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2018.02.28

KEYTALK『Rainbow』インタビュー——いまのKEYTALKが鳴らすべき“強い曲”

一聴してストレートなかっこよさとメロディアスな印象を抱かせるKEYTALKのニューアルバム『Rainbow』。いまのKEYTALKが鳴らすべき“強い曲”、そして本作に散りばめられた新しい試みと面白いこととは?小野武正、寺中友将、首藤義勝、八木優樹の4人が語ってくれた。

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──5thアルバム『Rainbow』は、全体を通して、今まで以上の重み、深み、厚みがサウンドからも歌詞からも、KEYTALKというバンドの、よりシンプルで根源的なエネルギーが伝わってくる作品になっているなと感じています。まずは、今回のアルバムの制作がどんなふうに進んでいったのかというところから教えてもらえますか?

小野武正「9月10日の横浜アリーナ(横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目〜shall we dance?〜)が終わったあとに、それぞれのメンバーがデモを作る期間がありました。そのあと、そこで集まった音源をみんなで聴いて、この楽曲たちなら今のKEYTALKを凝縮した濃いアルバムができるんじゃないかってイメージを共有して、プリプロをしたりしつつ、11月にレコーディングをしたっていう感じですね。最初からこういうアルバムを作ろうって決めていたわけじゃなくて、作りながらどんどん全貌が見えてきた、走りながら景色が見えていったっていう感じです」

首藤義勝「今回は、とにかく強い曲を作りたいなっていう気持ちがあって、デモの制作から今まで以上に力を入れていました。直近に作った曲で「ロトカ・ヴォルテラ」があったんですけど、ちょっとダークでとがっていてクールでかっこいいっていう「ロトカ〜」のモードに冒頭の曲は引っ張られたところもあると思います」

──“強い曲”を、もうちょっと具体的な言葉にすると?

首藤「僕にとっては、コードとメロディーだけで成立する楽曲ですね。リズムやアレンジがどうこうではなく、まずコードとメロディーの時点で成立していて、プラス歌詞。その3点セットだけで勝負できる曲っていうのは、最初にイメージしていました。結果として、僕がイメージする強い曲が集まったので、あとはもっとアレンジで強くしていくだけだったっていうか」

八木優樹「僕も、デモ曲が集まった段階でリードとなりうる曲がけっこうあるなという印象でした。そこから軸になる曲や入れるべき曲を決めて、その上でこの曲あったほうがいいよねとか、いろんな角度から全体を見てできていきました。そんなふうに、すでに4番バッターになる曲がある状態で作っていけたのは大きかったですね。毎回そうなんですけど、今回は特に一聴して耳を引っ張られる曲が多かったので、そういう印象が強かったです」

──寺中さんは、どんな手応えを感じながら作っていきましたか?

寺中友将「さっき義勝が言ってた「ロトカ〜」に引っ張られたっていうのは僕も思っていて、あの曲でみんなに見せることができた、KEYTALKのただただかっこいい部分、その流れに沿っていけるアルバムだなっていうのは曲選びの段階から感じていました」

──『Rainbow』を聴くと、さきほどの言葉にあった“強い曲”がいまのKEYTALKが鳴らすべき音だという認識は、無意識の部分かもしれないですけど、みなさんが共有しているモードなのかなって。

首藤「それはみんな思ってたことだし、次のステップにいくためにはそういう曲がないとっていう。今までの曲を超える何かっていう共通認識は、絶対にあったと思います」

寺中「毎回、そういう意識は必要であって、今までも常にそういう意識は持ちながらやってきたとは思うんですよ。今回はあらためてここに向かってやってきたよねっていうのを思い返して、今まででいちばん達成できたっていう手応えはありますね」

小野「上を見たらきりがないですけど、もっと人気があったり、もっとかっこいいバンドはたくさんありますからね。結局、僕らの中にある向上心が尽きないというか、よりいいものを作っていきたいという気持ちの表れが今回のアルバムなんじゃないかと思います」

──完成したアルバムをあらためて聴いてみて、どんな作品になったと思いますか?

小野「メンバーの中では、八木くんがいちばんのヘビーリスナーですよ」

八木「完成してから1日に1回は通して聴いています!」

小野「じゃあ、7曲目は?」

八木「「黄昏シンフォニー」!」

小野「さすが(笑)」

──では、そんな八木さんにぜひうかがいたいんですけど、聴き手としてとらえてみた時に、『Rainbow』はどんなアルバムになったと思いますか?

