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2018.04.20

中恵光城(ABSOLUTE CASTAWAY)インタビュー――声優もこなす同人マルチクリエイター

ソロシンガー、声優としても活躍するABSOLUTE CASTAWAY代表の中恵光城(なかえ みつき)。そんな彼女が2018年4月29日の音系同人即売会「M3-2018春」でリリースされるABSOLUTE CASTAWAYの最新作『ASTRO=GRAPH』についてはもちろん、同人サークルでの活動や、さらには同人音楽とは?というテーマで語ってくれた。

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――今日は、4月20日からスタートする音楽ストリーミングサービス「SMART USEN」の「同人音楽専門チャンネル -doujin-」内で展開する「中恵光城(ABSOLUTE CASTAWAY)特集」に合わせて中恵光城さんにお越しいただきました。まずは中恵光城って誰?という人のために自己紹介を。

「はじめまして、中恵光城です。声優、中恵光城としては、マウスプロモーションという事務所に所属して活動をしておりまして、でもそれ以前からずっと音楽活動を続けてきたんですね。で、中恵光城として音楽活動するにあたって、ABSOLUTE CASTAWAYという同人サークルを立ち上げまして、CD制作だとかライブ活動をしています」

――なるほど。声優であり、シンガーでもあり、さらには同人サークルの代表でもあるということですね。

「そうですね。どちらが本業という意識もなく(笑)。声優も歌手も、どちらも声を使った表現なので。代表といってもソロプロジェクトというか、ひとりサークルなので、ABSOLUTE CASTAWAYとしてライブのオファーをいただくと、わたしが直接対応してブッキングしたり、ストーリー性のある作品づくりをしていますので、自分でストーリーを書いたり、プロデュースも手掛けてますね」

――なかなかマルチな活躍ですね。

「実は、わたし、USENさんのスタジオは、ナレーションのお仕事でちょくちょくお邪魔しておりまして、企業さんのコマーシャルだったり、ショッピングモールとか店内BGMのナレーションもやらせていただいているんですよ」

――ナレーターでもあるんですね。それはすごい!ちなみにABSOLUTE CASTAWAYの活動はいつごろから?

「別ユニットの同人サークルでの活動だったり、助走期間はあったものの、ABSOLUTE CASTAWAYとしての正式な音楽活動は2007年から、声優としてはちょっと遅れて2013年からスタートしました」

――ということは、昨年は活動10周年のアニバーサリーだったんですね。

「そうなんです。2017年から今年にかけて、アブキャス――ファンの方たちは略してアブキャスって呼んでくれているので――10周年として、“10個の新しい企画をやろう!”みたいなチャレンジをしていまして、えーと……たとえば、『ABCAS HISTORICA~ABSOLUTE CASTAWAY 10TH ANNIVERSARY 2007-2017~』という126ページの公式記念本を発売したんですが、これは、これまでにリリースしてきたCDに登場するキャラクター解説や小説を収めた設定資料集になっておりまして」

――すごいボリュームですね!

「そうですね(笑)。ジャケットのイラストレーションを描いてくださっているイラストレーターさんにイラストを描き下ろしていただいたりもしていますし、非常に読み応えがあると思います。メロンブックスさんの委託販売や、BOOTHさんのジカツウハンでご購入いだけます」

――ん?ジカツウハンって何ですか?

「あ、自家通販です(笑)。ピクシブさんが運営しているBOOTHというサイトに出品しています。メーカーさんでいうところの直販ですかね?同人サークルの場合、出品者は個人ということになりますので、商品は自家製ってことじゃないですか。だから自家通販って呼ぶんじゃないでしょうか」

――なるほど。通っぽくていいですね。自家通販って(笑)。えーと、ヒストリカっていうくらいですから、アブキャスビギナーにはぴったりですね。

「そうですね。あとは、2016年にリリースしたアブキャスのベストアルバム『ABCAS CHRONICLE』を聴いていただけると完璧ですね。他にも10周年企画として、今年2月に中恵光城ワークスベストとして『SPiNEL – Mitsuki Nakae Works Best Album -』をリリースしました。こちらはティームエンタテインメントからのリリースなので、メジャー作品ということになりますが。他にも昨年からワンマンライブ、バースデーイベント、クリスマスイベントなどなど、ライブやイベントは結構やらせていただきまして。あとは、今度のM3で受注生産のオルゴールを発表します」

――オルゴールアレンジのリミックスはよくありますが、オルゴールそのものってことですよね?

「はい。本物のオルゴールです。M3でプロトタイプをお披露目して、5月1日から1ヵ月間の期間限定でオーダーを受け付けて順次発送という流れになっています。「金平糖レトロチカ」というアブキャスの代表曲をオルゴール化するという企画で、10周年イヤーの期間から若干こぼれてしまった感じではありますが(笑)、これでフィニッシュですね」

――えーと、ABSOLUTE CASTAWAYって何?って聞かれたらいつもどう説明していますか?

