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GUNS N’ ROSESが大規模なリユニオン・ツアーを行ない、しかもアクセル・ローズはAC/DCでも歌うことになる。……たとえば去年の今頃、誰かがこんな大胆予測を口にしてみたところで、信じる人間など皆無だったに違いない。しかし2016年、それが現実となり、ロック界における最大級の話題となっている。

まずGUNS N’ ROSES(以下GN'Rと略す)が劇的な復活を遂げたのは、去る4月1日のこと。デビュー当時のラインナップが完全に蘇生したわけではなかったが、ハリウッドの老舗クラブ、トゥルバドールのステージに立つアクセルの両脇にはスラッシュとダフ・マッケイガンの姿があった。公演の日付が日付だけに「エイプリル・フールならではの、たちの悪い冗談なんじゃないの?」といった声もなくはなかったが、噂は本当だったのだ。同公演はいわゆるウォームアップ・ギグ的なもので、バンドはその後、ラスヴェガスとメキシコシティでの二夜公演、さらには『コーチェラ・ヴェレー・ミュージック&アーツ・フェスティヴァル』への出演を経てきている。

その『コーチェラ~』出演時、彼らの演奏に突如加わったサプライズ・ゲストがAC/DCの看板ギタリスト、アンガス・ヤングだった。それはちょうど、聴覚障害のため大音量の演奏環境でのライヴ活動にドクター・ストップがかかった同バンドのヴォーカリスト、ブライアン・ジョンソンのピンチヒッターとしてアクセルが起用されるとの噂が広まりつつあった頃のこと。そして、この噂もまた現実となった。5月7日、ポルトガルのリスボンを皮切りに、AC/DCはスタジアム規模でのヨーロッパ・ツアーを再開。アンガスの刻むギター・リフの上でシャウトしているのは、間違いなくアクセル。その事実を裏付ける写真や映像は瞬時にしてSNSを通じて世界中に広まり、すぐさまロック・ファンにとっての最大の関心事となった。

まさかこんなことが起こり得るとは、思ってもみなかった。筆者は1985年、GN’Rが公式な音源を発表する以前からこの名前に目をつけ、以降ずっと彼らに関する取材や執筆活動を続けてきたが、こうした一連の出来事というのは、過去30年に及ぶGN’Rウォッチャーとしての経験のなかでも、最大級の驚きを伴う“事件”だったといえる。当然、彼らの周辺が騒がしくなれば大人しくしていられるはずもなく、4月にはラスヴェガスでのGN’R公演を観に行き、5月にはドイツに飛んで、同26日に開催されたAC/DCのハンブルク公演を目撃してきた。どちらの場所でも、日本からの渡航者たちを含め、世界各地からの熱狂的ファンと遭遇することになった。

その、ラスヴェガスでの二夜公演の模様については、すでに『BURRN!』誌6月号、さらには6月6日に発売された僕自身の新刊『ガンズ・アンド・ローゼズとの30年』のなかでも書かせていただいているが、それはまさに「歴史的瞬間に立ち会った」というよりも「あり得ないはずのものを目撃できた」という感慨を伴うものだった。そうした感覚というのは、実は当事者たちにも共通するものなのかもしれない。実際、GN’Rはこの夏にも全米各地のスタジアムを巡演することになっているが、そのツアーには『NOT IN THIS LIFETIME』というタイトルが掲げられている。すなわちこれは、“生きているうちには起こり得ないはずだったこと”なのである。

ここで事実関係を整理しておくと、アクセルが参加しているAC/DCの欧州ツアーは6月15日のデュッセルドルフ公演をもって終了に至る。そしてその翌週、6月23日にはGN’Rの全米ツアーが開幕し、その終了からわずか5日後の8月27日からは、再びAC/DCのツアー(延期措置が取られていた北米ツアーの振り替え公演)が開始される。GN’Rのその後の活動計画については、6月8日現在、公式な形では明かされていない。が、欧州や南米をツアーせずにいるはずはないし、2017年1月にはオーストラリア、2月には日本に上陸するらしいとの未確認情報も飛び交い始めている。

2017年といえば、あの衝撃的デビュー作、『APPETITE FOR DESTRUCTION』の発売30周年にあたる記念すべき年でもある。しかも2月というのは、かつて1992年、1993年にGN’Rの東京ドーム公演が行なわれた時期にもぴったりと重なってくる。なんという巡りあわせだろう。伝説上の存在としてではなく、現在最強のロック・バンドとしてのGN’Rに対峙する瞬間到来を待ちながら、今のうちに彼らの歴史と向き合い、この“あり得ない現実”の意味を考えてみたいところである。

次回は、筆者が実際に目撃したGN’RとAC/DC双方の最新ライヴの様子を踏まえながら、彼らの“止まらない進化”について書こうと思う。そう、復活を遂げたGN’Rも、不変のバンドと呼ばれ続けてきたAC/DCも、今なお進化を続けているのだ。 (つづく)
<Vol.02は6月17日正午にアップ予定です。お楽しみに>

文/増田勇一



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ラスヴェガスのTモバイル・アリーナ。4月8日、GN'Rはここで本格的な復活ののろしを上げた

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バンドを愛し、取材してきた増田勇一が書き尽くす
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