<PR>
音楽アプリ「SMART USEN」のお試しはこちら!



――家入さんにとって2017年はデビュー5周年ということで、4月には念願の武道館公演も実現しましたね。

「デビュー前から憧れていたステージだったので、やっぱりすごい場所なんだなって歌っていて思ったし、今後音楽と向き合ってゆく中での気持ちが変わったというか、変えられてしまった場所でもあります」

――「意外とみんなの顔が見えるんだね」って客席に語りかける家入さんの顔だったり、バンドメンバーとの他愛ないやりとりが本当に楽しそうでした。武道館が近づくにつれて高まってゆく気持ちもあったのでは?

「そうですね。早くみんなに会いたい!って。本当に自分でも考えられないくらいの数のスタッフさんだったり、バンドメンバーはもちろん、色んな人が、約1年かけて準備してくれたわけじゃないですか。モニターに映し出されたアニメーションもそうやって作っていただいた作品のひとつですし、ステージのセットも、衣装もそう。そういうことに関わってくれた色んな人の思いが、あの武道館公演の2時間に凝縮されているんだなって。そうやって力を貸してくれているみんながどんなにがんばっても、その2時間に私ががんばれなかったらそれまでだなって思いました」

――やはり武道館のステージから見える景色って特別なものですか?

「やっぱり他の会場とは違いますね。嘘じゃなくて、武道館って本当にお客さんの顔がよく見えるんですよ。今回は、照明さんにお願いして、お客さんの顔が見えるようにライティングを作ってもらったので、みんなが喜んでくれている顔がはっきり見えました。こんな言い方をすると冷めているように聞こえるかもしれないけれど、“ここにいるみんなは、何で私なんかのためにこんなに喜んでくれているんだろう?”って思ったんです。それくらい、幸せな時間でしたね」

――幸せな感情って伝わりますよね。“ちゃんとみんなの顔が見えてるよ!”って語りかける家入さんの白いワンピースが鮮烈で。

「5周年を迎えることができてありがとうという気持ちとともに、リリースしたばかりのベスト盤『5th Anniversary Best』をきっかけに、もっといろんな人に私のことを知ってほしいという気持ちもあって。私がワンピースの衣装を身に着けるだけで、昔からのファンの人は、“わー!”って驚いてくれるので、そういう意外性だったり、ベスト盤をきっかけに私を知ってくれた人は、その雰囲気を、“なになに!?”って楽しんでもらえるんじゃないかなって考えたんですね。私からするとごくふつうのことなんですけど、私が思っていた以上に盛り上がったので、あ、やっぱりみんなの中の、家入レオのイメージってそうなんだなって(笑)」

――近くの席にいた女性ファンなんかは、“あっ、ワンピース着てる!可愛い!”って喜んでいましたよ。

「そうやって喜んでもらえるとがんばった甲斐がありますよね。あの衣装は、あの日のためだけに、一着一着デザイナーさんと相談しながら作ったんです。私の身長でもちゃんとスタイルがよく見えるように、ここはきゅっと引き締めて、ここはふわっと広げようっていう感じに、いろいろと考えて、私が自信を持って歌えるように仕上げてもらったんです。ふだんあまり意識することはないんですが、そのときばかりは、“あ、私もやっぱり女子なんだな”って(笑)。逆に、後半のチェックの赤いシャツは、皆さんがイメージする家入レオらしい衣装ですよね。あれは、ステージで動きまわったときに、裾が揺れて、動きが引き立つように意識しました」

――まさに、赤いシャツに着替えてから終盤の「Party Girl」から「Hello To The World」っていう流れが最高に盛り上がりました。名残惜しそうっていうか、まだまだ歌い足りないって感じが伝わってきましたよ。

「確かにもっともっと歌いたい!って気持ちはありましたね。でも、だからこそ次に進めるんだっていう気持ちもあったし、客席のみんなからも同じ思いがじわじわ伝わってきましたから。それを体感できたことがうれしかったですね。本当に幸せだなって思いました」

――さてさて、そんな武道館公演を経て、まずは2017年の第1弾シングル「ずっと、ふたりで」が間もなくリリースされます。今回、家入さん自身は、詞曲ともノータッチで、初めて純粋にシンガー=家入レオという立ち位置になりました。

