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2017.08.10

DJ HASEBE×唾奇×おかもとえみクロスインタビュー——「ROOM VACATION feat. 唾奇&おかもとえみ」と『CITY HIP POP MIX』

Manhattan RecordsのMIXCDシリーズ『CITY HIP POP MIX』第3弾として7月26日にリリースされた『Manhattan Records presents CITY HIP POP MIX - Special Chapter - mixed by DJ HASEBE』に収められている「ROOM VACATION feat. 唾奇&おかもとえみ」。Pitch Odd Mansionのラッパー、唾奇、そして元THEラブ人間のおかもとえみとDJ HASEBEの対談をお届けする。

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——まずは「ROOM VACATION feat. 唾奇&おかもとえみ」について伺いましょう。

DJ HASEBE「『CITY HIP POP MIX』シリーズの第3弾を自分が担当することになって、ただミックスするんじゃなくて、新録曲を入れたいと思ったんですよね。しかもリミックスとかじゃなくて、オリジナル曲で行きたいなって。その上で、自分のキャラクター的にも、ラッパーとシンガーを迎えた楽曲を構成したいと思ったんですよね」

——「今すぐ欲しい feat. Sugar Soul+Zeebra」や「Get Out! feat. BONNIE PINK&VERBAL」と同じくHASEBEさんのビートに女性シンガーと男性ラッパーという組み合わせは、ある種鉄板とも言えますね。

HASEBE「過去のモノをなぞろうっていうつもりは無かったんですけどね。ただ、最近はDJ HASEBE「晴れた午後は代官山で feat. 野宮真貴」のように、大御所や自分の世代のアーティストといっしょに作る事が多かったんで、今回は最前線の20代の人間といっしょに作りたいと思ったんですよね。それで最近聴いてたアーティストの中で気になっていた、おかもとえみさんと唾奇に声をかけさせてもらって」

——おかもとさんも唾奇さんも20代ですね。

HASEBE「唾奇はSweet Williamとの「Jasmine」や他の作品で気になってた存在で、おかもとさんは「HIT NUMBER – EVISBEATSとPUNCH REMIX」から聴き始めて、そこから他の作品も聴かせてもらっていて。それで、今回はそのふたりかなって思ったんですよね」

——オファーを受けたおふたりのファーストインプレッションは?

おかもとえみ「私はHIP HOPの方面に友達はいなかったんで、初めましてのジャンルの方と友達になれるかな……って(笑)」

HASEBE「そんな風に思ってたんだ(笑)」

おかもと「もちろん新しく知り合えるのは本当に楽しみだったんですけどね(笑)。そこからおふたりの曲を改めて聴かせていただいたら、めっちゃ格好いいし、人間的に仲良くなりたいなって。出来上がったものも本当に格好良くて、何度も聴き返してます」

唾奇「HASEBEさんの楽曲はもちろん聴いてたし、おかもとさんの曲も聴いてたんですよね。それで、この人めっちゃいいなって思ってた時にこの話をいただいたんで、めっちゃ嬉しかったですね」

HASEBE「最初に唾奇と打ち合わせの時に、おかもとさんの名前を出したら“前から聴いてました”って言ってたから、これはリンクしやすいなって。それで楽曲のコンセプトも唾奇に考えてもらって」

唾奇「俺は夏が嫌いなんですよ」

——“あの太陽を破壊したいぐらい”というリリックは、メタファーではなくて本当に破壊したかったんですか?(笑)

唾奇「暑いのが苦手なんですよ。汗かくのも嫌いだし」

おかもと「私といっしょだ」

唾奇「僕は家が大好きな人間なんで、夏だからってどっか遊びに行くとかもないんですよね。だから“明るい夏の曲は書けないです”って(笑)。それで僕の方向で夏の曲を書くなら、こういうインドアでちょっとだらしない夏の曲になりましたね」

HASEBE「ダメ男と、それでも好きな女子っていう方向性に持っていこうって。チャラい夏みたいなストレートな方向性より全然面白くなったよね」

おかもと「私も“ダメ男好きダメ男好きダメ男好き……”って自分に言い聞かせて書きつつ、でも私自身、ダメ男が好きになりがちなんで、結構書きやすかったです(笑)」

唾奇「ダメ男好きになるっすか?」

おかもと「ダメだな、と思いながら、でも好きなんだよな、って。そういう情というか情けというか(笑)。そういう気持ちが組み込めたと思いますね。そしてだいたいそういう人って酔っ払ってるイメージがっ!?」

HASEBE「確かに(笑)」

——おかもとさんの“抱きしめたらアルコールの海ね”という歌詞もリアリティがあったと(笑)。

おかもと「ほらっ、ドラマとかでもダメな人と会うのってだいたい夜で、だいたい呑んでたりしません?」

唾奇「でも、あの表現めっちゃ格好よかったっすね」

——ポップで軽やかな感触があるから、もっと爽やかな夏かなと思ったら、すっきりしない(笑)。

HASEBE「トラックもキレイめなんだけど、そのリリックとのバランス感が面白いかなって。トラックはサンプリング回帰な方向で作りたいってイメージがありましたね。しかも大ネタ使いじゃなくて、コラージュ感のあるような形にしたくて。ここ最近はリミックスや歌モノが多かったんで、知らず知らずのうちにサンプリングが減って、キレイに作る事が多かったんで、自分としても違う刺激が欲しかったんですよね。その上でふたりともリクエストに応えてくれたし、バシッと仕上げてくれたんで、すごく楽しかったですね」

——この曲のMVは?

