――前作『GOLDEN EPOCH』以来3年ぶりとなるアルバム『Dance Dance Dance』は、どんな作品になったと思いますか?

タカシ「3年ぶりに加えて今のご時世的なものも含めて、アルバムを作るときの大前提として、自分たちがやるべきことはアルバムを聴いてくれる人やライブに来てくれるみんなを笑顔にするっていうのを一番に思っていました。それが国内だけでなく、世界のみんなと笑顔を共有できる…そんな作品にしたいなって。10周年に出すアルバムだからと言って今までの集大成にするんじゃなく、しっかりとしたコンセプトを持ちつつ、新曲も惜しげもなく出す。まさに盛りだくさんなアルバムになったと思います」

――今回、こういう世界各国の要素を取り入れていくと聞いてどう思いました?

カイ「面白れぇじゃん!って思いました」

リョウガ「ずいぶん強キャラじゃねぇか(笑)」

ユーキ「でも、そもそも7月にリリースした「CARNAVAL」から始まってるわけじゃないですか。“超特急がサンバで日本を!世界を!元気に!”からスタートして、そこからのアルバム『Dance Dance Dance』では“僕たちのダンスで世界中を元気にするぞ”がコンセプト。本当に各国のいろんな楽曲が集まって、僕たち自身も、この国ってこういう曲なんだっていう発見もありました。しかも、アクの強い曲があると思いきや、「You Dont Care(※通常盤のみ収録)」みたいなR&Bテイスト、“僕もこういうの待ってた!”って思うような曲も入ってたりして。今の僕たちはこういうこともできるんだよっていう強みがしっかり備わっていて、またさらに振り幅が広がったアルバムになったのでうれしいです」

タクヤ「幅広いジャンルの曲でアルバムが展開していくから、聴いてくれたみんなは飽きないだろうし、どれか1曲は自分好みのものが見つかると思います。タカシも言ってた通り、本当盛りだくさん」

リョウガ「超特急って、例えばライブとかで、曲のジャンルが豊富だから“情緒不安定”ってよく言われるんです。そういう強みをうまいこと各国それぞれのジャンルに当てはめて形にしたのが今回のアルバム。自分たちの強みと世界の曲たちというところで、うまく化学反応が起きたんじゃないかなと思いました」

――では、ここで早速みなさんの“推し曲”を教えていただければと思います。タカシさん、いかがですか?

タカシ「収録曲の中ではかなりバラードの部類に入る「Holtasoley」。国で言うとアイスランドで、曲のイメージもまさにそんな感じで“冬曲”がまた1曲増えたように思います。作詞作曲してくださったヒゲドライバーさんは、超特急では「Whats up!?」とか、かなりアゲアゲの曲をやっていただいているんですけど、今回はガラリと変わった1曲を作ってくださいました」

ユーキ「僕は「Добрый день(ドーブリジェン)」で。ダンサー4人がボーカルも含めて担当している曲なんですけど、サウンドが、僕がすごい好きなEDMの感じ。こういうゴリゴリなテイストの曲って意外となかったので、踊っていてもめちゃめちゃ楽しそう。あ、自分たちで歌ってるから逆に辛いかもしれないですけど(苦笑)。でも、シンプルに音で心が躍る曲です」

――「Добрый день(ドーブリジェン)」についてはのちほどじっくり伺わせてください。タクヤさんの推しは?

タクヤ「もしかしたら新曲に埋もれてみんな忘れちゃってるかもしれないけど、僕は9曲目に入っている「CARNAVAL」です。そこまでいろんな国を旅して来て、ここでブラジルに戻っても全然引けを取らないサンバのリズムに、情熱的な歌詞。やっぱり「CARNAVAL」だなって」

――わかります。リリース時はかなり衝撃を受けたんですけど、不思議なことに、アルバムの中で聴くとホッとするというか。

タクヤ「そうですよね。なんか、おうちに帰って来たような。まぁ、次の曲(「大大大地」)でまたすぐにスゴいところに行くんですけど(笑)。だからこそ「CARNAVAL」はアルバムの中のおうちみたいな存在ですね」

カイ「騒がしい大家族だ(笑)。で、僕は「Dance Dance Dancing!」が好きですね。アルバムのタイトルにリンクしてるし、曲自体も今流行りの感じ。なんていうか、ONE DIRECTIONから始まり、BTSになり、超特急に繋がるみたいな。あと、こういう曲ってあまり嫌いな人はいないと思うんですよね。歌詞もいい意味で意味がない。単純に“踊ろうぜ!”ってことをただ言ってるだけ(笑)」

タカシ「あとはアメリカのツアーをしてる感じ。“これがハリウッドで、これがマイアミで”って言ってるだけ(笑)」

カイ「そうそう(笑)。こういうのって、今だからこそ聴きたい曲。頭をカラッポにして、みんなで一緒に踊ろうよって誘う曲だと思うので、ライブでも楽しんで踊ってほしいです」

――リョウガさんの推し曲は?