「“中恵光城の個人音楽サークル”って説明しています。だいたいの作品で、アーティスト名は中恵光城、レーベル名はABSOLUTE CASTAWAYって表記しますから。もちろん同人サークルの名前でもありますし。基本、ひとりサークルなので、固定メンバーは中恵光城で、作品ごとにトラックメイカー、ミュージシャン、イラストレーターといったクリエイターさんたちにお声がけしています」

――一般的な言い方をすると、中恵さんは司令塔というか、音楽プロデューサーになるんじゃないでしょうか。

「んー……プロデューサーって名乗ったことはないですけど、役回りとしてはそうかもしれませんね。おかげさまで、作品をつくるたびに、いろんなクリエイターさんたちと知り合って、だんだんと輪が広がってきました」

――クリエイターさんはどうやって見つけるんですか?

「いちばん最初は、いろんな同人サークルさんのサイトを見て、音源を聴いて、“あ、この人に曲を書いてもらいたい!”って思ったら、メールを書いてお願いするって感じでしたね。M3やさまざまなイベントに参加するようになって、同人サークルやクリエイターさんたちと知り合って、そこからさらに新たな出会いが生まれて。本当、ああいうイベントでご縁が繋がってゆくんだなって実感しましたね。お互いの“好き”をぶつけ合うみたいな……同人音楽の醍醐味ですよね」

――一般的に言うインディーズ作品と同人音楽の違いってなんでしょう?

「インディーズと言ってしまうとちょっと伝わり方が違うかなという気はしていますね。微妙ではありますけど、インディーズの場合は、少なからずレーベルさんが作品に関わってくることがあると思うんです。でも同人音楽って、アーティスト=レーベル=同人サークルっていう自己完結型なんですよね。自家通販や同人イベント、同人ショップでの委託販売を作品発表の場としているのが大きな特徴なのかなって思います。いまは同人音楽もさまざまなジャンルがあるので、一概には言えないと思いますけど」

――では、中恵さんから見て、最近の同人音楽のトレンドって?

「そうですね、アレンジ方面だとやっぱり「東方Project」がいまも熱いんじゃないでしょうか。アニソンやゲームミュージックをアレンジして制作する同人サークルと、アブキャスのようにオリジナル楽曲を制作する同人サークルがありまして、ちょっと前までは、アレンジ方面が多かったように思います。でもいまでは「同人音楽専門チャンネル -doujin-」で配信されているような、オリジナル音源もどんどん増えているんじゃないでしょうか。オリジナルはそれこそジャンルが幅広すぎて、トレンドは分からないですね。教えてほしいくらいです(笑)」

――なるほどアブキャスもオリジナル音源ですよね。アブキャス名義の最新作は4月29日のM3で頒布される『ASTRO=GRAPH』ですが、どんな作品になりましたか?

「『ASTRO=GRAPH』は、「ASTRO=PHERE」、「ASTRO=HOPE」から続く天体シリーズの第3弾で、初のアルバム作品です。ファンタジーとSFの要素を持つストーリーが特徴で、歌詞も十二星座を構成する星をモチーフにするというコンセプトのファンタジーボーカルCDです。ファンタジーボーカルCDというのは、作品の世界観を表す言葉で、サウンドとしては重めのロックだったり、浮遊感のあるシンセサウンドもあるし、疾走感のある曲もあれば、そうでないものもあり……ジャンルは一定じゃないですね(笑)。新曲4曲に、1枚目のシングルだった「ASTRO=PHERE」のアコースティックバージョン「ASTRO=PHERE -Acoustic ver.-」など全10曲を収録しました」

――資料として見せていただいたストーリーボードとか、キャラクターや用語の設定集のようなテキストは、CDのライナーなどで読めるんですか?

「オフィシャルには、ほとんど出していないですね。楽曲制作のためのメモのようなものですから。最初に世界観を伝えるテキストを書いて、トラック毎のストーリーを切り出して、それを作曲家さんに投げて、出来上がってきたトラックに詞を書くという手順ですね。『ASTRO=GRAPH』では、作曲家さん4人、アレンジャーさん1人に参加していただいています。いままでほとんどこの手順で発注してきましたが、イメージどおりの楽曲に仕上げてくださる方ばかりなので、私の方からリテイクをお願いすることはほぼほぼなくって。まれに、わたしが付けた詞を見て“こういう詞だったら、もうちょっと違う曲にしようか?”って提案してくださる作曲家さんもいるのですが、そういうやり取りも創作する上でとても楽しくて、私自身も勉強になります」