八木「いちばん感じたのは、小さな音で聴いても楽しめる作品だなって。もちろん、大きい音で聴いたほうが楽しめるとは思うんですけど、小さい音で聴いても楽しめるっていうことは、曲そのものがいいっていうことなのかなって思います」

小野「その意見を初めて聞いたんですけど(笑)、確かに僕もそう思いますね。小さい音で聴いてもいいって、それだけメロディーが強いっていうことですよね」

八木「そういうことです。あとは、2人の歌がすごく良くて、その曲の世界観に連れていってくれる。特に冒頭の3曲とか、今までにない大人のエロい感じで素晴らしいなって思います」

小野「僕は、八木くんに比べたらまだまだライトリスナーですけど、ダークでディープな世界観からどんどん開けていく感じがあって、聴き終えたあとに何か始めようかなって気持ちになるっていうか。そういう感覚が、自分らのアルバムを聴いて得られるっていいなって思います。今までのライブ活動を経て、その経験がちゃんと血肉となって、魂がぶち込められたアルバムになっているんじゃないかなって」

──今、ダークでディープな世界観からどんどん開けていく感じという言葉がありましたけど、曲順に関してはかなり練ったんでしょうか?

小野「曲順については、みんなでかなりミーティングを重ねました。「Rainbow road」につながる流れをすごく考えたり、「黄昏シンフォニー」の位置を悩んだり、最後の曲をどうしようかって話し合ったりしましたね」

──いままでKEYTALKを聴いたことがない人、聴いたことはあるけど先入観を持ってる人に聴いてほしいアルバムになったとも思います。

小野「KEYTALKの音楽には、イメージとか先入観とかいろいろあると思うんですけど、それは確かに自分たちで作り出してきたものでもあります。でも、今までも今回も、単純にいいものができたからみんな聴いてよって感じです。本当にみんなに、いろんな人たちに聴いてほしいなって思いますね。これからのKEYTALKはこんな感じのモードでいくからよろしくってわけではなく、この先もまた新しいことにチャレンジしていくし、あくまで現段階での最高だと思うものを作ったという形なので」

──確かに、KEYTALKって毎回新しい試みをしているバンドだと思います。今回のアルバムで、実はこういう新しい試み、面白いことをしているという部分は?

首藤「僕の場合は、作詞ですかね。今回は、歌詞の舞台設定をより細かくするという新しいアプローチをしました。特に、「ワルシャワの夜」と「雨宿り」と「FLOWER」ですかね。「ワルシャワの夜」は舞台を戦争の中の話にしたりとか、「雨宿り」では別れが見えてる段階の男女を描いたり、「FLOWER」は家族愛をテーマにしたり。今まで避けてきたわけではないけど、書こうとすら思わなかった歌詞に挑戦たと思います」

──首藤さんの中で何か心境の変化があった?

首藤「というよりも、純粋に興味がわいたからです。結果、トライして良かったし、トライしないと広がらないなって、あらためて実感しました。次に書く詞もまた楽しみになりましたし、まだまだいろんなことができるんだろうなって思います」

小野「僕は、楽曲に対しての取り組み方だったり、フレーズの作り方だったり、レコーディングの時の気持ちの面も、割とその曲に引き出されるままに無意識に自分の中から出てくるものを優先して、かつ弾いていて楽しくて新鮮な演奏っていうのが今回のレコーディングでできました。ある意味、作り込みすぎない感じで、聴き返して面白いなってより思えるいいプレイ、フレーズが生まれたんじゃないかって」

──すごく緻密で複雑なサウンドでありつつ、理屈抜きで楽しめる印象が『Rainbow』には強いですよね。

小野「僕って割と理論マニアで、理詰めで音楽を作ろうとすると、それはそれでできちゃうんですけど、やっぱりこじんまりしちゃうんですよね。でも、今回は勢いでやったほうがかっこいいという感覚を優先しました。その上でそこに経験や知識も盛り込めたから、いいバランスでできたと思います」

寺中「僕の新しい試みは、歌詞の書き方ですね。具体的に言うと、歌詞を作る上で一度完成したものを見直して、もっといい表現がないかを探る作業をしました。歌詞だけで考えるんじゃなく、歌詞の意味に合わせて一度完成したメロディーを変えてみるということもやれたのが、今回は新しいことかな。その結果、だいぶ変わりましたね。特に、「旅立ちのメロディ」のAメロは当初からがらっと変わっています。歌詞を作っていく中でメロディーをゆっくりに変えたんですけど、そのほうがこの歌詞は伝わりやすいのかなって。それは、いままではやってこなかったことですね。今回、そういう歌詞の書き方に挑戦してみて、身を削るということの意味があらためてわかった気がします」