リョウガ「僕は「大大大地」です」

カイ「前前前世?」

リョウガ「違います。前世でも後世でもなく、今自分たちが立ってる大地!この曲を作詞作曲してくださっているcorin.さんは「SAIKOU KOUSHIN」の編曲をやってくださった方なんですけど、やっぱりやかましいなと(笑)。聴いていて、“うわっ!何だこれ!?”みたいなやかましさを、うまいことアフリカの母なる大地から湧き出るパワーに還元しているというか。でも、サウンドはちょっとファンクっぽい感じがあって、すごくオシャレ。中毒性のある曲に仕上がっています。ただ、歌詞は基本、よくわからないです(笑)」

ユーキ「無関係とかね」

リョウガ「そう、途中で“ケチャ 無関係”って言ってるんですよ。“無関係なんかーい!”っていう(笑)」

タカシ「“特に深い意味はなし!”とか(笑)」

リョウガ「ダンサーの声もちょこちょこ入ってるんですよ。後半のダダダダダ〜みたいなところもそうだし、アフリカの地名が並んでいるところも頑張ってダンサーが言ってるので。本当、<大地のビート>がこもってます!」

カイ「歌詞から引っ張ってドヤってる(笑)」

リョウガ「すみません(笑)」

――今作はダンサーのみなさんが参加されている楽曲が多いですよね?

タカシ「ダンサー曲の「Добрый день」以外にも「Yodelic Fire」、「CARNAVAL」、「大大大地」、「Te quiero mucho」にも入ってるし、「Chill out @JP」にはカイが参加してくれてるし」

ユーキ「結構入ってますね」

――楽しくレコーディングできました?

タクヤ「そうですね。レコーディングは毎回楽しくやってます。特に今回は結成10年目に突入する年で、そろそろメインダンサー&バックボーカルだけじゃ、ちょっとつまらない。刺激が欲しい。となると、ダンサーの歌も解禁して、もっと自由にいろんな表現ができればなと思って……て、ちょっとボケたつもりだったんだけど、誰からもツッコミが来なかった(笑)」

リョウガ「えーーー!?

タカシ「意外と理にかなってるなと思った」

タクヤ「だとしたら、私は歌いません!」

リョウガ「いや、こうやってタクヤが言ってるんで。タクヤを筆頭に、僕たちも頑張ろう」

ユーキ「まずはボイトレから頑張ります!」

カイ「意外とユーキが一番乗り気(笑)」

ユーキ「(レコーディングは)緊張するけど」

タクヤ「今回も「大大大地」に出てくる地名、めっちゃ練習してたもんね」

ユーキ「だって、音の取り方がちょっと変わってるから。でも、野生感溢れた感じで歌えたと思うので、ぜひともそこを聴いてもらえたらなって思います」

――今回の楽曲では各国の音楽のジャンルだけでなく、歌詞の中にもその国の言葉がちりばめられています。タカシさんは不慣れな言語の発音に苦労したとか、歌うのが大変だったことはありましたか?

タカシ「アイルランド語とかスペイン語とか自分があまり知らない言葉に関しては、そもそも自分の中にもその概念がないから、デモを聴いた感じでルビを振って音を真似するくらいで大丈夫でした。むしろ「Dance Dance Dancing!」は全編英語詞で、英語は喋れる人も多いと思うので逆にハードルが高く感じましたね。どの曲も、特に誰かに教えてもらってとかじゃないので……」

――発音の先生がいるとかじゃないんですか?

タカシ「いないです、いないです。自力で覚えて、自力で和訳してます」

――それはすごい!

リョウガ「タカシは逞しいんです」

タカシ「だから今回のレコーディングは、どれだけ練習しても、どういう聴こえ方になるかなぁっていう不安はずっとありましたね。あと、発音と関係ないけど「Sonrisa」の歌詞を覚えるのにちょっと苦労しました」

タクヤ「覚えるんだね」

タカシ「もちろん」

ユーキ「何その、“俺は違うけどな”みたいな空気(笑)」

タクヤ「いや、僕はその場でやるから。って、タカシとは明らかに(覚える)分量が違うんですけど(笑)」

リョウガ「それは当たり前だし、事前に練習しないのは問題あるぞ(笑)」

カイ「レコーディングの直前に音源聴くの、世界でタクヤだけですよ(笑)」

(後編に続く)

取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣

BULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live 「Dance Dance Dance」

11月23日(火)@さいたまスーパーアリーナ(埼玉)

BULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live 「Dance Dance Dance」

超特急『Dance Dance Dance』

2021年1110日(水)発売
初回限定盤(CD+Blu-ray)/ZXRC-2081/7,480円(税込)
通常盤(CD)/ZXRC-2082/3,300円(税込)
SDR

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