fl_171213_jazztronik_main

選曲家の声
2017.12.13

野崎良太(Jazztronik)×Suppage――OTORAKUスペシャルインタビュー(前編)

USENの店舗用BGMサービス「OTORAKU」は、国内メジャーレーベルから海外のインディーズレーベルまで多彩な音源をラインナップするプレイリスト型ソリューション。「OTORAKU」のローンチからキュレーターとして参加している野崎良太(Jazztronik)にBGM選びのメソッドと自身のミュージシャンシップについて語ってもらった。

<PR>
BGMアプリ「OTORAKU -音・楽-」 Curation by 野崎良太(Jazztronik)



——まずは野崎さんについて、Jazztronikについて、簡単に自己紹介をしていただけますか。

野崎良太「Jazztronikは特定のメンバーを持たない音楽ユニット……ってオフィシャルサイトには書いてありますが、ライブではやり慣れているメンバーの方がよかったりするので、最近は同じメンバーになることも多いです。初期のころは本当に毎回違うメンバーでやっていましたね。アルバムを制作したメンバーがいて、そのメンバーでライブをやるかというと、必ずしもそうではないですし、たとえばAという曲があって、それを演奏したメンバーがいて、次にそのAを演奏するときは全然違う編成になっていたりもします。自己紹介って難しいですね(笑)」

——形式的な質問ばかりで恐縮ですが、Jazztronikは野崎さんのアーティストネームという解釈で正しいですか?それともアートフォームによってJazztronikと野崎良太という名義を使い分けているということでしょうか?

「たぶんアーティストネームなんでしょうけれども、最初に世に出た名前がJazztronikだったということでしょうね。野崎良太(Jazztronik)って書かれることも多いんですが、僕自身はその呼び名をあまり好きではなくって(笑)。やっぱりJazztronikという名前が持っているイメージがあるじゃないですか。僕の音楽をあまりよく知らない人は、たぶん“賑やかなダンスミュージックに日本語の歌が乗ってる人でしょ”ってイメージが強いみたいで、それが足枷になることもあるし、名前に引っ張られ過ぎちゃうんですよ。もちろん僕の活動においては一番大きなプロジェクトである事は間違いないですが、野崎良太イコールJazztronikだけではないとも思っています」

——雑誌やウェブのインタビューを拝見していると、なんとなく、野崎良太(Jazztronik)という名義を、野崎さん自身が整理しきれていないというか、折り合いがついてない印象を受けたのであえて聞いてみたんですよ。

「そうですね。どちらかというと、野崎良太っていう名前が先に世に出て、そのなかの選択肢のひとつとしてJazztronikがあるという状況が理想的ではあるんですけど」

——USENの店舗用BGMサービス「OTORAKU」では、その野崎良太(Jazztronik)という名義でキュレーターとして参加していただいていますが、このプロジェクトに参加することになったきっかけは?

「ある日突然、オファーをいただきました(笑)。いや、僕、USENとは少なからぬ縁がありまして、2014年だったかな……SOUND PLANETで「寝れない人への処方箋/A Prescription」というテーマで選曲させていただいたり、もっと遡ると10年以上前ですが、STUDIO COASTの立ち上げ間もないころ、『water〜ageHa lounge vol.2〜 compiled by 野崎良太(Jazztronik)』(2003年)というコンピをやらせていただいたり、『JAZZTRONICA!!』(2005年)の制作でもお世話になったことがあって、わりと身近な存在だったんですね。だから“あのUSENがこんなことを始めたんだ”って感じでしたね」

——実際にキュレーションを手がけてみて、どうでしょう?手応えというか、ユーザーサイドの反応が見えないなかでの難しさもあるんじゃないですか?

