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2017.09.27

電波少女『HEALTH』インタビュー——メジャーデビュー!いまこの場所にいるという選択

日本語ラップ、ネットラップ、ナード……日本のHIP HOPシーンに確かな足跡を刻んできた電波少女(デンパガール)。2016年リリースのEP「パラノイア」でメジャーへの秒読みを開始。盟友たるjinmenusagi、NIHA−Cをはじめ、ぼくのりりっくのぼうよみ、ササノマリイ、れをるといった気鋭の客演陣を従えてのメジャーデビュー作『HEALTH』をリリースするハシシとnicecreamへのインタビュー。

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——まずは、メジャーデビューおめでとうございます!

ハシシ/nicecream「ありがとうございます」

——今後はCD屋さんでもメジャーの棚に並ぶわけじゃないですか。どのへんにカテゴライズしてもらいましょうか?

ハシシ「売れるCDはJ-POPの棚に並んでるって話なので……いや、どこでもいいです。J-POPでもHIP HOPでも、何ならK-POPでも」

——いや、K-POPの棚には置きませんけど(笑)。

ハシシ「でもファンの子たちの証言によるとアイドルの棚に並んでたことはあるとかないとか……」

——あー!アーティスト名が電波少女だから?ウケる(笑)。

nicecream「電波少女って名前でよかった」

ハシシ「まあ、ベースがHIP HOPであることは間違いないとして、ときにはロックだったり、ミクスチャー、ギターポップとかいろんなジャンルの音楽を取り込んで、ふだんHIP HOPを聴かない人にもその面白さが伝わるようにしたいなって思っていますけどね」

——デビューアルバム『HEALTH』のリリースを待ついまの心境は?

ハシシ「待ち遠しくもあり、恐怖感とか不安感もあり……」

nicecream「がんばんなきゃなって緊張感もあったり。でも前向きな感じですね」

——とはいえ、これまでアルバム2枚、EP、配信リリースもありますし、ライブも結構な数をこなしているので、キャリアという意味では新人離れしているとも言えますよね。

ハシシ「当然、いままでと変わらない部分もあるし、フィールドが変われば戦い方も変わってくるでしょうし。でもちゃんと面白いことをやっていきたいという気持ちは変わらないですね。だから臨機応変にやっていこうと思います。若いリスナーの子たちは、どうしてもメジャーって言葉に偏見みたいな感情を持っていたりするので」

——セルアウトしちゃって!みたいな?

ハシシ「それもありますし、“大人の事情でしょ”って先入観だったり。でも自分たちとしては、そういうメジャーのメリットとデメリットすべてを見たうえで、いまこの場所にいることを選択したので。だから、これからみんなに面白いものを見せられるかどうかっていうのは全部自分たちの責任だと思っています」

——nicecreamさんはどうですか?

nicecream「結局、たくさん練習してライブでがんばるっていうことはいままでどおりだと思いますし。チャンスっていう意味では、ライブの本数だったり、規模も変わってくるので、HIP HOPだったりブレイクダンスを知らない人たちにも楽しんでもらえるようなパフォーマンスをしたいなと思っています」

——ハコが大きくなってステージが大きくなれば、ダンスパフォーマンスの選択肢が増えますからね。

nicecream「そうですね。アクロバットはある程度のサイズがないとできないですから。ダンサーチームとのショウみたいなアイデアも実現したいですね」

——ちなみにniceさん的にインディー時代といまのサウンドの違いって感じますか?

nicecream「んー……『WHO』くらいからサウンドが変化してきたなっていうことは感じていて。『HEALTH』はその延長線上にあるというか……」

ハシシ「単純に1stはサンプリングで、『WHO』は打ち込みだったので、確かにサウンドは変化しましたね。不慣れではありましたけど、新しいことに挑戦して。もちろん『HEALTH』ではちゃんとそれを消化できたなって思いますけど」

——制作手法というか曲作りのパターンは?

ハシシ「いちばん多いパターンは、トラックメーカーに雰囲気を口で伝えて、大枠を作ってもらって、ピアノのコードだったりベースラインを受話器越しに遣り取りして完成させてゆくって手法ですね」

——パッドを使ったりは?ギターはわりと弾けるじゃないですか?

