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職場が楽しくて残業する……ファッションが好きで入社したスタッフが多いシップスでは、嫌々残業しているのではなく、自分から進んで残業するというシチュエーションもめずらしくない。また、早番シフトの場合、“もう少し残ることで会社帰りのお客様が来て、売り上げが伸びるのではないか”と考え、残業する店舗スタッフもいたそうだ。



SHIPS店内でディスプレイを整えるスタッフ



「店長の立場としてはスタッフのタイムコントロールも必要ですが、帰れと言ってしまうと、帰らされている、やらされているという感じがあるため、よくないですね」と株式会社シップス 総務部 人事部部長の橋本匡輔氏。だからといって、みんなが残業すると、残業代の問題も出てくる。楽しくて働いてもらうのはうれしいが、休むことも大切だ。

そこで、4年前から店長に向けて「売上UPを目指す!マネジメント研修」と称して、ボトムアップで店舗の意識改革を進めようと、全店長と業務効率などについて情報共有、交換をするようにしたという。

店舗ごとで話し合った内容は、80店舗の店長が集まる店長会議で意見交換し、それぞれの店舗ごとの問題点を洗い出し、マネジメントについて改めて考える機会を設けたそうだ。参加した店長のうち、一定数が「早く帰りたい」、「もっと効率化出来るはず」、「すで効率化しており、他店舗もそうしたら良いのに」と考えていたことも判明した。つまり「早く帰りたい」とは言いにくい環境だったことがうかがえた。



他店舗との意見交換会も活発に



その後、早く帰るために効率よく作業をしている店舗を真似て、実際に他店舗で実行し、どのような結果になったのかを次の店長会議で報告するということを繰り返した。

実施した内容は、スタッフの得手不得手を知ることから始め、「どうなりたいか?」をアルバイトも含め話し合った結果、「トップダウンではなく、自分たちの改革」という意識が芽生え、スタッフの意識が変化していった。なんとなく残業していた頃は、「休みは寝るためのものだ」と感じていたのが、2年くらい経つと、疲労回復という面でも良い変化が現れ始め、「休みって楽しむためにあったんですね」という声もあったそうだ。残業代も年々下がり続けている。

よりよくするために店舗スタッフでそれぞれの意見を出し合う



残業が無ければ収入も減るため一定のスタッフに不満は残っているものの、早番ならまだ明るいうちに帰ることができ、自分自身の楽しみを増やせる。また、周囲のスタッフが時間どおりに帰るため、子育て中で時短勤務のママスタッフが働きづらく感じることもない。ちなみにシップスの時短制度では、子供が12歳まで使えるというから、出産後も安心して復職できる。さらに、ママの実体験から生まれるアドバイスは、お客様にも好評で、売り上げも伸びるのだそう。戦力維持および強化という観点からも、思い切った時短制度が功を奏したようだ。つまり、長時間労働をなくすことが少子化対策にもつながるという副次的な効果を生んだと言える。

残業をなくすということは、時間あたりの売り上げアップが必要だ。そこで、接客技術の向上も働き方改革のひとつと考えていると言う。たとえば、お客様が気に入りそうなものを的確に選んで提案することで接客時間が効率化でき、結果的にそれはお客様側のメリットにもなる。

残業がないことで離職率も減り、母親になっても戻りやすい職場づくりは、人手不足対策でもある。ボトムアップでスタッフの意識が変化したシップスの改革は、同業他社からもそのノウハウを教えて欲しいと請われるそうだ。そしてシップスはその手の内を明かすという。「BIGであるよりGOODでありたい」という、三浦義哲社長の言葉どおり、大きくすることより、質を高めることを重視した結果、働きやすい環境が生まれたと言えるだろう。

「店舗の働き方改革」特集の第2弾はアダストリア編をお届けする。

(つづく)

取材・文/林ゆり(Y’s company)
構成/久保雅裕(encoremodeコントリビューティングエディター)



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