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9月14日に発売を迎えた『LIGHTNING STRIKES』のアニバーサリー・エディションには、貴重なデモ音源集、さらには1986年4月に行なわれた東京・代々木体育館第一(当時はもっぱらオリンピックプールと呼ばれていた)での公演の模様を収めたDVDもセットされている。この貴重な音源と映像について、高崎は次のように語っている。

「当時のデモ音源を公表することについては、もはや抵抗は感じませんね。これだけ時間も経っているんで。3年前とかの音源やったらそういうわけにもいかないだろうけど(笑)、もう何を聴いてもらっても、何を見てもらっても構わない。このデモ音源については、元々は当然ながらカセットテープということになるんですけど、それをちゃんとマスタリングして、かなりいい音で聴けるようになっていて。正直、自分では忘れてしまっているものも多いんですけど、聴いていくうちに記憶がよみがえってくる。ただ、使わなかった曲というのは基本的にはとっておかないし、楽曲のストックというのは僕にはないんです。財産はそれなりにあっても、貯金はないというか(笑)。新しい作品に取り組む時は、一回まっさらな状態に自分を戻してから臨むことが多いですね。他のメンバーから“前回使わなかったあの曲、ええんちゃう?”みたいなことを言われることもあるけど、その曲自体を自分はすでに持ってなかったりするから。そういう時は、記憶を辿りながらもう一度作るんではなく、その要素を踏まえながらまた新たに作っていくんです。何かができている状態からその続きを作るよりは、ゼロから始めるほうが僕の場合は創造しやすいんです」

「こういったデモ音源発掘とかに関しては、うちの山下(昌良)の貢献が大きいんです。物持ちがいいんですよね、彼は。当時のデモをちゃんと保管してるんです。音源だけじゃなしに当時の写真とかも密かに持ってたりするし(笑)、衣装まで全部保存してるくらいですから。僕の場合は引っ越しをするたびに何かがどこかに行ってしまったり、誰かにあげたり、勝手に持っていかれたり(笑)。だからあんまり手元にその種のものは残っていないんですけどね」

「あのライブのことはよく憶えてますよ。代々木の体育館で2日間やって、音がうるさいっていう苦情が殺到したそうで。原宿駅から真っ先に来たらしいですよ。アナウンスがホームに聞こえない、と(笑)。あの時は照明の量もすごかったし、かなりの数の電源車が並んでいたはずですね。演出面でもかなり最先端なことをやっていて、それについては当時の社長がかなり頑張ってくれてましたね。それによって音とビジュアルが同時に訴えかけてくるような、神秘的なライブができていたはずで。照明についていえば、自在に動くムービング・トラスを最初に日本で使ったのもLOUDNESSだったはずなんです。事務所がアメリカで購入して持ち込んで、時にはそれを他のアーティストに貸すこともあったくらいで。あと印象に残っているのは、天井近くまで上昇して傾くステージ。M?TLEY CR?Eの場合はトミー・リーのドラム・ライザーが傾いたり回ったりしたけど、LOUDNESSの場合はステージごと上がっていった。しかも僕はその先端に命綱も無しの状態で腰掛けて、わりと難易度の高いプレイをしてみせたりとかね。よくやっていたもんだと思う(笑)」

当時のLOUDNESSのライブには、マニアックなものとされてきたこの種の音楽がどれほどメジャーなものになり得るものなのかを提示してみせるかのようなスケール感があった。そうしたライブに触れてこのバンドに夢中になった読者も少なくないはずだし、この日本という国にヘビーメタルを根付かせてきたのは、欧米のバンドばかりではないという事実を我々は忘れずにいるべきだろう。そして改めて『LIGHTNING~』についての総括的な言葉を求めると、彼の口からは次のような回答が得られた。

「80年代中期といえばある意味、最高の時期だったとも思う。そんな頃の良いパフォーマンスが詰め込まれた、まさにベストのなかのベストといえる1枚なので、今のロック・ファンにも是非聴いてみて欲しい。リマスターを経て音の分離もさらに良くなっているんで、昔から聴き込んでくれている人たちにも、改めて聴き比べてみてもらえると嬉しいね」

ところで高崎はごく最近、この作品に続いてある旧作音源のリマスターを済ませている。1997年から1999年にかけて発表された第四期の作品、すなわち『GHETTO MACHINE』、『DRAGON』、『ENGINE』の3作品が新たにデジタル・リマスターされ、“ブッダ・ロック三部作”とも“インド三部作”とも呼ばれるこの作品群にDVDを加えた4枚組ボックス・セットとして、11月2日に発売されることになっているのだ。いわゆるチャート実績などの面において突出した記録を持つ作品群ではないが、高崎自身の音楽人生において非常に重要な意義を持つというこの音源についても、確実に手に入れておきたいところだ。

そして同じく11月、LOUDNESSはデビューから満35周年という大きな節目を迎えることになる。同月21日には名古屋・DIAMOND HALL、28日には東京・ZEPP DIVER CITY、そして12月1日には大阪・ZEPP NAMBAでの記念公演が決まっている。改めて言うまでもないことだが、これを見逃すわけにはいかない。

「11月に満35年になるので、LOUDNESSの歴史を総括するかのようなライブをやります。『SAMSARA FLIGHT』もリリースされたことだし、そこからの曲もたくさん盛り込むことになるでしょうね。いったい何曲やらなアカンのか、と考えると少々気が遠くなるけども(笑)。もしかするとメドレー形式で披露する曲もあるかもしれない。今回のライブは、これまでにLOUDNESSを観たことのない人たちにとってもいい機会になるだろうし、ニイちゃん(二井原実)が彼のいなかった時代の曲をどんなふうに歌うのかということにも着目して欲しいですね」

そしてこの節目到来の先に期待したいのは、やはりニュー・アルバムの登場ということになる。高崎は以前から、その制作準備が着々と進んでいることを認めていたが、果たして今現在はどのような状況にあるのだろうか?

「とにかく曲は増える一方でね。頭に浮かんだものは常にすぐさま録音するようにしているんで、そのピースがすでに百何十個は溜まってるんじゃないかな。そういったアイデアをパズルのように組み合わせて試行錯誤しながら、また新しいものを作っていきます。2017年にはかならず新たなオリジナル・アルバムを出しますし、もちろんライブもたくさんやるつもりだし。そっちのほうも今から楽しみにしていてください」

まだまだ未来へと向かい、全身全霊をかけての前進を続けていくLOUDNESS。デビュー35周年のアニバーサリー・イヤーすらも、彼らにとっては通過点でしかないのである。

文・撮影/増田勇一
※画像はすべて7月に行われた「ROCK FEST BARCELONA」から


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35周年のライブ、2017年リリースのニューアルバム、LOUDNESSの挑戦は続く

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