ハシシ「しないですね。ギターも初心者レベルですよ」

——ギターはどっちが上手いんですか?

ハシシ「んー……俺っすね!」

nicecream「いや!いや!いや!ギターはさすがに俺の方が上手いっす。まあ、すごい低いレベルの話ですけどね(笑)」

ハシシ「ははは!俺、コード見ながらだったら弾けるんですけど、理屈は全然わかってないので」

——リリックの書き方は変わりましたか?

ハシシ「簡単に言っちゃうと違いはないですね。まあ、面白くしたいって気持ちはいままでと変わらないので」

——じゃあ、ここでインディー時代を振り返ってみて、ターニングポイントになった出来事って何でしょう?

ハシシ「SD(ソニー・ミュージックエンタテインメントのオーディションプログラム)から声がかかったことですね。5年前かな?そういう会社っぽいところとコンタクトしたのは初めてだったので。それまで考えてもいなかったんですけど、ちょっと浮かれたっていうか、これで音楽で食っていけるかも!って勘違いしましたね(笑)」

——でもこうやってメジャーデビューできたわけですし、勘違いじゃなかったと。niceさんは?

nicecream「俺はメンバーが抜けてハシシと二人体制なったときですね。正直、すごい不安でしたね。やってけんのかなって。当然、ハシシも同じだったと思いますけど」

ハシシ「何かちょっと微妙なケンカしたりね。ライブとかでも、niceってそれまではおまけ的な扱いだったんですよ。フロントマンがふたりいて、その後ろにいるDJって感じ。それが二人体制になって重要度が増すじゃないですか。俺も結構焦ってたんで、“お前、本当にやる気あんのか!?”って詰めたりして」

nicecream「あったね。意志確認みたいなやり取りが。正式なメンバーとして参加することになったときもありましたけど」

——覚悟はあるのか?と。

nicecream「はい。俺としてはちゃんとやっていきたい気持ちがあったのでそう伝えましたけど」

——そういう前日譚がありつついよいよメジャーデビューということになったわけですが、そろそろアルバムの話をしましょうか。まずは『HEALTH』というタイトルについて。

ハシシ「意味は単純に健康ですね。まあ、自分のメンタルが不健康なので。あとはヘルスって響きですね」

——あー、それはエロい意味で?

ハシシ「はい。一瞬、んっ!?ってなるじゃないですか」

nicecream「というタイトルを俺はTwitterの告知で知りました」

——俺らのデビューアルバム、『HEALTH』になったんだ?って(笑)。

nicecream「タイトルの意味は、いま知りました(笑)」

ハシシ「業務連絡は以上です(笑)。あとは、全曲、歌詞にからだのパーツが入っていて。同じく1stの『BIO』は生き物、2ndの『WHO』はフィーチャリングアーティスト、つまり人間の名前が入ってるんですよ。だから生き物、人間、からだって三部作的な流れもあります」

——おー!シリーズになってるんだ。で、リード曲は「NO NAME.」ですね。「笑えるように」みたいなギターポップの響きがありますが、トラックはDYES IWASAKIさん。初仕事ですか?

ハシシ「いや、1stからやってもらってます。地元がいっしょなんで、結構長い付き合いですね。最近だと、ぼくのりりっくのぼうよみの化粧品のCMのやつ……」

nicecream「「SKY’s the limit」ね」

ハシシ「そう、それ!あの曲のトラックもDYES IWASAKIです」

——なぜこの曲をリードにしようと思ったんですか?

ハシシ「いや、この曲をリードに選んだわけじゃなくて、リードになる曲を作ろうと思って書きおろしたんです。先行シングルが「ME」、「FOOT PRINTZ」と来て、この「NO NAME.」は電波少女らしいキャッチーさっていうか、広がりのある曲にしたかったんですよ。DYES IWASAKIに送ってもらったトラック候補の中で、この曲が浮いてたっていうか、出だしを聴いただけで掴まれる感じがあって、そこから書き上げていったんですが、最初のバージョンをNIHA-Cってヤツに聴かせたんですよ」

——NIHA-Cってヤツ!(笑)。それで反応はどうだったんですか?

