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照明が落ち、幕が上がる。と、おもむろに歌い始めた。オープナーは「NEW ERA」。いつものように飄々と軽やかなステップを踏むJQ。武道館公演ではドラムをプレイして見せてくれたJQだが、この日は、続く「Silent Wonderland」でギターを掻き鳴らし、3000超というキャパから想像するよりもステージとフロアの距離感が近いTOKYO DOME CITY HALLでオーディエンスを沸かせていた。

ギターカッティングが小気味よい「ain't on the map yet」から「It's Who We Are」、らしからぬハードロック調のイントロが印象的だった「Kiss You Back」へという序盤のセットは盛り上がらないはずもなく、バンドメンバーとの他愛もない絡みだったり、客席からの呼びかけに言葉を投げ返すJQの立ち振る舞いにも、バンドとしての一体感とコンディションのよさを感じさせられた。

Nulbarichのライブを見ていていつも思うのは――流麗なグルーヴ感とJQのスムースな歌声のせいで看過しがちなのだけれど――実は、彼らのプレイが、音源やTVから聴こえてくる音よりもずっとエモーショナルだってことだ。たとえば中盤に披露された「On and On」にはTOKYO DOME CITY HALLの、あのバルコニー席が圧し掛かってくるような濃厚なファンクネスがあったし、ダンサブルな「Supersonic」も然り。かたや「JUICE」――そういえば武道館でJQがドラムを叩いたのはこの曲だった――にはブリージンなスムースジャズの香りを漂わせてみたりもする。

しかし、この日のライブでは、鍵盤を前面に押し出しつつも、ときおり派手めなギターソロを織り込んだロックバンド的なサウンドメイキングがとても新鮮だった。それは10公演に及ぶツアーを経て導き出されたスタイルなのかもしれないが、Nulbarichというアーティストがさらに前進しようとする意思のようにも思えた。

ライブ終盤、「もう18とかでもないからさ、人生だいたい想定してたんだけど(笑)。その想定を狂わせてくれたみんなと、この先どう歩んでゆくか、どう向き合おうか考えていて、考えすぎて感謝の言葉も擦り減っちゃってるんだけど、でもちゃんと言っとかなくちゃね……マジでありがとうございます!僕たちは止まらない。走り続けるんで」というMCの言葉を引き継ぐように歌われた「Stop Us Dreaming」でツアーの全日程をフィニッシュしたNulbarich。次なる彼らの目的地は、12月1日、さいたまスーパーアリーナで行われる「Nulbarich ONE MAN LIVE -A STORY-」だ。

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)



■「Nulbarich ONE MAN TOUR 2019 -Blank Envelope-」セットリスト(2019年5月9日@TOKYO DOME CITY HALL)
1. NEW ERA
2. Silent Wonderland
3. VOICE
4. Focus On Me
5. I Bet We’ll Be Beautiful
6. ain't on the map yet
7. It's Who We Are
8. Kiss You Back
9. Sweet and Sour
10. Handcuffed
11. On and On
12. Ring Ring Ring
13. JUICE
14. All to Myself
15. In Your Pocket
16. Almost There
17. Zero Gravity
18. Supersonic
19. Toy Plane
20. Stop Us Dreaming

Photo by 岸田哲平



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2019年2月6日(発売)
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完全生産限定盤B(CD+DVD)/VIZL-1520/5,000円(税別)
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