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2019.01.09

オメでたい頭でなにより『オメでたい頭でなにより1』インタビュー――楽しませるっていうベクトル

オメでたい頭でなによりの音源を聴いていて常々思うことは、もっとシリアスなラウド路線でも行けるんちゃう?ってことで。まあ、もちろん彼らがそんな宗旨替えをするなんて想像もできないけど。真っ向勝負のセルフタイトルが冠せられた『オメでたい頭でなにより1』。圧縮陳列がごとく収められた怪作、奇作たちについてのインタビューを。

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──『オメでたい頭でなにより1』、聴かせていただいて、笑えて、ぐっときて、音楽的カタルシスも感じつつ、最終的にはよくわからないけど力が湧くアルバムだなと思いました。

赤飯「そういうふうに思ってもらえるんだったら、大成功かなと思います」

──バンド史上初のフルアルバムという意味では、これまで以上に期するところがあったんじゃないのかなと思うんですけど、いかがですか?

赤飯「実は今言われるまで、何も考えていなかったです(笑)。今、そっかって思ったんですけど、正直にいうと今までと変わってないです。毎回毎回、そのときにやれることのMAX値を出せるように作っていて、今回もそうです。僕らは自分たちのことをライブバンドやと言っているんで、ライブ想定で曲作りをしているんですけど、今我々に足りてないピースは何かって考えて作った結果、今回のアルバムができた感じです。その作り方も、昔から変わってない。最終的に、名盤っていうよりも、怪作、奇作ができたなと思います。一枚を通して、あんまり同じバンドの曲を聴いている感じにならないというか、一家のプレイリストをそのまま放り込んだみたいな感じというか(笑)。でも、それを狙って出したというよりも自然にそうなっちゃったんで、これが我々の今あるべき姿だって再び認識したというか。何も間違ってない、ぶれてないっていう意味では自信作ですね」

ぽにきんぐだむ「僕の音楽人生でフルアルバムを作ったのは初めてなんですけど、やっとこのバンドにいて活動しているっていう実感が湧いてきた一作になった感じがします。アルバムって、やれる楽曲の幅が広がるじゃないですか。このアルバムでも、ちょっと余裕を持ちながら、このバンドってこうだよねって自由さを出せたというか」

324「僕は、バンドの中でソングライティングを担当しているんですけど、このバンドって特定のジャンルに特化しているというよりは、やりたい放題にやるバンドじゃないですか。それでアルバムを出しましょうってなったときに、今までメジャーデビューしてからシングルを2枚出しているんですけど、アルバムっていうパッケージを作るときにはもっとやりたいことができる、いろいろと挑戦できるなっていうところで、アルバムでしかできないすごく面白い挑戦だったりとか、変な曲を――普通のバンドだったら、絶対に1枚にまとめないような――アルバムにしようって。このバンドは、ラウドロックをやってもメタルコアをやっても、ポップスをやってもバラードをやっても、思いっきりふざけても許されるすごく特殊なバンドだと思うので、そういう意味ではこのバンドにふさわしいアルバムになったなって思います。ただ、いろんな曲調がありすぎて、大変でしたね。同時進行でメタルコアとポップスとか、頭が変になりそうになりました(笑)」

赤飯「俺は全然平気だったけど(笑)。一曲一曲、向き合ったよ!」

ミト充「個人的にはいろんなジャンルをやりたい人なんで面白かったんですけど、ドラムも曲によって落差がけっこうあって大変でしたね。アルバムとしては、これまで好き勝手やりつつも次はちょっと違うことをしようって話しながら、枝分かれしていった音楽性が出せたと思うし、バンドのとがった部分を全部入れられたアルバムなのかなと思います」

mao「10月ぐらいに本格的に制作が始まったときは、まずは本当に1月にリリースできるのかなって不安でしたね(笑)。結果、“楽しく、幸せに騒げる、底抜けに自由でオメでたいバンド”というコンセプト通りの作品になったかなって」

──アルバムを作る前にいろいろと話したんですか? それとも、作りながら探っていった感じでしょうか?

324「結果的にこうなった感じですね」

赤飯「目標を決めてそこに向かって進んでいったっていうより、蓋を開けたらこうなってたっていう(笑)」

ぽにきんぐだむ「コンセプチュアルなバンドでは絶対にないですから。タイトルがセルフタイトルになっているじゃないですか。なんでそうなったかっていうと、まだ内容も決まってない段階でタイトルはつけなきゃねっていう話になって、いろいろメンバー内でもタイトルを考えたんですけど、そうじゃないねっていうものばっかりで。だったら、『オメでたい頭でなにより1』にしようって。やりたいことをやった曲を散りばめたので、それで辻褄が合ってるというか……何か意味のある言葉をタイトルにして先に印象を与えるんじゃなくて、フラットに聴いてもらえることにもなるかなって」

──今回が『オメでた1』だと、セカンドアルバムはおのずと『オメでた2』になる?

