この日の登壇者は『宇宙戦艦ヤマト2199』シリーズの音楽を担当した宮川彬良さんとアニメ・特撮研究家で明治大学大学院客員教授の氷川竜介さん。上映されたのは『宇宙戦艦ヤマト2199コンサート2015』から「追憶の航海編」。

上映前のあいさつで宮川さんは、初のフィルムコンサートであること、TVなどの出演作品はほとんど見直すことはないないそうだが「『コンサート2015』」はCDで聴き直しても素晴らしかった。(CDとこれから見てもらう映像合わせ)これで歴史に残る形になった。どの楽器が演奏しているのかが分かるようになっていて、映像としても素晴らしい」と絶賛。 氷川さんは「(こういったコンサートを)41年間心待ちにしていました。しかも(実際に劇判を演奏した方による)オリジナルの状態で聴けたことに感謝を述べたいです」と、最も長くヤマトを知るファンのひとりとして感慨に浸っていた。

上映終了後、次のプログラム「ヤマトーク」で再登壇したふたりは「5.1chサラウンドシステムによる臨場感はかなり高い」と揃って絶賛。今回上映された素材が、12月24日に発売されるBlu-ray Discだと明かされると、その映像美に客席からは驚きの声が上がっていた。

演奏曲は宮川さんと音響監督の吉田知弘さんが中心となってセレクト。初心者にも楽しめるように映像を加えたが、「ヤマト」には名場面があまりにも多いため挙げはじめるときりがなく、「音楽を聴かせるコンサート」という基本コンセプトから外れないよう、そのバランスに注意したこと。ほかにも1曲目を「銀河航路BG」にした理由、ナレーションを森雪役の桑島法子さんにお願いした結果「図らずも、次世代へ伝えていこうという姿勢が出た」ことで、このコンサートが『宇宙戦艦ヤマト2199』が内包するテーマとシンクロしたことなど、初めて聞く話題も数多くあった。

トーク終盤にはふたつのサプライズが待っていた。 氷川さんが用意していたのは秘蔵音源。それは『宇宙戦艦ヤマト』のサウンドトラック、交響組曲さえ発売されていなかった時、氷川さんが制作現場にお邪魔した際に、スタッフにお願いしてダビングさせてもらったマスターテープのコピーだった。これから何を演奏するのかを告げ、「1、2、3」とカウントする宮川泰さんの声が流されると、息子である宮川彬良さんも「親父と似ているね」と笑い、思わぬ親子共演に来場者の多くが笑顔を浮かべていた。そして最後のあいさつの直前、宮川さんは鍵盤ハーモニカを手に壇上を降りると「宇宙戦艦ヤマト」を演奏。映画館をまるでコンサート会場のような雰囲気に変え、初のフィルムコンサートは幕を下ろした。

宇宙戦艦ヤマト2199コンサート2015

(c)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
(c)西﨑義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会

宇宙戦艦ヤマト2199コンサート2015

(c)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
(c)西﨑義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会

宇宙戦艦ヤマト2199コンサート2015

左から司会の小林治氏、宮川彬良氏、氷川竜介氏

宇宙戦艦ヤマト2199 コンサート2015&ヤマト音楽団大式典2012[Blu-ray特別セット]

『宇宙戦艦ヤマト2199 コンサート2015&ヤマト音楽団大式典2012[Blu-ray特別セット]』
12月24日(木)発売
BCXE-1037
13,800円(税別)



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