「そうなんですよ。DJとかライブならフロアの反応が見えるし、CDだったらセールスとか、一定のフィードバックがあるじゃないですか。でもOTORAKUのプレイリストはそれを感じづらいので、“この選曲でだいじょうぶかな”って不安になったりしますね。とはいえ、これだけ膨大なアーカイブから曲を選ぶっていう作業もなかなかないですし、楽しくはあるんですが」

——何でしょうね。ひたすら素振りしてる感じ(笑)

「そんな感じです。OTORAKUには2016年の夏シーズンから参加していますけど、ぶっちゃけ、最初のころはすごく不安でしたよ。現場感というか手応えがないから。だから最近は、自分がよく行くお店とか飲食店をイメージしながら、“この季節だったらこんなBGMかな”って選曲してますね。でも僕がよく行くバーだと、“何このCD、どこで買ってきたの?”って音楽を使っていたりしてマニアック過ぎるので(笑)。その点、アパレルはイメージを掴みやすいですね。お店によっては、ロックばっかりだったり、ダンスミュージックばっかり流れてることもありますけど、僕はそこまでジャンルに囚われたくないので、いろんなジャンルの音楽を選ぶようにしています。正直、ひとつのジャンルで選曲したほうが楽なんですけど、僕的には、それをやっちゃうと仕事した感がなくなるし……だってお店で買い物していて、20分くらいそこにいたとして、ずっと同じBPMで4つ打ちのBGMが流れていたら退屈しちゃう。店員さんもきっと退屈しちゃうでしょ」

——そうしたセンスだったり、感覚がプロフェッショナルというか、野崎さんならではという気がしますね。

「そこは手を抜けないというか、特定のジャンルの音楽だけを選ぶだけだと他のサービスと同じになっちゃうから。そういうフラットな選曲のほうがいいっていう人もいるかもしれないし、そういうBGMが求められているシチュエーションもあるかもしれない。でも、せっかく野崎良太という人間が選曲しているわけですし、ちゃんとテーマを決めて、そのテーマに則したいろんなジャンルの音楽を選ぶということは常に心がけていますね」

——同じ選曲という作業ではありますが、フロアでターンテーブルを回すときは違う感覚ですか?

「やはりそれはだいぶ違っているような気がしますね。DJのときは、目の前にお客さんがいますからね。盛り上がりとか、現場の雰囲気を見て流れを掴もうとしますけど、BGMはこちら側からの一方通行ですから。プレイリストを作ってもランダム再生されちゃうと曲順も関係なくなっちゃうし。逆に、ランダム再生されても違和感のないプレイリストを作らなくちゃいけないと思っています。ミックスCDだったら話は別なんですけど」

(つづく)

取材・文/encore編集部
写真/柴田ひろあき(撮影協力/Suppage)



[  前編  ]|[  後編はこちら  ]



■LIVE INFO
12月28日 Big Band Live〜Album「BB1」Release Live〜@Billboard Live TOKYO
12月29日 Big Band Live〜Album「BB1」Release Live〜@NAGOYA BLUE NOTE
12月30日 Big Band Live〜Album「BB1」Release Live〜@Billboard Live OSAKA

■SHOP INFO
東京都渋谷区恵比寿西2-14-10 TWONE 2F
TEL.03-6452-3172
info@suppage.tokyo
ランチタイム:12:00〜16:00(土日祝日定休)
バータイム:19:00〜(日祝日定休)



Suppageのランチは月曜日から金曜日まで料理人が日替わりでキッチンに立つタイムシェアスタイル。火曜日の料理人は「やまと薬膳 からだリセット」の中島ふみえさんと五十嵐みかさん

やまと薬膳は、奈良在住の料理研究家、オオニシ恭子さんが提唱する料理メソッド。からだリセットは、オオニシさんに学んだ中島さん、五十嵐さんによる料理ユニット。「私たちは修行中なので、まだお店を構えていないんですが、Suppageさんにお声がけいただいて、思いがけずお客さんと接する機会ができました」と中島さん

目にもからだにもやさしいこの日のランチ2品。発酵ランチプレートは、玄米ご飯に、春菊とひじきのヘンプサラダ、ぬか漬け、きんぴら、さつまいもの茶巾、柿と大根のなます、大豆のレンコンコロッケなどの惣菜にキクイモのポタージュを添えて。白いスープボウルは、イタリアの郷土料理をアレンジしたやまとカネデルリ



Jazztronik『BB1』
2017年12月20日(水)発売
PCCA-04612/1,800円(税別)
ポニーキャニオン


BGMアプリ「OTORAKU -音・楽-」 Curation by 野崎良太(Jazztronik)