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バレンタインデーとは何かを理解している人は、そう多くはいないはず。で、調べてみると結構ややこしい。
話はローマ時代まで遡る。
愛する人がいると出征地で兵士の士気が下がると考えた時のローマ皇帝・クラウディウス2世は、ローマでの兵士の結婚を禁止した。これに対し、キリスト教司祭だったウァレンティヌス(バレンタイン)は、兵士たちを秘密裏に結婚させていたためクラウディウス2世の怒りを買い、ついには処刑されてしまう。この処刑された日が2月14日だった。キリスト教の信仰を捨てなかったウァレンティヌスは聖人となり、2月14日は聖バレンタインデーとなった。

これが、最もポピュラーな由来とのことだが、このほかにも諸説があるらしい。それどころか、ウァレンティヌスの存在も実は疑問視されていて、カトリック教会では、1962年~65年に行なわれた第2バチカン公会議後の典礼改革で、ウァレンティヌスの記念日は削除されてしまい、公式な祝日とはなっていないそうだ。
とはいえ、“恋人たちの愛の誓いの日”という何ともロマンティックなイベントが忘れ去られるわけはなく、いまでも各地で「スペシャルデー」としてさまざまな形で続いている。

日本においては、どこかの菓子メーカーが「バレンタインにはチョコを贈ろう」というPRによって全国に広まったと噂されているが、どこのメーカーのプロモーションによるものなのか?という話になるとこれも諸説ある。
最も有名なのが、神戸のモロゾフ。1932年にバレンタインチョコを発売し、1936年2月12日付の英字新聞「ザ・ジャパン・アドバタイザー」には日本初となるバレンタイン広告を掲載している。しかしながら時代性を考えると、これを以ってバレンタインデーが広まったとは考えにくい。
その他の説としては、少し後になるが、1958年2月にメリーチョコレートと伊勢丹が行ったキャンペーン、1960年に「愛する人にチョコレートを贈りましょう」という新聞広告を掲載した森永製菓、1968年にはソニープラザもバレンタインのキャンペーンを行っている。また、西武百貨店、松屋、松坂屋なども新聞広告などでバレンタインデーをプロモーションしていた。
バレンタインが一般に広まったのが70年代半ばと言われていることを考えると、どのキャンペーンも大きな盛り上がりを見せることはなかったのだろう。

ここで考えられるのは、特定のメーカーや小売店が仕掛けたキャンペーンが広まったのではなく、散発的に行われていたキャンペーンを面白がった“先駆者”がいて、それが徐々に広がっていったのではないかということ。
その証拠に、泉麻人さんのブログ「昭和つれづれ日記」には「中学生だった1970年ころに初めてバレンタインの様子を目撃した」とある。彼が通っていたのが慶應の中等部だったことを考慮すると、一般に広まったのは3~4年後、つまり1970年代半ばということになるのだ。

同じくキャンペーンが定例のイベント化したものでも、平賀源内が「本日、土用丑の日」で広めた土用のうなぎや、某コンビニが仕掛けた恵方巻きが、仕掛けどおりに広まったのとは違った形で、バレンタインは定着していったのではないかと思われる。

話が長くなったが、各年代ごとのおすすめバレンタイン・ソングを集めてみた。それぞれの時代性を考えながら聴いてみてほしい。



1970年代
三島由紀夫の割腹、あさま山荘事件など現代日本の基礎が築かれた時代。70年代後半になって、やっと達郎さんや大滝さんが注目され始めた

山下達郎「不二家 ハートチョコレート '76(バレンタイン編)」(1976年)
「♪バレンタインは、ハートで……♪」という歌詞を見れば思い出す人も多いはず。ファンクラブで販売されている『山下達郎CM全集 vol.2』に収録

大滝詠一「ブルー・ヴァレンタイン・デイ」(1978年)
好きな女の子からチョコレートがもらえない気持ちを歌った切ないバラード。ときめき女子ではなく、しんみり男子目線のバレンタイン・ソング

1980年代
80年代中盤以降はおニャン子クラブが圧倒的な指示を受けるようになる。クリスマスイヴやバレンタインデーには高級ホテルが満室となるなど日本の絶頂期。

国生さゆり「バレンタイン・キッス」(1986年)
言わずと知れたバレンタイン・ソングのド定番かつ国生さゆりの代表曲。2011年には渡り廊下走り隊7がカバー

松任谷由実「Valentine's RADIO」(1989年)
バレンタインデーそのものを歌った楽曲ではないが、好きな男性への想いが綴られた作品。2013年には吉川友がカバーしている

1990年代
「総量規制」をきっかけにバブルが崩壊し低金利時代に突入。日本の不況が始まる。ただし、音楽業界においてはミリオンが連発されるほどCDがよく売れた

近藤ナツコ「バレンタイン・イヴ」(1995年)
バレンタインデーの前日に女子が抱く気持ちを歌った作品(だと思う)。なぜか当時のドミノピザのCMソングだったそう

2000年代
iPodの登場により、音楽がフィジカルからデータへと変化。CD不況が始まる。

Perfume「チョコレイト・ディスコ」(2007年)
Perfumeの出世作としても知られる作品。単純な胸のときめきだけでなく、「計算する女の子」と歌ってしまうところが彼女たちらしい

2010年代
“クール・ジャパン”の名のもと日本のアニメが世界的に注目を浴びる。バブル崩壊から続くデフレに改善の兆しが見えるものの、解決には至っていない

μ's「もぎゅっと“love”で接近中!」(2012年)
高坂穂乃果がセンターを務めるμ'sの4thシングルは、明るく、可愛い、王道のアイドルテクノだ

家入レオ「チョコレート」(2014年)
彼女が12歳の時の実体験を基にした甘酸っぱいラブソング。等身大の歌詞は“男の子”ではなく、“女の子”のハートもわしづかみに……

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大滝詠一
「ブルー・ヴァレンタイン・デイ」が収録された大滝詠一のアルバム『NIAGARA CALENDAR』


国生さゆり
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「バレンタイン・キッス」


Perfume
「チョコレイト・ディスコ」が収録されたPerfumeのシングル「Fan Service[sweet]」


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