ぽにきんぐだむ「そうなりますね」

赤飯「ミニアルバムだったら1.5(笑)」

──みなさんだったら、いきなりそのルールを変えても受け入れられそうな気もしますけどね。

赤飯「けっこう数字を積み重ねてきたのに、いきなり違うタイトルにするみたいなね(笑)」

ミト充「でも、セルフタイトルだと、これが今の自分たちですっていう意味になるので、すごくいいですよね」



ぽにきんぐだむ(Gt&Vo.)→赤飯(Vo.)→ミト充(Dr.)

赤飯→ミト充→324(Gt.)



──1stアルバムでオメでたを初めて聴く人たちって、「なんだこいつらは?」って思うはずなんですが(笑)。「こんな曲、何を考えて、どこから発想してできているんだ?」って。そこで、アルバムの中から何曲かを例にして、オメでたの曲の生まれ方というか、発想法を紐解いてほしいんですけど。

ぽにきんぐだむ「わかりやすいところだと、9曲目の「終わらない恋からの脱出(妄想LIVE Ver.)」じゃないですか?

赤飯「わかりやすいか(笑)?」

ミト充「わかりやすくはないんじゃない(笑)?」

mao「面白いけどね」

ぽにきんぐだむ「いやいや、すごくわかりやすいよ!僕ら、過去に2回ぐらい大きなワンマンライブをやってるんですけど、そこで言われたのが“箸休めになる曲がないよね”っていうことなんです。最初から最後まで駆け抜けて終わるみたいな(笑)。だから、ワンマンライブってなったら、ちょっとミドルテンポの曲があってもいいんじゃないかっていう話はずっとあったんです。じゃあ、手拍子とかをしながらゆったり聴ける曲を作ろうかって思って。そのときに、手拍子ができる歌ってなんだろうって考えたんですけど、90年代のポップスというか、でっかいホールでみんながハンドクラップしているような曲が理想だよねって」

324「どんどん突き詰めていったらこの形に落ち着いて」

ぽにきんぐだむ「これだ!ってなって(笑)。じゃあ、僕らなりの90年代ポップスあるあるみたいな楽曲を作って。さっきまでラウドロックをやっていたのに、いきなりポップスになったらそれだけで一個のボケになるんじゃないかっていう発想もありましたし。そこから始まって、作ったはいいんですけど、ただめちゃくちゃいい曲になって(笑)。そこから、ただのいい曲じゃ面白くないから、大御所のアーティストさんたちがドームやアリーナでやっているライブのあるあるを入れようと。そういうライブって、絶対に2番とか終盤になってくるとサポートメンバーの紹介があるよねとか、大サビは歌わずにマイクを客席に向けるよねとか、大御所ライブあるあるをどんどん詰め込んでいって、最終的に完成したのがこの曲です」

──ただのいい曲だと面白くないねって、もう一回やり直すのがらしいですよね。

ぽにきんぐだむ「そうですね(笑)」

赤飯「僕は、最終的にすごく面白い曲ができたなと思って、そもそもなかった2番の歌詞を、レコーディングも終わって完全に曲が出来上がってから作りました。だから、2番の歌詞はCDに収録はされてないけど、歌詞カードには印刷されています。しかも、実は2番の歌詞のほうが気に入ってるっていう(笑)」

──タイトルに「妄想Ver」とありますけど、2番の歌詞を歌っている光景をまさに妄想させるという(笑)。

赤飯「そうですね。将来的にどこかのライブでフル尺が聴けるかもしれないよっていう、未来を予感させる部分もありますね」

──そういう発想はぽんぽん出てくるんですか?

324「メンバー同士でしょーもない話をしているときに、なんか出てくるよね」

赤飯「逆に、真面目に顔を突き合わせて話しているときは、何も出ない(笑)」

mao「真面目な話をすると、その話が終わったあとに面白いアイデアが出てきたりするよね」 ──たとえば、「歌謡サスペンス劇場」の歌詞はどういう発想なんですか?

赤飯「「歌謡サスペンス劇場」はもちろん「火曜サスペンス劇場」なんですけど、火サスやから、崖で“私がやりました”って言わなあかん。じゃあ、その言葉をオメでたくするにはどうするかというところで歌詞を考えていきましたね」

──しょーもないことに真剣なんですよね。

赤飯「そうなんですよ(笑)」

ぽにきんぐだむ「「鯛アップ」は、とあるお話をいただいていたときに作っていたデモがもとなんですけど、そもそもタイアップというテーマがあって作っていた曲なので、企業に対するプレゼンというか、僕らはこういうことができますよっていう曲にしましたね」

赤飯「曲の長さは、きっちり90秒にして」

ミト充「めっちゃ営業してますからね」

ぽにきんぐだむ「実際にこの曲を企業さんに使っていただいていいんで」

赤飯「ご用命をいただければ、最短納期で歌詞を書き直しますよ。歌詞は1日で書き直しますし、完全納品という形であれば6営業日ぐらいで(笑)」

──それにしても、面白いかどうかは、オメでたにとって大きなポイントなんですよね。

ぽにきんぐだむ「ただ、自分たちは大爆笑しているんですけど、それが世の中的に面白いかどうかはわからないっていう(笑)」

赤飯「でも、うちらが面白いと思わないものは、そもそも出す気にならないんで。そういうところですね」

──そういう心持ちって、お笑い芸人に近いですよね

ぽにきんぐだむ「楽しませるっていうベクトルとしては近いかなって思います」

赤飯「音楽もお笑いもどっちも大好きなんで、どっちもちゃんとやりたいっていう結果だと思うんですよね」

──「ピ」という曲がありますけど、この「ピ」はなんですか?