「そうですね。そうするべきなんだって思いました。というのは、武道館は、自分を表現したいっていう気持ちを封印して、この5周年を支えてくれてありがとう、みんな来てくれてありがとうっていう気持ちだけ歌おうって臨んだんですね。だからステージでは、もっとこういうふうに歌いたいな、こんなアレンジもできるなって考える余裕があったんです。でも、武道館が終わって、まわりのみんなに最高のライブだったねと言われて、ひょっとして、音楽って自我を主張しすぎちゃいけないのかもしれないなって思うようになったんです。だから制作にタッチしすぎると、ここが違う、こうじゃないっていうふうに、自分が思う自分にしかなれないのかもって」

――タイトル曲「ずっと、ふたりで」は、福士蒼汰さん主演のドラマ「愛してたって、秘密はある。」の主題歌です。

「私は、ありがたいことにこれまでもドラマの主題歌を担当させていただくことが多かったんですが、今回もドラマのプロデューサーさんや監督さんとディスカッションして、こんな感じの曲がいいかなって自分で何曲か曲を書いてみたんです。それが武道館前のタイミングで。でも武道館で感じた気持ちに抗えないってことを、正直にスタッフさんに伝えて、自分が詞曲にタッチしない曲を歌ってみようって決めました」

――「ずっと、ふたりで」を手掛けたのは、嵐やAKB48グループ、中島美嘉さんの作品でおなじみの杉山勝彦さんですが、こういう曲があるんだけどどう?っていうプロダクションだったんですか?

「私の方から杉山さんにお願いしたんです。私が杉山さんを初めて知ったのは、中島美嘉さんの「一番綺麗な私を」という曲で、ずっと前からいつかごいっしょできたらなと思っていたんです。でも、杉山さんは、ご自身で作詞作曲の両方を手掛けていらっしゃって、共作はなさらないって聞いていたので、ご縁がないのかなと思っていたんです。でも今回、こういう機会が巡ってきたので、杉山さんにお願いさせていただきました」

――作家さんの作った曲を歌うことの違和感とかやりづらさは感じませんでしたか?

「それはなかったですね。やっぱり、いちばん大事なことは、いいものを残していきたいっていう気持ちなので。自分で書いた曲でも、そうでなくてもいいものはいいし、それをみんなにちゃんと届けたい。一瞬だけオリコンにランクインしておしまいってやり方じゃなくて、ちゃんとみんなの心に刻みたいんです。今回杉山さんに書いていただいた曲は、素直にいい曲だなって感じたので」

――この曲とのファーストコンタクトというか、印象は?

「最初聴いたときは、正直あまりピンときていなかったんです。でも声を当ててみて、“間違いない!この曲だ”って思いました。例えば最先端の洋楽もかっこいいとは思いますけど、杉山さんの曲には、日本で育った私たちの耳に、懐かしいって感じさせるエッセンスやメロディーがちゃんと備わっていて、私自身もそれを表現してみたいという気持ちが芽生えましたね」

――特に詞は、ドラマの世界観に通じる部分もあるように思えますね。

「それが、杉山さんにはドラマの主題歌だということはお伝えしていたんですが、ご自身はドラマの細かい内容はほとんど知らされないままあの曲を書いたそうなんです。それなのに、あの詞と曲ができてきたんです。だから、“うわっ!きっとこれは運命だわ!”って思いましたね」

――詞曲ともいままでの家入作品とはちょっとニュアンスが違うと思ったし、だからこそ、家入レオというボーカリストの可能性を感じることができた気がします。ご自身はどう感じていますか?

「すごく歌い甲斐があるというか、あらためて音楽との向き合いかたを考えさせられましたね。ただ歌うだけだったら誰にでもできるし、でも、だからこそ歌で誰かを感動させるって難しいことだと思うんです。たとえば、美空ひばりさんは、歌い手として有無を言わせぬ表現力がありましたし、逆に杉山さんのような作家さんは、自分たちが生み出した作品を託せる歌い手を探していると思うんです。自分が作った世界観を完成させる最後のピースというか……だから、“やっぱりこの歌を歌えるのは家入レオしかいないよね”って言ってもらえるようになりたいですね。お互いを尊敬しつつ、全部をぶつけ合えるように自分を磨かなきゃって。だって、杉山さんの書いた曲を歌いたい人はきっとたくさんいるはずだから」

――続いてカップリングの「だってネコだから」。こちらの作詞作曲は家入さん。クレジットにはギタリストの山口隆志さんの名前もありますが、初仕事ですか?

