)とバーの代理ママ(中村 中)とガードマン(石田匠)。その場所は数百年前、多発する水害のために“暴れ川”と呼ばれる川だった。人身御供のために人柱が選ばれ、水の中に沈められる。その夫婦の生まれ変わりが中島みゆきと石田匠であり、無理矢理引き離された愛猫が中村 中だった。
時が流れ、お互いの過去を知らぬまま三人が暮らす地下街が再び放水路として水没することになる。見捨てられた三人は、果たして生き延びることが出来るのか。

彼女が自分の中の演出プランをスタッフに話した時、ベテランの舞台美術家が「再現不能な箇所が三ヶ所ある」と言ったそうだ。それを乗り越えて上演されたのが、今回劇場公開される舞台である。想像を超えたフィナーレは、日本の演劇史上に残るのではないだろうか。

中島みゆきの作品が劇場で公開されるのは六作目だ。「夜会」は、『夜会VOL. 17「2/2」』に次ぐ。占い師に扮した中島みゆきの衣装や小道具、指の先までが演技しているような歌の表情、それぞれの動き。そして物語を決定づける舞台のディテールまでが、客席よりも遙かに劇的に見える。まさにカメラワークの勝利だろう。

大画面・大音量で見て聴く中島みゆき。彼女がカリスマと言われるのが何故なのか、「夜会」とは何なのか。今チケットが最も取れない舞台と言われる理由はどこにあるのか。その全ての答えがここにある。

文/田家秀樹

『中島みゆき 夜会VOL.18 「橋の下のアルカディア」 -劇場版-』の予告編はこちらから

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<公開情報>
『中島みゆき 夜会VOL.18 「橋の下のアルカディア」 -劇場版-』
過去最多46曲、6年ぶりの新作書き下ろし「夜会」最新作が映画館の大スクリーンに甦る!
2016年2月20日(土)新宿ピカデリー&丸の内ピカデリーほか、全国ロードショー
配給:ローソンHMVエンタテイメント
協力:株式会社ヤマハミュージックパブリッシング・株式会社ヤマハミュージックアーティスト
http://yakai-movie.jp/
©2014 YAMAHA MUSIC PUBLISHING,INC.


【プレゼント】
『中島みゆき 夜会VOL.18 「橋の下のアルカディア」 -劇場版-』のチケットを2組4名様にプレゼント

夜会VOL.18-劇場版-

<応募期間>
2015年12月10日(AM10:00)から2016年1月12日(AM10:00)まで
※プレゼントの受付は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。

<当選発表>
応募期間終了後、当選者にのみtwitterのDMでご連絡します
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