HASEBE「江ノ島で撮ったんだけど、だいたい部屋の中で撮影で(笑)」

——夏の江ノ島なのに(笑)。

HASEBE「台風が直撃しちゃってひどい天気だったんだよね」

おかもと「嵐でしたね」

唾奇「帰る時にコケて、普通に怪我してますからね、俺(笑)」

——『Manhattan Records presents CITY HIP POP MIX – Special Chapter – mixed by DJ HASEBE』について伺います。今回収録されたアーバン/メロウと親和性のあるHIP HOPがシーンのひとつの潮流になってますが、HASEBEさんはどう感じていますか?

HASEBE「ラップもビートも日本の中で独特の進化をしてると思うし、オールドスクール感とは違ったサンプリングの使用感や、緩めのキャラクターも面白いし、こういう都会っぽい感じは興味深いですよね」

——こういったCITY HIP HOPは、R&B的な流れも影響していると思うし、2000年前後にHIP HOPとR&BをクロスオーバーさせたHASEBEさんがシリーズを手がける事の必然性を感じますね。

HASEBE「僕もラップのシーンとリンクしつつも、一定の距離を置いたり、差別化をしたいなと思いながら制作をしていて、そういうひねくれみたいな部分が、他の人とは違うビート感や感触のある作品作りに繋がってたと思いますね」

——今回ミックスする上でキーになった曲はありますか?

HASEBE「1曲というよりは、全体のトーンとして、ここ最近の自分のミックスの中ではラップは多めに入ったと思うし、唾奇とか20代中盤から後半ぐらいの世代の作品を積極的に入れたいと思ったんですよね。それはフックアップとかって言うよりも、なんならちょっと僕が学び直さなきゃなって。いま僕が好きなアーティストから色々学ぼうとしたり、接点を作りたいって気持ちがありましたね」

——ふだんのプレイでもかけますか?

HASEBE「邦楽は自分のプレイの後半で、泥酔しながらかけたりしてますね(笑)。このあいだも、沖縄できのこ帝国をかけて、そこから唾奇の曲につなげて、沖縄のオーディエンスに喜んでもらうっていう(笑)」

——唾奇さんと今回収録されたアーティストとの繋がりは?

唾奇「TOKYO HEALTH CLUBはこの前あいさつさせてもらって、KID FRESINO君とはさっき会いました(笑)。ittoさんやkiki vivi lilyとはSweet Williamの「Sky Lady feat. Jinmenusagi, Itto&kiki vivi lily」でいっしょになったり、underslowjamsはリスナーとして好きでよく聴いてますね」

——おかもとさんは?

おかもと「iriちゃんとか鈴木真海子さんの曲は、自分と違う歌詞の書き方や歌い方がが面白いなってリスナーとして聴いてます。G. RINAさんは超好きなアーティストで、彼女の「恋人はエイリアン」って曲が、私の「HIT NUMBER」で歌ってるヒットナンバーなんですよね」

HASEBE「それはおもしろい話だね」

おかもと「それを言うタイミングをいっつも逃してたんで、言えて良かったです(笑)。だから、自分が好きで聴いてた人と、このミックスの中で繋がるのがすごくおもしろくて。あと、「POOL」のトラックを作ってくれたのが、ENJOY MUSIC CLUBの江本祐介さんなんですよね」

唾奇「そうなんすね。「POOL」はいちばん食らった曲なんですよ。ヤバ!って」

おかもと「マジすか、うれしい!」

唾奇「俺も「POOL」みたいな曲が作りたいです」

おかもと「あ!じゃあいっしょに作りましょう。ソロはホントにひとりで作ってて、配信の仕方とかも分からないので、手伝ってもらいたい」

HASEBE「それはもっと実務のできる人に頼んだほうがいいんじゃない?(笑)。でもこの座組でタイミングがあえば、また作ってみたいですね」

——最後にこのアルバムのリスナーにメッセージを。

HASEBE「今までこのシリーズを聴いてる人には、この作品もまた聴いてもらえれば、っていうのと、新曲含め、いま最前線のアーティストの作品を入れてるんで、若い子はもちろん、おっちゃんおばちゃんも、勉強がてら最近の動向を聴いてもらえれば。勉強がてらっていうのは冗談だけど、僕も含めてちょっと歳を取ると、新しい音楽に反応できなくなったりして、自分たちが好きな音楽は最近はもう無いのかなって勘違いしてる人もいると思うんですよね。だから、そういう人たちに“おもしろい音楽はあるよ”って伝わるといいですね。逆に新曲も含めて、若い世代に自分の曲が聴いてもらえるのもうれしいし、そうやって刺激し合える作品として受け取ってもらえれるとうれしいですね」

(おわり)

取材・文/高木“JET”晋一郎
構成/encore編集部



DJ HASEBE「ROOM VACATION feat. 唾奇&おかもとえみ」
2017年7月26日(水)配信
Manhattan Recordings


V.A.『Manhattan Records presents CITY HIP POP MIX – Special Chapter – mixed by DJ HASEBE』
2017年7月26日(水)発売
LEXCD-17012/2,200円(税別)
Manhattan Recordings


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