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特集
2015.06.19
大貫妙子 その音楽、旅、現在地

最新アルバム『Tint』の風景(後編)

「歌手として、新しい自分を発見する機会になりました」。最新アルバム『Tint』につい大貫妙子はそう語る。小松亮太との共同作業を経て大貫妙子が手にしたもの――それは10月から始まる全国ツアーでさらなる華を咲かせ、聴くものを魅了するはずだ。

自分が触れてきていない音楽の中では
歌い方の表情も変わる

アルバム『Tint』について触れる前に、今回大貫妙子と共に今作を作り上げた小松亮太について少し紹介しておこう。14歳から独学でバンドネオンを学んだという小松は、1998年にCDデビューを果たした。2003年にはアルゼンチン演奏家協会から表彰されるなど、国内のみならず海外でも高い評価を獲得。タンゴに詳しくない人でもTBS『THE 世界遺産』のオープニングテーマ曲と言えば、すぐに思い浮かぶ方も多いのでは? 演奏のみならず作曲家としても活躍しており、日本のタンゴ界の若手リーダーとして業界を牽引し続けている注目の存在である。 そんな小松との本プロジェクトに関して、大貫は次のように話す。

「歌手として、新しい自分を発見する機会になりました。というのも、歌を表現するうえでもっと自由に歌ってみたいと考えることがあるんです。でもそのときに自分が背負ってきたサウンド――例えばアメリカを代表する白人音楽をベースにしたようなものの中では表現しきれないことがあって。過去にはフランスだったり、ブラジルやスペインだったり、自分があまり触れてきていない音楽の場に行って仕事をすると、歌い方の表情も変わるんですよね。それと同じようなことが、小松さんと一緒にやることで感じられました。自分の中にあるパッションみたいなものが、今までやってきた音楽の中では出しづらいという感覚は、そうでないジャンルの中で歌うとよりわかるんですね。基本的にタンゴにはドラムとかパーカッションというタイトなリズムを刻む楽器はないので、テンポも演奏と一体となって歌うという自由な感じが楽しいんです。そういう自分にしかわからないことの積み重ねが、また次のステップには必要なんだと思っています」

タンゴというより
小松亮太とやりたかった

ただ、ここで誤解してほしくないのは、今作で彼女はタンゴというジャンルに挑戦しているというわけではないということ。

「私はタンゴの歌手ではないですし(笑)。タンゴというジャンルに関しても勉強不足です。タンゴ一筋の小松さんの世界にただ乗っかって歌うというのも意味がないんです。つまりタンゴというより“小松亮太と”やりたかったということなんです。その理由は先ほどお話ししたとおりですが、今作では私が今までやってきた音楽を聴いてくださっていた小松さんのほうが、こちらに寄り添ってアレンジしてくださってると思います。今作には私の歌と、小松さんがいつも一緒に演奏しているバンドによるインストゥルメンタルも入っていますが、なんの違和感もなく収まっていて、彼の選曲も素晴らしかった。普段はタンゴというだけで聴かない人も多いと思うんですが、彼のバンドネオンを聴いてもらいたい。演奏が本当に素晴らしい。ジャンルの垣根を越えた私たちのコラボレーションと小松さんの演奏とで、アルバムとしてトータルで楽しんでいただける仕上がりになったんじゃないかと思ってます」

大貫自身も太鼓判を押す今作のタイトル『Tint』とは、日本語に訳すと色彩の配合や濃淡を意味するが、まさにそれを具現化したのが今作だと言える。聴くとまるで上質な映画を観たかのような充足感に包まれる作品だが、当の本人は「達成感はこれから」とのこと。

「今回はレコーディングと同じメンバーで回りますので、CDで聴いた音がライヴでも聴けますっていう……。80年代頃はレコーディングでも打ち込みを多用していましたし、レコーディングとツアーのメンバーが違ったりすることが多かったので、再現性を求められない環境でしたけど、21世紀になってから、レコーディングメンバーでツアーも出来ることを最初から考えてアルバム作りをすることにしています。そうあるべきだとも思っていましたし、なにより楽しいですしね。それにツアーの中で曲自体がさらに練られていく時の新しい発見が絶対にあるので、それが終わったときに達成感を得られると思うし、そこで本当に完成するんじゃないかなって考えているんですよね」

※本インタビューは5月25日に行なわれたものです

40周年記念ライヴより

大貫妙子

1973年、山下達郎らとシュガー・ベイブを結成。75年『SONGS』をリリースするも76年解散。『Shall weダンス?』(監督:周防正行 96年)のメインテーマや、第21回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞した『東京日和』(監督:竹中直人 98年)の音楽プロデュースなどCM・映画音楽も数多く手がける。

6月20日~26日までUSENのチャンネル「C-47 NEW DISC HEALING」で今回のアルバム『Tint』を放送。また、7月1日から1ヵ月間、おなじくUSENのチャンネル「B-64 坂本龍一/commmons」で大貫妙子を特集!

大貫妙子と小松亮太コンサートツアー「tint」

2015年10月3日(土)

  • 会場:とぎつカナリーホール(長崎県)
  • 主催:KTNテレビ長崎
  • 問:KTN事業部 095-827-3400

2015年10月10日(土)

  • 会場:道新ホール(北海道)
  • 主催:株式会社道新文化事業社
  • 問:道新プレイガイド 011-241-3871

2015年10月16日(金)

  • 会場:Bunkamuraオーチャードホール(東京)
  • 主催:東京音協
  • 問:東京音協 03-5774-3030(平日10:00~17:00)

2015年10月24日(土)

  • 会場:八ヶ岳高原音楽堂(長野県)
  • 主催:株式会社八ヶ岳高原ロッジ
  • 問:八ヶ岳高原ロッジ 池袋情報サロン 0267-98-2131

2015年10月31日(土)

  • 会場:NAGOYA BLUE NOTE(愛知県)
  • 主催:NAGOYA BLUE NOTE
  • 問:NAGOYA BLUE NOTE 052-961-6311


大貫妙子 Billboard Live Tour 2015

昨年、デビュー40周年の節目に、ただ一夜のアニバーサリーコンサートが即日完売話題となり、ビルボードライブで行ったアンコール公演でも強い存在感をみせた大貫妙子。2015年、同じ豪華バンドメンバーで東京・大阪の3Days公演が実現することになった。「新曲はまずライブで発表。そして演奏を重ね、その後に音源化が理想」と語っているだけに、今年のツアーも見逃すことができない充実と興奮のライブとなることは間違いない。

メンバー:大貫妙子(Vo)、小倉博和(G)、鈴木正人(B)、沼澤尚(D)、林立夫(D)、フェビアン・レザ・パネ(Apf)、森俊之(Key)

予約受付開始:<Club BBL会員>7月16日(木)、<一般>7月23日(木)

2015年9月16日(水)、29(火)

  • 会場:Billboard Live TOKYO
    <1st>17:30 OPEN 19:00 START
    <2nd>20:45 OPEN 21:30 START
  • 料金(税込):自由席7,900円 Casual(1DRINK付)5,900円
  • ご予約・お問合せ:03-3405-1133

2015年9月23日(水・祝)

  • 会場:Billboard Live OSAKA
    <1st>15:30 OPEN 16:30 START
    <2nd>18:30 OPEN 19:30 START
  • 料金(税込):自由席7,900円 Casual](1DRINK付)6,400円
  • ご予約・お問合せ:06-6342-7722