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2016.01.12

ズーム in 「ビルボードライブTOKYO」       ~2016/02注目のアーティスト~        “ポップ・ミュージック界のカメレオン”=高野寛

次月のビルボードライブTOKYOの出演者から、おすすめアーティストを紹介する当コーナー。今回は畠山美由紀、おおはた雄一とともにステージに立つ、変幻自在のシンガー・ソングライター、高野寛。

高野寛というミュージシャンを、ひとことで言い表すのは非常に難しい。もちろん、ソロとしてシンガー・ソングライターであることが基本ではあるのだろうけれど、さまざまなジャンルを取り入れたサウンドは、「○○系」というような分類をするのがとても困難だ。また、ギタリストとしてバンドやユニットにも参加するし、大御所から若手までをサポートする仕事も非常に多い。おまけに大学で教鞭を執るという一面もある。こういった多彩な部分やカラフルな印象、そして時代に応じて変化してきたということを捉えると、“ポップ・ミュージック界のカメレオン”なんて言いたくなってしまう。

彼が世に出てきたのは、30年前の1986年に遡る。高橋幸宏と鈴木慶一が主催するオーディションに出場して見事合格。サポート仕事を経た後に、高橋幸宏プロデユースのもと、1988年にシングル「See You Again」でデビューした。そして、1990年に発表した4枚目のシングル「虹の都へ」が、MIZUNOのスキーウェアのCMタイアップに抜擢され、あれよあれよという間にチャートを上昇。続く「ベステン ダンク」も大ヒットを記録した。しかし、ただ売れただけでは後が続かなかったはず。トッド・ラングレンがプロデュースしたアルバム『CUE』(1990年)や『AWAKENING』(1991年)の充実した内容によって、マニアックな音楽ファンからも一目置かれるようになるのだ。また一方で、オリジナル・ラヴの田島貴男とのデュエット「Winter’s Tale~冬物語~」(1992年)というスマッシュヒットを送り出すなど、硬軟自在にイメージを使い分け、良質な作品を作り続けている。もともとは宅録ポップというイメージが強かったが、生音にこだわったアコースティック編成も多く、一方では先鋭的なエレクトロニカを取り入れる面もあるが、常に新しい感覚を生み出している印象が強い。キャリアが長いのにも関わらず、後ろを向いている印象がまったく無いのだ。その証拠に、現時点で最新作となる『TRIO』(2014年)では、ブラジルの先鋭的なミュージシャンたちと録音することで新しい可能性を模索している。

そういった意味では、いちミュージシャンとしての活動に関しても、最先端を突っ走っている印象が強い。BIKKE(TOKYO No.1 SOUL SET)と斉藤哲也(undercurrent)によるNathalie Wise、原田郁子(クラムボン)、tatsu(レピッシュ)、坂田学との4B、宮沢和史率いる多国籍バンドのGANGA ZUMBA、そして高橋幸宏や原田知世などを擁するpupaと、参加するバンドやユニットの幅広さにあらためて驚かされる。そして、これらに彼が参加することによって、どこか独特のカラーが生まれているのを感じさせてくれるのだ。YMOからテイ・トウワ、YUKIやスキマスイッチにいたるまで、彼の個性を必要としているアーティストはたくさんいるのだ。

さて、そんな唯一無二の個性を持つ高野寛がビルボードライブ公演で行うのが、畠山美由紀、おおはた雄一とのコラボレーション・ライヴ。みずみずしい歌声でオリジナルからカヴァーまでを歌いこなす畠山と、アコースティック・ギターを抱えてフォーキーでブルージーな世界を構築するおおはたが、ポップ・ミュージック・シーンの鬼才とどのように交じり合い、化学反応を起こしてくれるのか。すべての音楽ファンにとって、注目すべきスペシャルな一夜になるに違いない。

文/栗本 斉



高野寛

畠山美由紀、おおはた雄一とともにライヴをお行なう高野寛。変幻自在のポップマエストロはどんなステージを見せてくれるのか?



<高野寛×畠山美由紀×おおはた雄一>
公演日:2016年2月5日(金)
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USENには、ビルボードライブTOKYOに出演が予定されているアーティストの作品などを放送するチャンネル「B-69 Billboard Live TOKYO」があります。

栗本 斉(くりもと ひとし)
文筆家/選曲家/ライヴ・プランナー
著書に『アルゼンチン音楽手帖』(DU BOOKS)、『ブエノスアイレス 雑貨と文化の旅手帖』(マイナビ)などがある。
⇒ ブログ「...旅とリズム...旅の日記」