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特集
2019.07.26
スターダスト☆レビュー「うしみつジャンボリー」

インタビュー後編―― 100%ゲゲゲで作ります

インタビュー後編です。デビュー39年目にして初のTVアニメタイアップ(!)「うしみつジャンボリー」をもってスタ☆レビが「ゲゲゲの鬼太郎」に注入したエッセンスとは?

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――現在は最新作『還暦少年』を携えてのツアー中ですが、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディング主題歌「うしみつジャンボリー」の音像も、『還暦少年』から繋がってるなと感じました。

「そうですね。それはやっぱりね、佐橋佳幸の力でしょう。あいつとはもう長い付き合いだし、ご存じのように素晴らしいプロデューサーですけど、当初佐橋を使うのは難しいのかなと思ってた部分もあったんです。というのはスターダスト☆レビューのデビュー当時のサウンドって、僕が作っていた泥臭い音から、当時のキーボードの三谷泰弘くんが作り始めた、シンセとか打ち込みを交えた、ちょっと都会的なサウンドへと変わり始め、この時期にCMタイアップやテレビの露出もあり、スタ☆レビのイメージが出来はじめたんですね。でもおそらく僕と佐橋が繋がるのは初期のころの泥臭いサウンドだろうと。そのサウンドをスタ☆レビファンの人達が喜ぶのかなって思ったんです」

――そういう気持ちもあったんですね。

「だからタイミングを見計らって、そうじゃないものを作れそうだなって時に頼もうと思って。それで一昨年の秋ぐらいからこの話をメンバーやスタッフにし、佐橋と組み始めたんです。そしたら、なんていうんだろうな、思いもよらぬ先祖帰りっていうか(笑)。思ってた以上に、佐橋は僕らの初期のものをちゃんと“いま”に蘇らせてくれた。いちばんバンド然とした、多少の泥臭さも残る音楽を彼はピックアップして、ブラッシュアップしてくれた。それで僕自身もすごい身軽になってね。やりたいことを彼に伝えると、ほぼ同じ答えが返ってくるっていうか。たとえば僕がデモテープ作って、“これさ、こういう風にしたいんだよね”って言ったら“ああ、あの曲ね!”って言ってそこですぐ通じ合える。同じような音楽体験をしてきてるから、そのサウンドがお互いの頭の中にあったというか……」

――コミュニケーションロスがないんですね。

「そう。今回の「うしみつジャンボリー」も全くいっしょで、僕がデモテープ作ってきた時に、あいつが“初期段階のレゲエ”って言ったんだけど、要はボブ・マーリーを知る前のレゲエ、クラプトンやらポール・サイモンやらその辺の人たちが真似していたそれを、さらに真似したいなと思ったんですよ。で、“それそれ!”って言って、作り始めたんですけどね。びっくりするくらい、なんかこう滞らないんですよ、あいつと作ってると(笑)。“あ、それいいね、それいいね!”っていう。だから『還暦少年』あっての今回の「うしみつジャンボリー」であり、この先のスタ☆レビにあいつがどういう風に関わってくれるかわからないけど、いまのスタ☆レビでいること、つまり――えーと、話がずれちゃうかもしれないけど――さっきライブバンドっておっしゃっていただきましたけど、そのライブバンドとして30年やり続けてきた自負みたいなものがこの音源の中にちゃんと入ってきたんだと思います」

――世界的な音楽の潮流として、いまは音数が少なくて明快にそれぞれの楽器の音が聴こえる方が主流ですし、『還暦少年』を佐橋さんと作られたのも必然な気がします。

「HIP HOPやダンスミュージックが中心の今の音楽状況の中で聴こえてくる“あ、これいいな”と思う音楽たちっていうのは、とてもお洒落だけど、やっぱり多少泥臭かったりとか、過去の音楽に寄ってるものは多いですよね。先日も佐橋とパンチ・ブラザーズを観て、個人のスキルだったりバンドの拘りに全面降伏して帰って来ました。流行り廃りを無視しようとは思わないけど、やっぱり好きな音を追い続けていきたいですね」





――それにしても、デビュー39年目にして初のテレビアニメ・タイアップ。これはなかなか稀有なことではないかと。

「そうなんですよね(笑)。僕は正直、そんなにミュージシャンの皆さんがアニメを担当してるって知らなかったんです。ジャンル的に楽しんでる層が違うと思っていたから。極端な話になるけど、ビジュアル系の音楽を楽しむ人たちはきっと僕らの音楽聴かないだろうと。それと同じような感じでアニメの音楽を聴く人たちは僕らの音楽は聴かないだろうと、それぐらいのすごい漠然とした気持ちでいたから。そしたらネットでアニメの曲を見てみたら、すごい人たちがやってるんですよね!」

――では特にアニメタイアップという取り組みには抵抗感もなく?