ハシシ「“あー、いいっすね”くらいの微妙なリアクションだったんで、ちょっとイラっとしつつ、コードも全部変えてサビを書き直したんですよ(笑)。まあ、結果的に、いまのサビにしてよかったなって思ってるんで、ある意味NIHA-Cのおかげですね」

——前半のM2「ME」、M3「FOOT PRINTZ」、M4「21世紀難民 feat. れをる(from REOL)」、M5「先天性ハートブレイク」という流れに引き込まれますね。いい意味でPOPな曲が並んだというか。「ME」はひとことで言っちゃうとラブソングですよね?

ハシシ「まあ、そうですね。歌ってるのは自己愛ですけど。18歳のころの自分の経験が元になってます」

——この曲はMVもかっこいいし。中盤でチューニングが狂ったみたいにセルフサンプリングしてて。

ハシシ「あの部分に「MO feat. NIHA-C」、「RY feat. Jinmenusagi」が入ってるんですけど、あたまに「ME」をつけると“MEMORY”になるんですよ。ストーリーも繋がってるんで」

——すごい!歴代シングル曲で三部作になってるんだ。niceさん知ってました?

nicecream「あ、それは知ってました(笑)」

——「21世紀難民 feat. れをる(from REOL)」のれをるさんとの接点は?

ハシシ「ニコニコ動画で活動しているころからの付き合いで、MVの撮影現場に手伝いに来てくれてたり、「パラノイア」に入ってる「COMPLEX」って曲にコーラス付けてくれてたり——れをるの知名度を借りるのも申し訳ないので——クレジットは入れてないんですけど。で、8月にREOLが解散するってニュースを聞いて、何かできることないかなと思って誘ってみました」

——「クビナワ feat. ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ」も豪華なフォーメーションですね。

ハシシ「これもニコ動時代に、ササノマリイ君の曲をリミックスしたことがあって、そのときコンタクトをもらって、彼、もともとはHIP HOPのビートを作ってたって言ってて、いつかいっしょにやれたらいいねって。で、やるならここかなと思ってトラックを頼んだんですよ。最初、ぼくりりとふたりで歌ってみたんですけど、なんとなく落としどころが見えなくて。だったらマリイ君の声も入れたらいいんじゃないかと。彼、ぼくりりともやっているし。実際、マリイ君の声を乗せたら、最初のバージョンにあった違和感をうまい具合に中和してくれて」

——ぼくりりさんもマリイさんも歌い過ぎてないし、ハシシさんも一歩引いたところからラップしていて、確かにいい落としどころを見つけた感がありますよ。

ハシシ「何か、まわりの人に昔のハシシっぽいラップだって言われました。たぶんニコ動とかでネットラップって言われてた頃のフロウなんだと思いますけど」

——なるほどね。あと、これは個人的な感想ですが、ぼくりりさんの声が聴こえてくると、横浜駅の地下でやってた「笑えるように nicecream feat.ぼくのりりっくのぼうようみ」を思い出しちゃってグッと来ます。

nicecream「あー、思い出したくない過去が(笑)」

ハシシ「ただアコギを弾いてるだけのnice(笑)」

——そんなniceさん的な推し曲は?

nicecream「「A BONE feat. Jinmenusagi&NIHA-C」。すごく好きです。明るい曲調も好きだし、サビもいいし」

——リリックもすごくポジティブですよね。青臭いこと言うと、電波少女とJinmenusagiとNIHA-Cが互いをチアーアップしてる感じ。

ハシシ「めちゃくちゃポジティブ。アルバム中いちばんポジなリリックかも」

nicecream「ガンバレって聴こえてきて、一瞬ウソだろ?って思いました。いちばん言いそうにないリリックだからすげー驚きました」

——ライブだと客演陣もいて盛り上がりそうですね。

ハシシ「ダンス付けるのは難しそうだけどね。まあ、なんでもダンスすりゃいいってもんでもないし」

nicecream「じゃあ、ライブんとき“俺がいちばん好きな曲やります”って曲紹介してからポン出しするから」

ハシシ「それ、絶対やってよ(笑)」

——ライブといえば、「club EARTH 11th Anniversary」で共演してSEKAI NO OWARIに衝撃を受けたって言ってましたよね?