「山口さんは――私はいつもぐっさんって呼んでるんですが(笑)――ベスト盤の特典として収録された「I PROMISE YOU」もそうですし、昔からレコーディングではすごくお世話になっていまして」

――詞もメロディーも可愛らしいし、ネコっていうワードのとおり、コケティッシュでくすぐったい感じが素敵ですね。大島弓子さんの『綿の国星』を思い出しました。

「今までの家入レオにはなかったタイプの曲ですよね。私もすごく気に入っているんですよ。ある意味流れ作業的というか、仕事として曲作りをしている気がしてしまうこともあったのですが、この曲は日常生活の中から自然と生まれてきたんですよ。私は、藤原さくらちゃんと仲良しなんですが、彼女みたいにピアノで曲を書いてみようかなってふと思いついて、でたらめな英語詞を乗せて録ってみたり。性格が猫っぽいよねってよく言われるので、じゃあ、いっそ猫になったつもりで詞を書いてみようかなって。原型はここまで可愛い感じじゃなかったんですが、ぐっさんに頼んでもっとJ-POPっぽくなるようにアレンジしてもらいました」

――そして3曲目は「ヒーロー」。こちらはウルフルズのカバーです。“おれ”っていう一人称が鮮烈です。

「とうとう“おれ”って歌う日が来たかー!って思いました(笑)。でも、ヒーロー/ヒロインになりたい!でもなれない!って葛藤は男女を問わずあると思うので、そうやって感情移入して歌っていたらそんなに気にならなくなって。聴いている人のほうがびっくりするかもしれませんね」

――「泣き出しそうになる一歩手前の顔で/おれなら誤魔化してしまうだろう」の譜割りが……

「まさにトータスさんらしいですよね。この曲は、三井住友銀行さんのCMソングで、コンセプトが2020年の東京オリンピック・パラリンピックということで、私も誰かの背中を押せるお手伝いができたらなと」

――今回のシングルを聴いてあらためて思ったのは、家入さんの音楽ってロックであり、ポップスであり、ボーカルもの、シンガー・ソングライターものともいえるし、類型化しづらいんです。僕らのような生業をしていると、誰それのフォロワー、ポスト誰それ、2000年代の誰それ、みたいな枕詞を使いたいんです。でも、家入レオって家入レオとしか言いようがないなと。

「うれしい!それって最高の誉め言葉じゃないですか!」

――安易に一般化されない存在感というか……ご自身がそう感じることはありませんか?

「たまにそう感じることはありますね。なんか、どこの仲間にも入れてもらえないなあって……これ、ジャンルって意味ですよ。友だちとかミュージシャン仲間はたくさんいますから(笑)」

――さて、5周年という節目を迎え、あこがれだった武道館のステージにも立ちました。武道館のときのMCで、「武道館は憧れだったけど、これで夢がかなったわけじゃない」という言葉が印象的だったんですが、家入さんの次なる目標は?

「たったの5年でしょ?って気持ちもありつつ、でもやっぱり私にとってはすごく大きな5年間だったので、いままでの自分を超えていきたい。そのためには過去の自分を解放してあげることかな。これはやらない!って決めつけるんじゃなくて、お声がけいただいたことはどんどんやっていこうと思います」

――以前のインタビューでは声優にチャレンジしたいって言っていましたよね?

「そうそう、やっぱりアニメ作品の声優って特別だと思うので、いつかやってみたいです。音楽はもちろんですが、それが音楽以外のものだったとしても、そのときそのとき、自分が好き、自分がやってみたいと思えることに全力で取り組んでいくだけですね」

(おわり)

取材・文/encore編集部





家入レオ「ずっと、ふたりで」
2017年7月26日(水)発売
完全生産限定盤(CD)/VIZL-1204/2,200円(税別)
Colourful Records

家入レオ「ずっと、ふたりで」
2017年7月26日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)/VIZL-1203/1,700円(税別)
Colourful Records

家入レオ「ずっと、ふたりで」
2017年7月26日(水)発売
通常盤(CD)/VICL-37299/1,200円(税別)
Colourful Records

『5th Anniversary Live at 日本武道館』
2017年7月26日(水)発売
Blu-ray/VIXL-196/5,000円(税別)
Colourful Records

『5th Anniversary Live at 日本武道館』
2017年7月26日(水)発売
DVD/VIBL-861/4,500円(税別)
Colourful Records




J-POPフリークの音楽アプリ「SMART USEN」



アプリのダウンロードはこちらから

Get it on Google Play
Get it on Google Play
一覧へ戻る