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オーディオ
2015.10.16

特集 Amadana Musicプロジェクト――前編

クラウドファンディングサイト、Makuakeでスタートしたamadanaとユニバーサル ミュージックの共同プロジェクト「Amadana Music」。その第一弾プロダクトがこのレコードプレーヤーだ。この興味深いプロジェクトのキーパーソンにインタビューする機会を得た。その模様を前後編の2回に渡ってお届けする。

Amadana Musicプロジェクト

14,216,520円のファンドと896人のサポーター

プレーヤー単体での支援価格は16,200円。スピーカー内蔵、USB外部出力付きという使い勝手のよさと、優れたデザインが話題を呼び、Makuakeでのファンド募集では、1,000万円と800人超の支援を獲得。amadanaとユニバーサルミュージックというメジャーブランドにとって、クラウドファウンディングによる製品化は、むしろ手間のかかるアプローチだったはずで、あえてそうした手段を選択した理由と、そもそもなぜ今、レコードプレーヤーなのか?興味は尽きない。

――このプロジェクトがスタートしたきっかけは?

大原 浩(ユニバーサル ミュージック合同会社 ゼネラルマネージャー、以下「O」)まず世界的にレコードの売上が伸びているという状況があります。2014年、アメリカでは前年比53%、日本でも66%増。その数字を見て、レコードをもっと扱っていこうという雰囲気がユニバーサル ミュージックの社内にもありました。でもプレーヤーを持っていない人も多いだろうということは容易に想像がつきました。ですから、手軽に買えるプレーヤーも出したかった。それができるメーカーを探していたところamadanaの熊本社長と話をさせていただく機会があって、このプロジェクトにつながりました。

熊本浩志(amadana株式会社 代表取締役社長兼CEO、以下「K」)実は10年くらい前に、amadanaにもレコードプレーヤーの企画があったんですが、当時はレコードの売上が下がっていた時代だったので発売には至りませんでした。でもアナログレコードのプレーヤーはプロダクトとして主張が強いし、シンボリックだからずっとやりたいとは思っていました。僕はもともとDJをやっていて、学生の頃は毎月ものすごい枚数のアナログレコードを買っていたんですよ。

――最近のレコードブームと、熊本さんの気持ちがリンクしたわけですね

Kアナログが流行っている昨今の状況を冷静に見てみると、昔アナログを聴いていた人たちのノスタルジックな回帰だけではなく、そもそもアナログを知らない若い子たちが買いだしているのが特徴だということがわかりました。そういう若い子たちは、アナログを新しい技術として見ているんです。

――従来の音楽ファンとはレコードというアイテムの捉え方が違う?

Kレコードもプレーヤーも、音楽を聴くための道具として買っているだけでなく、ファッションアイコンとして買ってる若い子も多いんです。彼らは、身の回りのものを使って自己演出することを常に考えている。その「自慢したい」、「共有したい」という欲求を理解する必要があると思っています。レコードもプレーヤーも、自己表現の道具として使われることを意識しなければいけない。

O今の世代の子たちは、ライブやフェスといった体験にはお金を使うけれど、単に音楽を聴くという行為にはお金をかけなくなってきている。音楽を聴くことは目的じゃなくて、友達と情報を共有するための手段なっていると思います。

Amadana Musicはハードをつくるためのブランドではない

――amadanaではなく、Amadana Musicというブランドを立ち上げました

Kユニバーサルさんといっしょにやるということで、お互いに新しい事業ドメインみたいなものをつくったつもりです。Amadana Musicというブランドで、音楽の聴き方とか共有の仕方とか、楽しみ方の提案をしてけたらいいなと。Amadana Musicはハードをつくるためのブランドではない。極論すると、ものをつくらなくてもいいと思っているんです。

OAmadana Musicというブランドで、今後他のレコード会社やプロダクションとも協業して、新しい音楽の楽しみ方の提案をしていけたらいいですね。(後編につづく)

左がamadana株式会社 代表取締役社長兼CEOの熊本浩志氏、右がユニバーサル ミュージック合同会社 エンタテインメント&メディア事業部ゼネラルマネージャーの大原 浩氏

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