「そうですね。今回お話をいただいたときに、これは僕らとしては拒絶する理由もなく、僕たちの音楽を聴いたことのない人たちに聴いてもらえる有り難いチャンスじゃないですか。最初にびっくりしたのは“「ゲゲゲの鬼太郎」を意識しないでください”ってオファーですよ。で、僕はちょっと唖然として、“いやいや!うちはゲゲゲで作らせて下さい!”って。むしろ僕はそっち側に寄せたかったから(笑)。そっち側の人たちに聴いてもらう何かを作りたかったから、もう“100%、ゲゲゲで作ります”って言って、それを社長にも佐橋にも話しました。最初に思いついたのが「ひみつのアッコちゃん」のエンディングテーマ。あのロックンロールだったんですよ。要はメロディじゃなくてサウンドの雰囲気。アニメのイメージがちゃんと作れればいいなと思ってて。“じゃあファンクはどうだろう”って佐橋と話をして。最初は、JBとかスライ(&ザ・ファミリーストーン)みたいなワンコード一発で、ラッパ鳴らして俺がシャウトするファンクやろうと思ったんだけど、なんとなく出てきた中にカリプソぽいのがあって、“あ、これいいんじゃないの?”って。とにかく、いかに「ゲゲゲの鬼太郎」を歌うかっていうので、最初から“ガガギグ ゲゲゲの鬼太郎”!って歌ってました(笑)」

――歌詞に、ゲゲゲの鬼太郎という名前が頻繁に出てきますもんね。

「そう!ゲゲゲの鬼太郎を何回言えるか?がポイントになってて(笑)。最初の僕のイメージはね、70年代に外道ってバンドがあったんです。“ゲ・ゲ・ゲ・ゲ げげげげげげげ ゲ・ゲ・ゲ・ゲ 外道”って曲(「香り」)が大好きで、あれみたいな曲をやろうと。ロックンロールで。でももっと明るい曲がいいなと思ってやっていくうちに、“ガガギグ ゲゲゲの鬼太郎”って言葉が出てきて、なんとなくこのメロディにたどり着いたっていうことだったんですけどね(笑)」

――親しみやすいシグネチャー感がある方がいいなと?

「そうそう。昔で言うところのノベルティソング、僕らがちゃんと番組のために提供した形でありたいっていう、それぐらい「ゲゲゲの鬼太郎」っていうのは――ストーンズやサザンのように――リスペクトされるものだと思ったんで、そこに寄せて作ったんです。しかも鬼太郎には目玉の親父やねずみ男のようなファミリーがいる。僕らもバンドだし、ファミリー。鬼太郎ファミリーみたいな歌詞を作れたらいいなと思ったんです。で、鬼太郎の資料をいただいて。僕らの頃はほんとにもうそれこそ漫画で読み始めるわけですけど、そしてテレビアニメになって、いまもやってて、ものすごいおしゃれな鬼太郎になってたりする。だけどやっぱり“ゲッ ゲッ ゲゲゲのゲー”って、あのおどろおどろしさはどこかに持っていたいぞ!っていうのもあったし、でも「ひみつのアッコちゃん」的な軽やかさもうまいこと合わせられないかな……というところでね」





――言うなれば、すごくコアな鬼太郎ファンにも刺さるというか……

「やっぱりアニメってオタク性がすごく高いじゃない?いただいたブックレットはものすごい緻密な分析がなされて書いてあったんです。これがね、僕の歌詞に対するエネルギーをさらに盛り立ててくれましたね。鬼太郎という人が――え?ああ、人じゃないか(笑)――まあ、彼が悪い妖怪たちを退治するんだけど、でもやっぱりある種の必要悪みたいなところもあって彼も悩んでる。人間の苦悩といっしょで、それもちゃんと表現したいなと思ってたところもあるし。ある意味いちばん恐ろしい妖怪は人間だろうというところが僕の中にあったんで、それも歌えればいいなと思ったんですけどね」