八木「僕は、「雨宿り」と「FLOWER」、「旅立ちのメロディ」』といったゆるめのテンポとやわらかい雰囲気を持った曲で、奏法をちょっと変えてみたりして、余韻を少し出すっていう試みを初めてやってみましたね。常に進化はしていきたいですし、前々からやってみたかったことなので、今回できたことが自信になったし、これからよりクリエイティブに音楽に関わることができそうだなって感じています」

──八木さんが作詞作曲を手掛けた「テキーラキラー」はどういうアプローチで?

八木「「テキーラキラー」は、サビのメロディーから広げていって、そこから歌詞を書いていった形です。メロができたときから、この曲はテキーラの曲にしようって直感しました。いつかテキーラの曲が作りたいって思っていたんですけど、このメロはテキーラにはまりそうだなって(笑)」

──テキーラは実際に好きなんですか?

八木「好きです。強くはないんですけど(笑)」

寺中「僕はあんまり好きじゃないですね」

首藤「僕も好きじゃないです(笑)」

小野「テンションが上がるっていう意味では好きですけどね。調子に乗って飲んじゃうんで、気づいたら記憶を飛ばしたり、インディー時代は大変なことになってましたけど、最近は大丈夫です」

──じゃあ、リアル・テキーラキラーは小野さんということで!最後に、アルバムタイトルについて、全国ツアーと幕張メッセでのライブについても聞かせてください。

首藤「もともと収録曲に「Rainbow road」があったんですけど、アルバムが完成した時に、「Rainbow road」の終わりの弾き語りのパートが印象的で、アルバムのターニングポイントになっているなって直感したんです。それに気づいたら、今回のアルバムに収録された曲には虹を連想させる瞬間が散りばめられているなって思えるようになって。あとは、いろんな色で虹はできていますけど、それはKEYTALKというバンドの在り方にも通じるなって思う部分もあって、『Rainbow』というアルバムタイトルにしました」

小野「全国ツアーは、アルバムの曲と今までの曲の混ざり合いが自分たちも楽しみですし、来ていただく方にも楽しみにしていてほしいですね。『Rainbow』の曲があることで、今までの曲の聴こえ方も違うと思いますし」

八木「久しぶりに行く場所もありますけど、前回行った時のライブを更新して、また新しく僕らのライブを記憶に刻んでもらえるようにしたいなって思います」

寺中「『Rainbow』を作ったことで成長できていると思いますし、それによって昔の曲もきっと成長していると思っています。『Rainbow』の曲との化学反応を楽しみにしていてほしいですね」

首藤「アルバムの制作でも新しい挑戦をそれぞれやったので、ツアーでも新しいことを思いつく限りはやっていきたいと思います。幕張メッセはツアーとはちょっと意味合いも違いますけど、晴れ舞台的な位置付けでもあるのかなって思いますし、いつも以上にいろんな人たち、これからKEYTALKを知ってもらえる人にも来てほしいなって思っています」

(おわり)

取材・文/大久保和則





KEYTALK『Rainbow』
2018年3月7日(水)発売
完全生産限定盤(CD+DVD)/VIZL-1324/3,800円(税別)
通常盤(CD)/VICL-64949/2,600円(税別)
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KEYTALK『Rainbow』
2018年3月7日(水)発売
通常盤(CD)/VICL-64949/2,600円(税別)
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KEYTALK『横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目〜shall we dance?〜』
2017年12月20日(水)発売
完全限定生産盤(Blu-ray)/VIZL-1278/6,400円(税別)
完全限定生産盤(DVD)/VIZL-1279/5,400円(税別)
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KEYTALK『横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目〜shall we dance?〜』
2017年12月20日(水)発売
通常盤(Blu-ray)/VIXL-205/4,900円(税別)
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KEYTALK『横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目〜shall we dance?〜』
2017年12月20日(水)発売
通常盤(DVD)/VIBL-871/3,900円(税別)
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KEYTALK『横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目〜shall we dance?〜』
2017年12月20日(水)発売
CD/VICL-64892/64893/2,900円(税別)
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