――おもしろいアプローチですね。たとえば、前作「ASTRO=HOPE」に収録されている「レグルスの孤独」の橋本鏡也さんのトラックはすごくロックな感じですよね。

「橋本さんは重めのロックですね。というか、わたしが一方的に橋本さんの書く重めのロックが好きなだけで、橋本さんとしてはもっと違うサウンドが好きなのかもしれませんけど(笑)。前にお話ししたときに、リンキンパークとか、グリーンデイがお好きだって聞いたことがあるので」

――ああ、確かに言われてみると90年代以降のUSオルタナとかラウドロックぽいエッセンスが感じられます。

「私の歌の癖も知ってくださっているので、いつも橋本さんには重い曲を頼んじゃうんですけど、“もうちょっと違う曲も書けるんだよ”って言われたことがあって、ときどきアップテンポで激しい曲も頼むようになりました(笑)」

――『ASTRO=GRAPH』の1曲目、「アルリシャの星図」のHIR(エイチアイアール)さんは?

「HIRさんは、すごく幅広くいろいろなジャンルの曲を書けるかたで、うーん……ひとことでは説明できない!コンポーザーであり、そしてギタリストでもあり、マルチな方ですね。彼もサウンドにこだわりを持っているので、収録ではいろんなアプローチで歌唱を試してじっくりと作り上げていくことが多いです。たとえば「アルリシャの星図」では多重コーラスを取り入れているんですが、ひとつの旋律を四本分収録して音に厚みを出しているんです。あえてマイクと自分の距離を離して収録して、音に拡がりを持たせてみたり。声色や歌唱法を変えて歌って多重感を強調する、という提案してくださったりと、楽曲だけでなくレコーディングでの音作りまでクリエイティブな発想をされる方です」

――ウェブサイトでアブキャスのディスコグラフィを見ていたんですが、すごい数のCDをリリースしているんですね。

「基本的には、春秋のM3と、夏冬のコミケ、年4回が発表の場ということで、その全部は無理でも年3回くらいはシングルかアルバムをリリースしていますから」

――刀心幻戯もライフワーク的なシリーズですよね?

「天体シリーズと『刀心幻戯』などの和風ファンタジーシリーズがアブキャスのツートップですね。刀心幻戯のサウンドは和風ロックです。『刀心幻戯 憶』というアルバムでは、初めて生の尺八と琴の音を入れて。レコーディングを拝見したんですが、尺八も琴も、かっこよかったですね!」

――そうやって続々とCDをリリースしつつ、ライブ活動もしているんですね。

「2016年には、ASTEL GATEというライブシリーズを企画して、ライブもコンセプチュアルにしたかったので、ライブの曲間に、映像を入れて、それに自分でナレーションを付けて、ストーリー性を押し出して、ということにも挑戦しています」

――ライブはバンド編成で?

「そうですね。基本的にはバンド編成ですが、天体シリーズではシンセサウンドが重要なので、生楽器と同期を組み合わせてといった感じですね」

――しちごさん。との対バン企画はコラボイベントって感じで楽しそうですね。

「今年の1月、渋谷のカルチャーカルチャーで『しちごさん。×ABSOLUTE CASTAWAY Presents Another Flower Special Live 2017「Cross bouquet」LIVE CD頒布記念イベント』というライブ映像の上映会をやったりもしましたし、アブキャスとしては、いまやりたいと思ったことを全部やってみようという感じですね。いろんな方とのご縁があって、ファンの皆さんに支えられて。10年も続けられるとは思っていなかったので、本当にありがたいですね。しちごさん。さんとのコラボ企画も一区切りついたので、また新しいコラボとか対バン企画もやれたらいいなと思いますね」

――ということは、2018年春夏シーズンのアブキャスは、天体推しですね?

「夏のコミケか秋のM3では、また新作を出したいですね。今年中には、天体シリーズとしてのライブもやりたいんですけど、まずはハコも押さえなきゃなと(笑)。天体シリーズは、世界観的に、いつかプラネタリウムとか、屋外の星空の下でライブをやってみたいという密かな野望もありますので!」

――最後に、SMART USENの「同人音楽専門チャンネル -doujin-」リスナーの皆さんへのメッセージをお願いします。

「以前からアブキャスを知っている方からは、イベントのたびに、“ASTROの新作はまだですか?”という声をいただいておりましたが、ようやく『ASTRO=GRAPH』というアルバムでみなさんにお届けしますので楽しんでください。そしてアブキャス初めてだよ!という方には、まずは天体シリーズの世界観を感じていただいて、『刀心幻戯』を始めとした和風ファンタジーシリーズ、そしてもっと中恵光城を知りたいと思ってくださった方は、『SPiNEL – Mitsuki Nakae Works Best Album -』も聴いていただけたらうれしいです。皆さん、M3でお会いしましょう!」

(おわり)

取材・文/encore編集部
写真/桜井有里









中恵光城(ABSOLUTE CASTAWAY)『ASTRO=GRAPH』
2018年4月29日(日)頒布開始
1,667円(税別)
ABSOLUTE CASTAWAY






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