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特集
2017.08.30
横山剣(クレイジーケンバンド)インタビュー

『CRAZY KEN BAND ALL TIME BEST ALBUM 愛の世界』前編

結成20周年ベスト『CRAZY KEN BAND ALL TIME BEST ALBUM 愛の世界』。横山剣の独断と偏見によって選ばれたという55曲への思い入れを語るインタビュー前編を。

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——『CRAZY KEN BAND ALL TIME BEST ALBUM 愛の世界』は、クレイジーケンバンドの結成20周年を記念したオールタイム・ベストですね。選曲はかなり苦労されたそうですが?

「ファンクラブで毎年行なっている人気投票があるんですけど、それだと見事に票が割れてしまったんです。それと、横浜の長者町にあるライヴハウスFRIDAYでもリクエストカードをもらうんですけど、それもやっぱり割れてしまって。メンバーやスタッフに訊いてみても、結果は同じ。だから最終的には、自分の独断と偏見で選曲するしかないなと。だったら、今の自分が再度プッシュしたいと思う埋もれた曲もたくさんあるので、そうした曲も入れようと。仮に、これがニューアルバムだとしたら、こんな選曲で行きたいなという視点で作業してみたら、割とすんなりと決まりましたね」

——3枚のディスクそれぞれに、なにかテーマみたいなものはあるんですか?

「CKBの曲って、”クルマ”とか”女性”とか、だいたい7種類ぐらいのテーマに分けることができるんですけど、今回は、たとえばL.A.のことを歌った曲が何曲か続いているとか、歌詞の内容は違っていてもリズムが同じタイプの曲が続いているとか、ビリビリくる感覚が似ている曲が続いているとか、一見すると脈絡がないと思える曲順でも、僕のなかではちゃんと理由があったりします。DISC 1で「True Colors」と「タイに行きたい」が続いているでしょ?これは長者町あたりの裏横浜的なエリアにタイ料理店がたくさんあって、そこから「タイに行きたい」に繋がっていくという、僕にとって必然的な並びなんです」

——シングル曲でも結構大胆に外していたりしますよね。

「そうですね。アクが弱いと思った曲は外しましたね。それと、シングル曲は一度陽の目を見ているから、もういいでしょって(笑)。個人的にすごく好きな「37℃」も、2回連続でベスト盤に入れちゃったので、もういいだろうと。今回は順番的に、可哀そうな曲たちを救済したい気持ちが強かったので。だから、現時点でのオススメはこの55曲ですよと」

——なかでも特にオススメの曲はありますか?

「DISC 1の1曲目に「スージー・ウォンの世界」を持ってきたんですけど、この曲を含めて特別仕様曲が8曲ありまして、それは全部オススメですね。そのなかには、これまでシンセによるサンプル音源のストリングスだったものを生のストリングスに入れ替えた「カフェレーサー」、「男の滑走路」、「7時77分」もあります。飛行機の歌である「男の滑走路」には、”First Class 6422″というサブタイトルが付いてますけど、これまでビジネスクラスだったものが、生のストリングスでファーストクラスにランクアップしたかなと(笑)。「タイガー&ドラゴン」には新たにトロンボーンとトランペットを入れましたけど、こちらはスカジャンになぞらえて、オリジナルがサテンだとしたら、今回は別珍ということで、”別珍仕様”。「カフェレーサー」は、バリ島にチャングーという有名なサーフポイントがあって、そこにあるお気に入りのカフェで生まれた曲だったので”canggu beach 2211″と名付けました」

——「スージー・ウォンの世界」はCKBとしてレコーディングしたのは、今回初めてだったんですか?

「これは95年の作品で、CKBの前身であるCK’s時代のレパートリーを、今回はじめてCKBとしてスタジオレコーディングしました。同じく「愛の世界」も95年の作品なんですけど、こっちはドラム、ベース、リズムギター、タンバリン、リードボーカルを95年のオリジナル音源から再利用して、それ以外の部分を全部スケルトンにした状態でリノベーションしました。「Wonderful Days」は、地元の後輩でもあるFIRE BALLの曲がすごく良かったのでカヴァーしました」

——「スージー・ウォンの世界」、とてもカッコいい曲ですよね。

「この曲はもともと「愛の世界」というタイトルだったんですけど、この曲を作った直後に、現在の「愛の世界」という別の曲が出来ちゃったので、もともとあった「愛の世界」のタイトルを「スージー・ウォンの世界」に変更したという、ややこしい経緯がありまして(笑)。そんなこともあったので、今回アルバムタイトルを『愛の世界』にしたんですよ」

——『スージー・ウォンの世界』という映画も大好きだそうですが、この曲も実際に香港に行って影響を受けて生まれたものなんですか?

「そうですね。89年だったと思うんですけど、ちょうど同じ時期にロンドンでブラン・ニュー・ヘヴィーズ的なアシッド・ジャズ・ムーヴメントが起きて、そこからもかなり影響を受けましたね。89年に曲が出来て、91年から演奏するようになって、95年に録音しました。当時はトーキング・ラウドとかのアシッド・ジャズがすごく演りたかったんですけど、バンドのメンバーに相談しても”ジャズ”というワードだけで拒絶反応が(笑)。それでJB’sを聴かせて、やっと分かってもらえたという」

——言われてみると、曲の後半部にジェームス・ブラウンっぽいブレイクが入りますね。

「そうなんです。そんな気分を抱えながら、香港の空港に——当時はまだ九龍城区の啓徳空港でしたから——市街地スレスレのきわどいランディング中、キャセイパシフィックの機内で”世界でひとつの香港”というフレーズが浮かんできて、そのときの旅はそれをお土産に帰国しました(笑)」

——これは有名な話ですが、「タイガー&ドラゴン」は和田アキ子さんを想定して書かれたそうですね。

「運転中にこの曲のフレーズが浮かんだときに、頭のなかで歌っているのは自分じゃなくてアッコさんでした。レコーディングのときも、仮歌ではアッコさんをマネて歌って、本番では自分流に歌ったら全然面白くなくて、それで仮歌のほうを採用したんです。歌でも演奏でも、仮歌やファースト・テイクが採用されるパターンは結構多いんですよね。「タイガー&ドラゴン」はのちにアッコさんがカヴァーしてくれたんですけど、むしろそっちが正統ヴァージョンで、CKBのセルフカヴァーを本家よりも先に出しちゃった、そんな感じです(笑)」

(つづく)

取材・文/木村ユタカ



クレイジーケンバンド『CRAZY KEN BAND ALL TIME BEST ALBUM 愛の世界』
初回限定盤(CD+DVD)/UMCK-9921/7,800円(税別)
通常盤(CD)/UMCK-1574〜1576/3,500円(税別)
ユニバーサルミュージック


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