赤飯「彼ピのピです。シンプルな恋愛ソングなんで」

──あー、女子高生とかが使っている?

324「女子高生から二十歳そこそこの子は、一瞬でわかるらしいですよ」

赤飯「でも、特定の世代にしか使われていない言葉をタイトルにすることによって、たとえば親子の会話が生まれますよね。

──お母さんが“この「ピ」は何?”って聞いて、娘が“お母さん、知らないの?”っていう?(笑)

赤飯「そういうことです。こういう曲が、世代間の架け橋になると我々は思ってますんで」



ミト充→324

mao(Ba.)→ぽにきんぐだむ



──バンド名のお話もしたいんですけど、インパクトの強さが目立つ一方で、名は体を表すというか、バンドの核になるコンセプトをしっかりと打ち出している名前でもありますよね。

赤飯「そうですね。僕の名前が赤飯なんで、バンドをやろうってなったときにやっぱり赤飯に合うバンド名がいいだろうなって。そもそも僕はソロで活動していたんですけど、赤飯っていう名前にコンプレックスがあったんですよ。ちゃんと考えずに適当につけてしまったので(笑)。でも、今さら赤飯という名前を変えるよりも、それを逆手に取ろうと。バンドをずっとやりたかったにもかかわらずうまくいかない、でもバンドへの気持ちを捨てられない、そんな自分に対して“オメでたい頭だな”っていう皮肉もあります。あと、前身バンドでライブをしているころに、ファンの方から“楽しそうでなにより”って言われたことがあったんですよね。その言葉を聞いて、“なにより”という言葉をつけたら、皮肉だけど肯定できるし、ポジティブな意味に変換できるなって」

──もともと「オメでたい頭でなにより」という言い方って皮肉みたいな意味合いがありますけど、言われたほうは「別にオメでたい頭でいいじゃないか」とも思いますよね。

赤飯「そうなんですよね。僕もそう思います。だから、その言葉がポジティブな意味になってほしいと思って活動してますけどね」

──今回のアルバムを踏まえて、これからの話をしたいと思うんですけど、いろいろとお話を聞いていて、オメでたはきっとずっとぶれずに進んでいくんだろうなって思いました。

赤飯「やりたいことを今やってるので、それはこれからもずっと変わらないでしょうね。まだ見せてないところもあるけどねっていう部分はありますけど」

ぽにきんぐだむ「ふざけ続けていると、真面目にやったこともボケになるんですよね。そのギャップが僕らの武器になると思うし、あえて道を絞らずに走れるなっていう気はしています」

──2月からは初のワンマン全国ツアーもスタートします。

324「全曲やると思いますし、演出も楽しみにしてほしいですね。あと、赤飯の故郷の松阪での凱旋ライブもあるので!」

赤飯「自分が胸を張ってやっていることを故郷で披露できるなんて、また夢が叶ったぜ!って思います。ライブではどうやったらみんなが楽しんでくれるかをいつも考えているんですけど、ロックショウというよりはエンターテインメント、テーマパークだと思っているし、そういう楽しみ方をしてくれたらうれしいですね。一曲一曲がアトラクションで、楽しんでいい思い出を作って、また来たいなって思ってもらいたい。だから、我々のライブは移動式のテーマパークみたいなものです。新しい演出もいろいろ考えているので、楽しみにしていてほしいですね」

(おわり)

取材・文/大久保和則
写真/桜井有里





■オメでたい頭でなにより『オメでたい頭でなにより1』リリース記念イベント
2019年1月12日(土) ~今 いくね くるね~ 前哨戦LIVE@タワーレコード渋谷店 CUTUP STUDIO
2019年1月13日(日) アコースティックライブ&サイン会@タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース

■オメでたい頭でなにより“1”マンツアー ~今 いくね くるね~
2月9日(土) 千葉LOOK(千葉)
2月17日(日) mito LIGHT HOUSE(茨城)
2月22日(金)ボトムライン(名古屋)
3月9日(土) MACANA(仙台)
3月21日(木) 梅田クラブクアトロ(大阪)
3月31日(日) vanvanV4(石川)
4月4日(木) マイナビBLITZ赤坂(東京)
4月7日(日) Sound lab mole(札幌)
4月11日(木) SECOND CRUTCH(広島)
4月13日(土) 高松MONSTER(香川)
4月14日(日) LIVEHOUSE CB(福岡)
4月21日(日) M’AXA(三重)





オメでたい頭でなにより『オメでたい頭でなにより1』
2019年1月9日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)/PCCA-04733/4,445円(税別)
ポニーキャニオン
オメでたい頭でなにより『オメでたい頭でなにより1』
2019年1月9日(水)発売
通常盤(CD)/PCCA-04734/2,593円(税別)
ポニーキャニオン




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