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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」 by SMART USEN



今年、日本上陸10年目を迎えた「ロンハーマン」は現在21店舗を展開している。現在は産休スタッフが10名、この春職場復帰したスタッフが15名と、出産準備中~育児中の女性スタッフが多いことがわかる。株式会社サザビーリーグ リトルリーグカンパニー PR部 阿部真澄美氏によると、彼女たちに「またここで働きたい」と思わせる取り組みの本質は、「人を一番大事に」という考え方にあるようだ。

アパレルに限らず、チェーン限界している店舗のスタッフがキャリアアップを目指す場合、店長などマネジメント業務に就くことが多いのだが、「ずっとプレイヤーとして働き続けたい」というスタッフもいる。そんなスタッフ向けに、ロンハーマンが2016年4月に導入したのが、スーパーバイザーという役職だ。店舗に在籍しながら、店長とは別の視点で店舗の運営に携わる。現在14名のスーパーバイザーがいるが、店長ではないため、1店舗に2人のスーパーバイザーがいる場合もあれば、1人もいない店舗も存在する。スーパーバイザーは顧客へのホスピタリティを向上させ、スタッフからも憧れられる存在なのだとか。売り上げ成績がよいからといってスーパーバイザーになれるわけではないそうだ。基準は、現地の買い付けまでを行える商品知識、さらにホスピタリティも重視される。年に一度、スーパーバイザーになれるかどうかの審査が行われるそうで、審査をクリアしてスーパーバイザーになると、プレイヤーとして現場のコミュニケーションをとりつつ、新人に販売アプローチを指導したりといった教育にもあたる。さらに他店舗のイベントなどにも足を運ぶそうだ。なかなかユニークな役職で、現場でプレイヤーとして働くことにこだわるなら、これはやりがいに繋がるだろう。

ノベルティも各店のスタッフがアイデアを出し合って考案する



ロンハーマンでは「どうしたら楽しくお買い物をしてもらえるか」とミーティングを行ったり、閉店後に「やりたいことがあればやる」という形で、残業することもあるそうだ。店舗や個人の裁量で「やりたいことがやれる」ことがモチベーションの維持に繋がっているという。

たとえば「夏の暑い日にお客様にお水を出したい」や「急な雨には傘を差し上げたい」など、店舗ごとのアイデアを店長ミーティングで全体共有する。すると「どうせプレゼントするなら、いいものを作ろう」とアイデアを出し合うそうだ。「自分たちのショップは、自分たちで作っている」という意識が、生産性を高め、またホスピタリティの向上にも寄与していることがわかる。



店舗ごとに異なるテーマのイベントを開催



反面、好調な時は良いだろうが、不調な店舗は雰囲気が沈んでしまうのではないかと気になるところだ。そんな不調も、店長を中心に、スタッフ全員で解決策を出し合うそうだ。その一例が、逗子マリーナ店の取り組みだ。逗子マリーナ店の繁忙期はもちろん夏。にぎわう夏と対照的に、冬は集客が難しかったそうで、それは容易に想像できるトレンドだが、そこで店舗が行った取り組みが、冬の逗子のサンセット写真を手紙にしてお客様に届けるというおもてなし。すると、冬の素晴らしい景色を見ようと逗子マリーナ店を訪れる客が増え、今では冬でも集客が見込めるトレンドに好転した。まさに店舗スタッフ自らが作る個店のような取り組みの好例だ。



 



スタッフのアイデアで作り上げられる店舗だけに、売り上げは、個人ではなく店舗ごとに計上する。またスタッフのみならず、顧客に紐づけた購買額も見ないという。メンバーズカードもないため、来店してもその人つまりがどれだけ買ってくれている顧客なのか分からない。店舗スタッフは購買額に左右されることなく、その場に合わせた接客ができるよう心掛けなければならない。



 



ちなみにスタッフの採用条件として重視しているのは、販売経験やビジネススキルよりも、性格の良さだそう。やさしくて素直であれば、お客様からもスタッフからも愛されるからだ。今年10周年を迎えたロンハーマンだが、10年後もいまと同じようにやっていたいという。まわりの人への感謝を忘れず、より高みを目指すというロンハーマンの店舗のレジ画面には、ボスである三根弘毅からのメッセージが流れるのだそう。こうしたユニークなコミュニケーションもスタッフのやる気をアップさせているに違いない。

(おわり)

取材・文/林 ゆり(Y’s company)
構成/久保雅裕(encoremodeコントリビューティングエディター)



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