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特集
2017.09.06
横山剣(クレイジーケンバンド)インタビュー

『CRAZY KEN BAND ALL TIME BEST ALBUM 愛の世界』後編

アシッド、フリーソウル、渋谷系、エレキ、昭和歌謡まで、CKBが標榜する全方向型音楽を詰め込んだ『CRAZY KEN BAND ALL TIME BEST ALBUM 愛の世界』を語る。

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——DISC 1、3曲目の「肉体関係 Part2 逆 Featuring クレイジーケンバンド」はRhymesterが参加したヴァージョンですね。

「こっちのヴァージョンのほうが爆発力があるので、DISC 1に入れるならコレだなと。余裕があればCKB名義のオリジナルヴァージョンも入れたかったんですけどね。Rhymesterのおかげで、CKBが携わった曲として初めてチャートインした記念すべき曲です」

——DISC 1には、ほかにも、「昼顔」や「GT」といった重要曲が収録されていますよね。僕も個人的に「GT」が出た2002年頃からCKBにグッとハマっていったので、とても懐かしいです。最初はフリーソウル好きの友人に薦められたんですよ。

「当時はフリーソウル方面からCKBに入ってくる人も多かったと思います。結局フリーソウルで括られても、昭和歌謡で括られても、必ずそこからはみ出る部分が出てくるのがCKBの音楽ですし、どんなきっかけでも聴いていただければ、だんだんそうした細かい部分は関係なくなるかなと」

——今回のベスト盤では、特にDISC 2にフリーソウル的な作品が多いような印象を受けました。このあたりの曲のムードは、90年代の渋谷系にも通じるものですよね。

「「スージー・ウォンの世界」を書いた89年頃から、日本では渋谷系といわれる音楽が盛り上がりはじめて、特に田島貴男さんが参加していた時期のピチカート・ファイヴやオリジナル・ラヴの1stを聴いたときは、音楽を辞めちゃおうかなと思いました(笑)。自分が理想としていた音楽はコレだ!って思っちゃったから。オリジナル・ラヴの『LOVE!LOVE!&LOVE!』のあの感じは、まさに自分がやりたいものでしたね。それでも不思議なもので、僕らがCKBをはじめた97年の音楽シーンには、ちょうど渋谷系の跡地のような居場所があったんですよ。オルガン・バーみたいなところでイベントをやったりして。ピチカート・ファイヴの小西康陽さんなんかは、そんな僕らの音楽を面白がってリミックスしてくれた。DISC 3に入っている「葉山ツイスト」は、その小西さんのリミックスヴァージョンです」

——DISC 3では、エレキ・インストの「俺たち海坊主」から「葉山ツイスト」、「プレイボーイ・ツイスト」というツイスト2連発が実にご機嫌でした。

「本当は「ドクロ町ツイスト」や「逆輸入ツイスト」も入れたかったんですけど、時間の都合で泣く泣くカットしました。橋 幸夫さんのリズム歌謡シリーズがありまして、CKBをはじめた頃に、ドラムの廣石(恵一)さんがカセットにダビングして聴かせてくれたんです。それ以前から知ってはいたんですけど、改めて聴いてみたら、日本にもこんなにスットコドッコイでカッコいい、しかもクールな音楽があるのかということを再認識しまして、そのおかげで自分なりの居場所が見つけられた感じがありましたね。「葉山ツイスト」のときは、その橋 幸夫さんに加えて、ギターの小野瀬(雅生)さんが貸してくれたフランス・ギャルのアルバムに入っていた「娘たちにかまわないで」という曲のコード進行が偶然「葉山ツイスト」と似ていたので、アレンジの参考にしました。初期のCKBは、そうした小野瀬さんや廣石さんのレコメンドによって形成されている側面もありましたから。「葉山ツイスト」は小西さんがリミックスしているので、橋 幸夫×フランス・ギャル×readymadeという、ふつうに考えたら”混ぜるな危険”みたいな感じですけど(笑)、僕のなかでは全然矛盾はないんですよ」

——「俺たち海坊主」も強烈なエレキ・インストですよね。

「この曲は絶対どこかに入れたくて、DISC 3の1曲目という角がいいかなと。小野瀬さんは海があまり好きじゃないんですけど、海洋的というかパシフィック的なものをやらせたらすごくいいんですよ」

——DISC 3のハイライトというと、やはり「7時77分」の”見えるオーケストラ仕様”でしょうか?

「この曲は神奈川県民ホールでのライヴのときに、これと同じフル・オーケストラ+ホーンの編成でやったことがあって、それを再現しました。2003年に発表したときの「7時77分」はサンプル音源のストリングスでしたけど、生のストリングスでは、音響的な部分以外にも、人間にしか出せない揺らぎだったりファジーな感じ、あとはスタジオの空気感だったりが表現できるので、今回は贅沢な素材を使ってみました」

——剣さんは、クルマとか飛行機の移動中によく曲が浮かぶそうですが、そのフレーズはどうやって記録しておくんですか?

「ずっと頭のなかで覚えてるかどうかです。2008年に出した『ZERO』というアルバムのときは、ニューヨークに行った際にできた曲をMDレコーダーに入れておいたんですけど、操作ミスでデータが全部飛んじゃいまして、記憶だけを頼りにアルバムを仕上げました。逆に言うと、記録しておかないと忘れちゃう曲というのは、あまり大したことないし、人懐っこかったりチャーミングな曲ではない気がしますね」

——さて、このアルバムを携えての全国ツアーが9月からスタートしますが、どんなライヴになりそうですか?

「”攻”というタイトルが付いてますけど、あと3年で還暦だし、覚悟を決めてやらないと後がないぞ!、とにかく攻めてサヴァイヴするぞ!というツアーになると思います。来年のCKBデビュー20周年に向けて、ますます攻めていきます!」

(おわり)

取材・文/木村ユタカ



クレイジーケンバンド『CRAZY KEN BAND ALL TIME BEST ALBUM 愛の世界』
初回限定盤(CD+DVD)/UMCK-9921/7,800円(税別)
通常盤(CD)/UMCK-1574〜1576/3,500円(税別)
ユニバーサルミュージック


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