ハシシ「ひとことで言っちゃうとショウとしての完成度ですね。いままでは、ライブでの衝撃って熱さとかパワフルさみたいなところに感じることが多かったんですよ。でも、セカオワさんのライブって、一見クールなんですけど、照明とか音響とかの作り込みの完成度が凄いんです。ギターの出音がそんなに大きいわけでもないのにちゃんと存在感があって、単純に気持ちいいんですよ」

nicecream「そもそもセカオワさんて、曲も幅広いじゃないですか。ライブではその幅広さにあわせていろんな見せ方のバリエーションがあって、見てても楽しかったですね」

ハシシ「『HEALTH』の初回盤には「EST.」のライブ映像が入ってますけど、自分たちのライブも、昔に比べるとだいぶマシになってきたなとは思いますし、自分たちなりにコントロールしているつもりはありますけど、間の悪さとか、つたないMCだったり、そういう電波少女らしさっていうか、雰囲気に甘えちゃってる感じはありますね」

——ライブ、楽しみです。アルバムリリース後の予定は?

nicecream「9月24日は「ONE+NATION music circus in 山中湖 〜青空ミュージアム〜」に出演します。10月7日は高円寺HIGHでリリースパーティーです。10月9日の「MINAMI WHEEL 2017」にも出ます」

ハシシ「これからいろんな予定が入ってくるとは思いますし、テレビ、ラジオ、イベントとかも大事なんですけど、1年前くらいから原点回帰っていうか、いい曲たくさん作って、いろんな人に聴いてもらわなくちゃって気持ちが強くなってて。いままでになく曲を作りたいってモチベーションなんですよ。だからもうトラックメイカーと連絡取り合ったりしながら新しい曲書いてます」

——いつになく前向きですね(笑)。

ハシシ「やっぱり曲を聴いてもらわないと意味ないじゃないですか。俺、エゴサーチとかよくするんですけど、そしたら“USENのリクエストで電波少女の曲、すごい流れてるよ!”とか“さっきのラーメン屋、電波少女かかってたよ!すごくない?”みたいな……それラーメン屋がかけてるわけじゃなくてUSENだから(笑)。でも、やっぱりそういう反応がうれしかったりするんですよね。だから、そう、いますごいポジティブですよ」

(おわり)

取材・文/encore編集部





■INFO
「メジャーデビューアルバム『HEALTH』発売記念インストアライブ&特典会」
2017年9月27日(水)19:30@タワーレコード横浜ビブレ店
2017年9月30日(土)21:00@タワーレコード新宿店

「電波少女メジャーデビューアルバム『HEALTH』リリースパーティー」
2017年10月7日(土)OPEN/16:30、START/17:00@高円寺HIGH

「Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2017」
https://minamiwheel.jp/
2017年10月9日(月)18:15@CONPASS



電波少女『HEALTH』
2017年9月27日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)/BVCL-823/824/3,518円(税別)
通常盤(CD)/BVCL-825/2,593円(税別)
アリオラジャパン

1. INTRO
2. ME
3. FOOTPRINTZ
4. 21世紀難民 feat. れをる (from REOL)
5. 先天性ハートブレイク
6. 花火 feat. NIHA-C
7. MONE¥CLIP feat. Jinmenusagi
8. SKIT1
9. 未来は誰かの手の中
10. クビナワ feat. ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ
11. SKIT2
12. NO NAME.
13. A BONE feat. Jinmenusagi&NIHA-C
14. OUTRO

初回限定盤DVD『電波少女 ワンマンライブ“EST.”at Shibuya WWW X(2017.06.18)/MV&Short Movie』
1. INTRO
2. FOOTPRINTZ
3. オルタネートエラー feat. トップハムハット狂
4. Mis(ter)Understand
5. Earphone feat. Jinmenusagi
6. RY feat. Jinmenusagi
7. オーバードーズ feat. NIHA-C
8. MO feat. NIHA-C
9. ME
10. 笑えるように
11. COMPLEX feat. Jinmenusagi, NIHA-C
12. ME MV
13. FOOTPRINTZ MV
14. NO NAME. -Short Movie-『デイドリーマーA』





今ならSMART USENで電波少女の『HEALTH』が聴けちゃいます!(11月2日まで)



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