――子供心に結論の出ないアニメだなあという記憶が強くありましたね。

「そうですよね。それこそが水木しげるさんの世界観、ある種の不条理も僕たちは受け容れていこうってところで何が正義かわからない部分もあったりする世界感。ある人にとっての正義も、ある人には悪になってしまうだろうし。そういう、僕らがいつも葛藤してくこと、結局ただただ満たされるためだけに生きてるんじゃなくて、悩みながら生きていくことが僕らの使命だろうという、そんな気持ち。自分の中にある妖怪気質を、自分の中にいる鬼太郎にちゃんと退治してほしいなって思いでね。ちょっとでも自分への戒めであったり、社会の戒めになればいいかなと。さっきノベルティソングって言ったけど、この曲がどうのこうのじゃないんだけど、たとえば「踊るポンポコリン」とか「だんご三兄弟」とか、もっというと左卜全さんの歌みたいに、何となく口ずさめる歌が最近ないんですよね。それで、サビの歌詞も意味もなく、老若男女口ずさめるような歌を目指しました」

――子供が発語したいだけ、みたいな曲はありますよね。

「うん。それそれそれ!そう、だから濁音の“ガギグゲ”とかちょっと入れてみたところはあるんですけど。僕は僕なりに曲はもちろんですし、詞に関してもサビはともかく、全体にかなり納得度が高いものになりました。だから、子供たちもね、歌詞の内容はわかんないなりにこういうこと言ってるんだろうって、いつかわかってくれたら嬉しいし、そういう意味では割と理想に近いものはできたかなって気はしますけどね」

(おわり)

取材・文/石角友香
写真/いのうえ ようへい



■楽園音楽祭2019 スターダスト☆レビュー with んなアホなホーンズ
7月20日(土) 香川県 さぬき市野外音楽広場テアトロン
7月27日(土) 山梨県 河口湖ステラシアター
8月3日(土) 長崎県 稲佐山公園野外ステージ
8月11日(日) 東京都 日比谷野外大音楽堂 ※指定席はSOLD OUT!
8月24日(土) 富山県 太閤山ランド野外劇場 ※SOLD OUT!
8月25日(日) 富山県 太閤山ランド野外劇場 ※SOLD OUT!
9月1日(日) 鳥取県 とっとり花回廊 野外ステージ広場
9月28日(土) 大阪府 大阪城音楽堂 ※指定席はSOLD OUT!
9月29日(日) 大阪府 大阪城音楽堂

■スターダスト☆レビュー ライブツアー「還暦少年」
8月17日(土) 埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール ※SOLD OUT!
8月18日(日) 神奈川県 神奈川県民ホール ※SOLD OUT!
9月7日(土) 東京都 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
9月14日(土) 静岡県 三島市民文化会館 大ホール
9月15日(日) 静岡県 浜松市浜北文化センター 大ホール
9月20日(金) 北海道 旭川市民文化会館 大ホール ※SOLD OUT!
10月19日(土) 佐賀県 佐賀市文化会館 大ホール
10月20日(日) 鹿児島県 霧島市民会館
10月26日(土) 高知県 須崎市立市民文化会館
10月27日(日) 香川県 サクラート多度津(多度津町民会館)
11月2日(土) 愛知県 名古屋国際会議場 センチュリーホール
11月8日(金) 東京都 中野サンプラザホール
11月9日(土) 東京都 中野サンプラザホール
11月15日(金) 鳥取県 とりぎん文化会館
11月16日(土) 岡山県 倉敷市民会館
11月23日(土) 兵庫県 三木市文化会館
11月24日(日) 京都府 舞鶴市総合文化会館
11月30日(土) 大阪府 オリックス劇場
12月1日(日) 大阪府 オリックス劇場
12月8日(日) 沖縄県 沖縄コンベンション劇場
12月14日(土) 福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール
12月15日(日) 長崎県 長崎ブリックホール
12月21日(土) 大分県 大分 iichiko グランシアタ
12月22日(日) 宮崎県 都城市総合文化ホール 大ホール
12月28日(土) 宮城県 仙台サンプラザホール
12月29日(日) 福島県 とうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)



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